留学内容
MITメディアラボにて、デザインと生命科学を融合させた「バイオデザイン」分野の研究に取り組みました。活動の核となったのは、ハーバード大学と共同開催される実践的プログラム「How to Grow (Almost) Anything」への参加です。ここでは、アーティストやエンジニアなど多様な背景を持つ仲間と共に、合成生物学の理論からDNAの実験まで、手を動かしながら学ぶ日々を送りました。また、TA(ティーチング・アシスタント)として、学生のプロジェクトを支援する経験も得ました。
最終更新日:2025年09月17日 初回執筆日:2025年09月17日
語学力:
言語 | 留学前 | 留学後 | |
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英語 | 挨拶など基本的な会話ができるレベル | → | 挨拶など基本的な会話ができるレベル |
MITメディアラボにて、デザインと生命科学を融合させた「バイオデザイン」分野の研究に取り組みました。活動の核となったのは、ハーバード大学と共同開催される実践的プログラム「How to Grow (Almost) Anything」への参加です。ここでは、アーティストやエンジニアなど多様な背景を持つ仲間と共に、合成生物学の理論からDNAの実験まで、手を動かしながら学ぶ日々を送りました。また、TA(ティーチング・アシスタント)として、学生のプロジェクトを支援する経験も得ました。
今回の留学は、「微生物の働きによって自然へ還る、新しい埋葬の形」をデザインしたいという想いから始まりました。テクノロジーとデザイン、アートが交差するMITメディアラボは、「人類が自然環境とどのように関わるか」という大きなテーマを具体的な形にするための最先端の知見を得られる場所だと考えました。
留学の成果は、ボストンの地で「いきものの暮らしを豊かにする」という新たな視座を得たことです。そしてMITのプログラムを通じ、バイオテクノロジーの専門なスキルと、生命科学の観点からデザインと倫理を考察する思考法を現地で学ぶことができました。さらに、世界中から集う学生・研究者や現地の日本人コミュニティとの分野を超えたグローバルな繋がりも、大きな財産です。
問題解決力
「解くべき問いそのものを発見し、再定義する力」が身につきました。当初の「どのように死を捉えるか」というテーマから、最終的に「いきもののウェルビーイング」へとたどり着けたのは、この視点があったからです。自分のアイデアを様々な視点から見つめ直し、自分自身、そして他者と対話を繰り返す中で、より本質的な課題を提起し、解決策を思索していくという、課題発見・課題解決のプロセスを体験することができました。
今後は、留学で得た「いきもののためのデザイン」という視点を軸に、活動を展開していきたいです。留学の成果である「イルカの暮らしを豊かにするプロダクト」のコンセプトを発展させ、日本の水族館や動物園と連携し、実際に成果物としてプロダクトををつくりたいと思います。
2025年
1月~
2025年
5月
活動の中心は、MITメディアラボとハーバード大学が共同で主催する「How to Grow (Almost) Anything」への参加でした。これは、合成生物学を知識として学ぶだけでなく、実践を通して学ぶプログラムです。ここでは、生物学、アート、エンジニア、建築といった全く異なる背景を持つ学生と共に、DNA配列の設計から微生物の改変に至るまで、「手を動かしながら考える」日々を送りました。また、TAとして、多様な学生のプロジェクトを支援する貴重な経験も得ることができました。
メディアラボの最大の特徴は、異分野交流が盛んな文化だと感じました 。また建築も興味深く、それぞれのガラス張りの壁は他の研究室の活動が可視化されて、オープンな場づくりも特徴的です。こうして多様な専門性を持つ人々が昼夜議論を交わすメディアラボの環境は、私の問いをより深く、広く拡張してくれました。「死後、いかにして生態系に還るか」という問いは、やがて「生きている時間そのものを、いかに豊かにデザインできるか」という問いへと繋がっていきました。
当初の関心を根底に持ちつつ、現地での水族館との出会いをきっかけに、生き物のウェルビーイングや動物福祉をデザインの力で向上させることへと、関心が広がっていきました。例えば、私たちの身の回りには人間やペットのためのデザインは溢れていますが、水族館や動物園で暮らす生き物のためのデザインは、これまで見過ごされてきたのではないか、と。この気づきが、最終的に私の留学の目的を「人工的な環境で暮らすいきものたちのウェルビーイングを向上させるプロダクトをつくる」ことへと発展していきました。
学費:納入総額 - 円 |
住居費:月額 - 円 |
生活費:月額 - 円 |
学費:納入総額 - 円 |
住居費:月額 - 円 |
生活費:月額 - 円 |
【偶然の雑談が問いを育てる】
MITメディアラボでは、例えば「Cozy Chai Friday」という、金曜の午後にチャイを飲みながら誰もが雑談するだけの、ゆるやかな時間が流れるイベントが定期的に開かれていました。専門分野を越えた偶然の対話が、イノベーションのきっかけになることがあるのだと感じました。
プログラムで活用されていたNotion(情報共有ツール)の使い方を工夫しました。そこでは、成功例だけでなく、全ての実験記録が公開されており、失敗したデータも「こういう条件下ではうまくいかない」という貴重な知見として共有されていました 。それに倣い、自分も単に「失敗した」と報告するのではなく、「このアプローチではこういう問題が起きることが分かった。次は別のアプローチを試す」という形で、失敗を「価値ある学習データ」として前向きに報告するようにしました。いまだに失敗すると落ち込みますが、失敗をシェアすることで、今後他の学生が自分と同じミスをするのを防ぐことができますし、トライした自分の行動を極力ポジティブに捉えられるのではないかと考えています。
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