留学大図鑑 留学大図鑑

みんじ

出身・在学高校:
石善学園 新潟第一高等学校
出身・在学校:
新潟大学
出身・在学学部学科:
農学部応用生物化学科
在籍企業・組織:


最終更新日:2017年05月19日 初回執筆日:2017年05月19日

タイでの食品科学実験

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)・栄養学・食物学
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • カセサート大学・農産業学部・食品科学&技術学科/シンクロトロン施設
  • タイ
  • バンコク・コラート
留学期間:
5ヶ月半
総費用:
800,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 940,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEFLiBT 76 / TOEIC 700> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

全人類が惚れる食品を開発する研究者になるための一歩というテーマで、タイのバンコクにあるカセサート大学に研究留学。そのうち5週間はカセサート大学の担当教員に派遣してもらい、タイのコラートにあるシンクロトロン施設(パブリック研究機関)にインターンシップ。
食品開発者になるためには、世界の食品科学についての知識および実験経験が必要と考え、タイの大学で食品科学に関するセミナーおよび現地で行われている研究のプレゼンテーションを聴講及び大学と実験施設で食品に関する実験プロジェクトを実施。また現地の食品事情について、実際に食し体験。(屋台やコンビニなどで売られている食品やお菓子など)
タイ独自の食品を使った研究などを聞き、食に対する研究は数知れず、終わることはないことを実感。

留学の動機

日本にだけいたくない、英語をもっと使う生活をしたい、世界をもっと見て聞いて肌で体験したいという思い。すでに2年休学をして韓国の方に留学していたため、今度は自分の専門で留学したいと思った。 外に出ることで、自分の可能性や自分自身をより知ることができると知っていたため。将来は自分の専攻を生かして、世界をまたにかける仕事をしたいと考えていた。

成果

食品科学に関する英語の知識、専門用語の習得。食品科学に関する実験技術の習得及び復習。インターンを通して、科学者としての生活を体験、自分の将来のビジョンに影響を与えた。日本発信プロゼェクトを通して(日本のお菓子は世界1をテーマに、日本のお菓子評価会を開催)、タイ学生の日本のお菓子に対する高い関心を再確認。留学中に行った東南アジアの旅を通して、日本の豊かさ・心地よさ・楽さを実感。

ついた力

自分自身理解力

自分は自分が思っていたよりも弱く、そして強い。タイで何度も新しい環境に体当たりし、その度にストレスを感じている自分を発見。でもすぐに慣れる自分も発見。心配なことがある度に、不安になり余裕がなくなる。計画通りにならないことばかり、それを受け入れ心に余裕を持つことで精神が強固に。自分は1人では弱いが、いつも周りに助けてくれる人がいることに感謝、そしてその人達のために自分はいくらでも強くなれる。

今後の展望

挑戦し続けることをやめたくない。
専門性をより高めるために、院進学を考えている。
日本の院も選択肢にあるが、海外の院で自分自身をもっと高めたい気持ちが強い。
2年間の休学留学、今回のトビタテ留学を通して、日本にいるよさ、日本の居心地のよさは重々分かった。
敢えて過酷な道を選択し、より成長したいと考えている。

留学スケジュール

2016年
9月~
2017年
2月

タイ(バンコク)

カセサート大学で、食品科学に関するセミナー(英語による特別セミナー)、ベイカリー実践クラス(ベイカリーを科学的に比較)、院生のプレゼンテーションセミナー(英語による研究内容・成果発表)を聴講。メインの研究として学部生の卒論プロゼェクトに参加。内容はシンバイオテックスのライスパウダー製作実験。紫色の米のデンプンを難消化性に化学変化させ、微生物を加えて、健康増進ライスパウダーを製作する研究。またバンコク近郊にあるビールで有名なハイネケン施設へのタイ学生と共に1日研修。工場施設の見学などを行った。英語による実験用語・英語の論文で実験する内容のバックグラウンドを習得。院生が研究している食品に関する内容を聞き、タイ独自の食品が多いことに驚いた。大学ではキャンパス内にあるインターナショナル寮で生活。トビタテ生とも会い、留学中に何度か集まりを開催し、たくさんのこと語り合った。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

20,000 円

生活費:月額

50,000 円

カセサート大学・食品科学&技術学科の建物で
日本発信プロジェクトの日本のお菓子評価会で
ある晴れた日のビクトリーモニュメント
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

20,000 円

生活費:月額

50,000 円

2017年
1月~
2017年
2月

タイ(コラート(ナコンラーチャシーマー))

シンクロトロン施設では、タイで市販されているフルーツジュースに含まれる抗酸化活動の測定実験、
およびカセサート大学の担当教員から任されていた、米デンプンを高度な機器であるWAXSを用いて分析実験。
5週間の間、朝の8時半から原則16時半まで(実際には18時過ぎまで)勤務。受けもったプロジェクトである抗酸化活動の測定実験について、論文読みから始まり、プロトコール作製、トライアル、そして10種類のフルーツジュースを対象に2種類の方法で抗酸化作用を測定。インターン最終日には、パワーポイントを用いた成果発表と、最終レポートを作成した。
科学者の生活を少し体験し、科学者の魅力を実感。ドクターの道を少し考えるようになった。
シンクロトロン施設はスラナリー技術大学のキャンパス内に位置し、大学が持つ、ホテル兼宿泊施設に5週間住んだ。通勤は自転車か、友達のバイクに乗せてもらった。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

40,000 円

生活費:月額

50,000 円

シンクロトロン施設の建物
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

40,000 円

生活費:月額

50,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

「あなたはここでの生活を成功したわ。なぜなら、職場の皆をあなたを大好きにさせてしまったからね。」
タイのコラートにあるシンクロトロン施設でインターンをしていた時、科学者の生活を体験し、またたくさんの科学者たちと出会った。彼らは受け持つプロジェクトが多く、毎日大忙し。でもご飯はいつも一緒に楽しく食べることを大事にしていた。皆フレンドリーで忙しいことに不服も不満もなく、自分の仕事に誇りを持ち楽しく働いていた。忙しい中でも土日にはキャンプやマッサージに連れて行ってくれた。私のことをいつも気にかけてくれて、ご飯のことや、生活のことなど、本当の家族(お母さんやお姉さん)のような感じがした。職場でも朝から夜まで、そして休日もいつも一緒にいてとても仲良くなった。彼らの給与や生活は、日本の基準から言えば、そこまで高くないかもしれない。しかし、彼らの生き方、仕事への取り組み方、周りの人達との関係など、惹かれるものが多くあった。お別れのときに、ある博士は涙を流してくれ、もうひとりの博士は忘れられない言葉をくれた。たった5週間であったが、私の中にも、彼らのの中にも、お互いの存在が深く残ったのだと感じた。P’メール、P'ケイ、そして職場の皆さん、たくさんの愛をありがとうございました。

シンクロトロン施設の世界地図と共に

事前の教授との要相談および留学中の努力

  • 単位・留年 : 単位互換

私は単位互換も計画してタイのカセサート大学に行ったが、現地に行ってみたら、なんと単位互換の協定は結ばれないと言われた。(事前にメールで単位取得も目的としていると言ったのにも関わらず)そこでプチパニックになり、日本の教授や学部の事務に猛連絡。留学に行く前から、休学にせずに行くため、留学中も単位を取ってくる計画で、教授と相談を重ねていた。そのお陰で教授はフレキシブルに対応してくださり、この問題は教授からの課題やタイの留学成果を見て、日本に帰ってから単位を認定するかどうするか話し合いことになった。タイに留学した初期はこの問題のために、心ここにあらずの生活をしていた。これは学校側がカセサート大学との交流協定をしっかり把握していなかったためであるが、次の学生も同じ思いをしないために、学校側にちゃんとして確認を提案するつもりだ。またタイ留学中は、日本帰国後に単位取得に繫がるように、現地の担当教員に研究やセミナーの聴講した証明書の発行(何度も断られたが、めげずにお願いし続けた)をお願いしたり、実験ノートをしっかりと取り、証拠として持ち帰ったりした。また日本の教授からの課題はタイで終わらせ提出した。これらの努力と教授とのマメな連絡で、留年はせずに進級でき、今は単位認定を待っているところである。
このような課題に直面しないように、留学する前から、単位互換は自分の大学と留学先大学の両者との相談が大事である。また先生たちは制度についてよく知らない場合があるので、事務などにも確認する必要がある。しかしいくら準備しても問題に直面してしまった場合は、できるだけの努力をし、誠意を見せることも大事である。諦めずにやれば道はある。

大学近くの美術館で

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学に行けない理由は探せばいくらでも出てきます。しかしそんなものを言い訳に、諦めないでください。どこに、いつ(どのくらい)、何をしに行きたいのか、この3つのうち1つでも明確にしてみて下さい。留学に行く前と後で、どう変わるかは、行くまでの準備や留学中の心構え・過ごし方などで大分違うと思いますが、私は留学後の自分の方が好きです。自分も知らなかった自分の可能性をぜひ留学を通して知ってください。