留学内容
本留学は「人類が直面している食糧問題解決のための研究」を目的としている。深刻な食料問題が叫ばれている現在、人類の主要作物であるイネを作る稲作の持続的発展が求められている。そこで持続的農業の発展を目指し、中でもタイの重要な農業の一つである水稲栽培に着目した。水田土壌には窒素循環に関わる微生物が存在し、土壌の肥沃度の維持に大きな役割を果たしているとされるが、その詳細な生態については未だに不明な点が多い。水田土壌中からイネ生育を支える有用窒素固定微生物を探索し水田土壌の肥沃度を効率よく維持するための利用・管理を明らかにすることで、持続的農業の発展を目指した。活動としては、タイの主要稲作地チェンマイ県において水田土壌のサンプリングを行い、培養、窒素固定能測定を行った。選抜の結果、61株の有用窒素固定細菌を単離し、選抜をへて3株の最有用株を選抜することができた。選抜された株は生物資源として資源化まで行うことができたため実際の農業利用に向け一歩前進することができた。