留学大図鑑 留学大図鑑

Pashimo(柿)

出身・在学高校:
開智中学高等学校一貫部
出身・在学校:
東京大学
出身・在学学部学科:
経済学部
在籍企業・組織:

両義的せかい系のオタクです。各国のアニメ事情については詳しい方だと思います。ブログでは世界中のアニメイベントやファンカルチャーについて紹介しています。


最終更新日:2018年09月19日 初回執筆日:2018年09月19日

世界のオタクビジネスのハブとなるために

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • HEC Paris, 香港大学 Global Creative Industries, (過去)アメリカ複数大学
  • 香港・アメリカ合衆国・フランス
  • パリ・香港・ボストン・バークレー・ロサンゼルス
留学期間:
フランス(4ヶ月)香港(5ヶ月)アメリカ(18ヶ月)
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,500,000円
  • 経団連奨学金+大学奨学金二種+埼玉県留学奨学金 2,200,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEFL 111点> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

日本のアニメを国外に広め、ビジネスとして創作現場に利益が還流するような仕組みを作り上げるための留学です。
各大学では主に、映画論、メディアスタディーズ、ライセンスビジネス、エンタメマーケティング、ファッションビジネスなどを履修しながら、
学外では各国をハブに35ヶ国あまりのアニメイベントを訪れ、現地の産業関係者やファンにインタビューを行いました。
また、デザインやジェンダースタディーズ、プログラミングなど、興味のある多方面の事柄も学ばせていただきました。

もともとハーバードだけの留学予定だったのですが、隣にあるMITに興味が出て留学先からさらにMITに交換留学するようになり、そこから西海岸に関心を持ちUCバークレーのサマーセッション経由でUCLAに転校し、そこからヨーロッパに行きたくなりフランスへ行き、そこからアジアを目指そうと思い香港に、という流れです。

留学の動機

なんで留学したの?とよく聞かれるのですが、正直よく分かりません。
そこに可能性があるなら、そしてそれを叶える環境があるなら、それを利用しないという選択肢はありませんでした。
自分は運が良く、また機会にも人にも恵まれていました。

成果

まだまだ途上です。
ただ、学んだ技術で作ったメディア「Otaku Crossing!」で、自ら見聞きしたことの情報発信を行えるようになりました。他にも随所からお声がけいただき、コンテンツの海外展開のお手伝いをさせていただく機会も持てました。
近い将来にエンタメやアートを通じて少しでも平和な世界が実現できるよう、精進し続けます。

ついた力

ナントカナル力

ちから、ではなく「なんとかなるか」と読んでいただければと思います。
留学中でも多々、もう駄目だと思うことも多く、ただその時々に臨機応変に成したことが結果的に上手く転がって後々実を結んだりして。
今どんなに苦しくて自分が憎くても、数年後それが転じてなんとかなってしまう、きっと。現実がどうであれ、そう信じることで、今過去を振り返るばかりでなく前を向いて進める。それが大切だと考えています。

今後の展望

アニメで世界を救いたい。
(詳しくはhttp://otakucrossing.com/jordan-anime/を読んでいただきたいのですが、自分はコンテンツが持つ人と人を繋ぐ力を信じています。アニメに限ったことではありませんが、何かを愛する心が、一人苦しむ人々の心に寄り添い、憎み合う人同士を繋ぐこともありうる。そのためにも、素晴らしいコンテンツを世界中に届けることに貢献したいのです)

留学スケジュール

2013年
8月~
2015年
3月

アメリカ合衆国(ボストン、バークレー、ロサンゼルス)

2013.8-2014.5 ハーバード大学、MIT
2014.6-2014.7 カリフォルニア大学バークレー校
2014.9-2015.3 カリフォルニア大学ロサンゼルス校

ボストンでは他の日本人留学生と現地のハーバード生コスプレイヤーと一緒にハウスシェア。
CS50というハーバードで一番人気のプログラミング授業、統計、デザイン、ジェンダースタディーズ、メディアスタディーズなどの授業を受講。毎晩夜の12時くらいまで大学に残って勉強していました。ハーバードビジネススクールのワークショップも取っておりました。

バークレーはサマーセッション。オタクの友人がGoogleに勤めていたので社員旅行にご一緒させてもらうなど。

ロサンゼルスでは女三人でルームシェア、COOP寮なので毎週皿洗いの労働を強制的にさせられておりました。
ハリウッドビジネスの授業を履修していました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

MITのアニメクラブの部室。漫画レンタルも出来てしまいます。
ハーバードのプログラミングの授業の教室。正義のあれと同じ。
ハーバード院生レイヤーさんとアニメイベントにて。目線が残念。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2016年
9月~
2016年
12月

フランス(パリ(郊外・ジュイアンジョザ))

経営大学院付属のHED Parisにてファッションマーケティングや文化マネジメントの授業を履修。
EURO JAPAN CROSSINGという会社で少しだけ、日本食プロモーションのお手伝いもさせていただきました。
フランスのParis Manga、スペインのSalon del Manga、イタリアのRomicsといったアニメイベントを訪問し、現地のオーガナイザーのインタビューをしたり、日本のコンテンツ関連団体から視察にいらっしゃった方の通訳兼アテンドを行ったりしました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

ローマのアニメイベント。全体のホールはなんとこの七倍。
スペインのアニメイベントでコスプレされてた現地の皆様。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2017年
1月~
2017年
5月

香港(香港)

香港大学のGlobal Creative Industries学部でクリエイティブ産業での起業などを学んでおりました。
Airbnbで格安物件を調達したのですが、なんと10階しかないビルの11階と言われ、屋上の掘っ立て小屋に住んでました。
ルームメイトは中国人の女の子と聞いていたのに、実際はガーナとパナマから来た屈強な男性でした。ドアは隙間だらけでアルミホイルで補修されていました。でも安かったので結局半年そこに住みました。香港の住宅事情やばいです。

香港はアニメファンが多いことで知られ、二月だけでも四個アニメイベントに行きました。
また、カンボジア、タイ、ミャンマー、インドネシア、ベトナムのアニメイベントも週末や休みを利用して訪問しました。
ベトナムってメイドカフェもあるんですよ。
タイではビル全体でガンプラが売られている場所があったり。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

香港、FF15のコスプレイヤーさん。感動で声が上擦りました
ベトナムの素敵なコスプレイヤーさん
バンコクのフィギュア販売専門ビル。ショーケースがずらり。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学で確信した、“私はこれを目指す!”

留学中、休みを利用して飛んだ中東ヨルダンの首都アンマンにて私は同国最大のアニメファンクラブのリーダーModarさんと会った。
「ヨルダンでは今年が初めての正式なアニメイベントの開催となる。是非来て欲しい」
私はなんと言おうか迷ってしまった。
実は今回私が中東を訪れることにした理由は、そのヨルダンのアニメイベントと同日に隣国イスラエルで開かれるアニメイベントで講演会をするためだった。ヨルダンはパレスチナからの避難民の方々が多く暮らす国で他のアラブ圏同様反イスラエル感情が強い。そこで「イスラエルのアニメイベントに行くから参加出来ない」などと言うことが躊躇われたのだ。しかし結局私は正直なことを告げた。Modarさんは答えた。
「自分の母親もパレスチナ出身だ。確かに両国の関係はあまり好ましいものではない。自分も隣国を好きにはなれない。でもそのアニメイベントに来る人達のことは、好きになれる気がする」
どんな人種・宗教の人も、同じアニメを愛する限り、自由に集まれるイベントが、いつか中東で開かれればいいと思う。ヨルダン・イスラエル・パレスチナ合同でのアニメイベントの開催が、いつの日か、実現して欲しいと思う。
政治的に引き起こされる戦争をアニメは止めることは出来ない。けれど人々の憎しみから生まれる悲劇をアニメはなくしてゆくことができるんじゃないかって、結構本気で私は信じてる。

イスラエルの分離壁
ヨルダンアニメクラブのみなさま

留学中にやってしまった、私の失敗談

香港に留学中だった2017年3月、大好きだったアニメのキャラクターが作中でその命を奪われてしまいました。
ショックすぎて食べ物も喉を通らない、夜も眠れない、人と話もできない状態になり、当時視察とフィールドワークのためカンボジアやタイのアニメイベントを週末に訪問していたのですが、旅先でも突然前触れもなく涙目になり現地のバスの運転手さんや空港職員の方に慰められるという始末でした。
あのように精神的ひきこもり状態になっていなければ、もっと留学期間を活用できた気もします。
でもその出来事をきっかけに、アニメを通じて世界を平和にという志を新たにしたのもまた事実です。
留学と直接関係なくて恐縮ですが、辛い経験でした。
一生立ち直れない。

香港大学からの夜景。これを夜毎眺めながら涙を流していました。

妥協したくなければ

  • 留学先探し : 大学

交換留学に限らず、様々な大学が個人の留学を受け入れるプログラムをオファーしているので、行きたい土地の行きたい大学に直接アプライしてみると良いかと思います。
Visiting Student Program、Study Abroad Program、などで調べると色々出てくるかと!

これから留学へ行く人へのメッセージ

なんのためとか考え始めるとしんどいと思うんです。自分なんかがと胸が苦しくもなると思うんです。でも無意味だったらやってはいけないなんて決まりはないし、あなたの好きを誰も殺すことはできないし、自由は行動し抗った先に広がっているものだし、何がどこにどう繋がるか分からないから、逃げだろうと冒険だろうと、悩みすぎずに足を踏み出してみたらいいと思います。