留学内容
癌は悪性腫瘍が自律的で制御されずに増殖し、無治療のままだと全身に転移して患者を死に至らしめる病気であり、日本人の死亡原因1位となっている病気でもあります。しかし、この癌は早期発見できれば決して治療できない病気ではなく、全摘出が可能であります。この癌早期発見の際に重要な役割を果たすのがバイオセンサーです。バイオセンサーとは生体の持つ優れた識別機能を利用、あるいは模倣して物質を計測するシステムです。医療におけるバイオセンサーには目的物から得られた電流を半導体で検知するものがあります。一方、ワシントン大学のLuscombe研究室では半導体高分子の研究を行っています。そこで、私の研究テーマである有機・無機複合化と電気化学の知識を活用し無機半導体と高分子の複合化をはかることで、目的物の吸着性、バイオセンサーの分解能の増大、より精密な電流の検知といった材料特性の向上が期待できます。留学先のLuscombe研究室で目的の半導体高分子を合成し、現在デバイス化に向けて研究を進行中です。