留学内容
大腸菌やシアノバクテリアといったバクテリアは、私達人間と同じようにエネルギー源を摂取して代謝する(他の物質に変換していく)ことで生育しています。この代謝経路を遺伝子工学的に改変することで、普通は作られないバイオ燃料などの高付加価値な物質を代謝させ、生産することが可能となります。私は、米国カリフォルニア大学デイビス校のProf. Atsumi研究室に在籍し、バクテリアの代謝改変技術と生産方法、その測定方法といった研究に必要な知識・技術・ノウハウを習得することを目的として留学しました。また、私の専門分野は光でバクテリアの遺伝子の発現を制御するという研究でした。そこで、私の専門とする研究領域と、留学先の研究領域を掛け合わせることで、ただ知識や技術をインプットするだけの留学ではなく、何か新しい研究領域を見出しアウトプットする留学を心がけました。結果として、大腸菌における有用物質合成を光で制御する技術の開発に成功しました。本留学を通して、新しい知識や技術を習得するだけではなく、自分の専門と組み合わせて新しいものを創り出す力を身につけることができました。