平成26年12月に策定された「広島版『学びの変革』アクション・プラン」を県全体で推進するため、同県は教育部内に「学びの変革推進課」を創設しました。
課題発見・解決学習の推進とともに、高校生の海外留学、姉妹校交流促進を中心とした「異文化間協働活動」の推進に取り組んでいます。
同県では,「姉妹校交流」と「短期留学促進」を柱として取り組むことで、結果として平成25年度の県立高校(2週間以上)留学生数137名から、平成29年度は454名と、3倍以上の成果をあげています。
ここでは、広島県がどのように海外留学生数を増やしてきたのか、その取り組みをまとめます。
1.主催団体について | |
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(1)旅行業法第1種旅行業登録団体である 高等学校等の生徒を対象とした短期留学プログラムを安全に実施した実績がある |
適・否 |
(2)説明会の実施やチラシの配布など、全県的にプログラムの広報・募集活動ができる | 適・否 |
2.短期留学プログラムについて | |
(1)諸外国の学校等での生徒間交流や語学研修、ホームステイを含み、異文化を体験することなどにより参加生徒のグローバルマインドの涵養を図るプログラムである | 適・否 |
(4)在籍高等学校等の校長からの推薦を得ることを参加要件とするなど、参加を希望する生徒がプログラムに参加しやすいよう配慮されている | 適・否 |
(6)派遣先が本県教育委員会と教育協定等を締結しているなど、現地の教育機関等からの協力を得られる体制が整備されている | 適・否 |
(7)派遣先の現地生徒等に向けて広島県の魅力を紹介する時間を設けるなど、プログラム参加者生徒が広島県の魅力:文化等を学習し、発表できる工夫がされている | 適・否 |
また、さらに注目したい取り組みとして、新たな短期留学スキームの開発があります。
海外の自治体との教育交流協定にもとづく
短期留学プログラム
広島県が台湾桃園市教育局と共同して行う「サマーキャンプin台湾」。今年度の募集では、 15人の定員に対して,県内高校生 79人の応募がありました。
2018年8月5日から10日までの6日間のこのプログラムの申し込みには,学校長による推薦書と作文の提出も必要。それでも定員の5倍以上の応募があったのは、6日間で5万円を下回る費用の低額化と、県教委主催事業という生徒や保護者への安心感が大きいようです。県はどのようにこのプランを実現させたのでしょう?
費用として大きなシェアを占めるのは
「滞在費」「飛行機代」「人件費」
滞在費は、台湾の自治体と協定を結ぶことで、お互いの生徒の現地滞在時の費用を負担しており、宿泊はホームステイを利用するなど、宿泊費用を低額化に抑え、飛行機は広島空港発着の直行便を活用しています。また、旅行会社の添乗員を廃止し、県教委職員が同行します。
ホームステイは、コスト削減という意味合いだけでなく、生徒の学びや体験の機会を広げ、県教委職員の同行は、申し込む生徒や保護者にとっても大きな安心につながっているようです。
実際、同プログラムは4つの特徴として、以下の要素をあげています。
・広島県教委と桃園市教育局が連携し、現地教育機関の紹介による現地校訪問、語学研修、市内観光といった幅広い研修内容
・引率者(県教委)と現地スタッフによるサポート
・広島県の魅力を紹介する「広島プレゼン」の実施
・「広島プレゼン」の準備と参加者同士の絆を深めることができる事前研修の実施
広島県ではその他にも、助成金・奨学金としては、国の社会総がかり事業の予算を使ったものや、トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムを活用。3ヶ月以上の留学には県予算として助成金(上限30万円)を行うほか、無利息貸与の奨学金も用意しています。
また、毎年『高校生海外留学ガイド』を作成し、学校や各種イベントで配付するとともに、県ホームページでも公開しています。
【広島県高校生海外留学ガイド】https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/347639.pdf
行程 | 宿泊 | |
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1日目 | 出国・移動・ホストファミリーと対面 | ホームステイ |
2日目 | 英語サマーキャンプ【1日目】 交流会・授業参加・異文化理解学習など |
ホームステイ |
3日目 | 英語サマーキャンプ【2日目】 授業参加・台湾学習など |
ホテル泊 |
4日目 | 英語サマーキャンプ【3日目】 日本文化学習・演劇練習など |
ホームステイ |
5日目 | 英語サマーキャンプ【4日目】 スポーツ授業・演劇発表・修了式など |
ホームステイ |
6日目 | ホストファミリー交流・移動・出国など |