留学内容
博士号取得の為、英国オックスフォード大学へ留学をしています。研究室には、教授1名、ポスドク4名、博士課程8名の計13名が所属しています。ヨーロッパ各国から来た多様なメンバーと共に日々研究活動を行っています。
人は視覚を通して多くの情報を取り入れています。そうは言っても私達は目から入ってきた光をそのまま見ているわけではありません。脳内で巧みに処理され、その最終的な処理結果を視覚として知覚しています。私の研究は、視覚系がどのような情報処理メカニズムを用いて視覚世界を作っているのかを明らかにすることを目的としています。
私は元々は高専の出身で、制御工学を専門としていました。その後大学へ編入、大学院へと進学し様々な講義を受けるうち、機械やコンピュータよりも、人間の情報処理システムに興味を持つようになりました。
現在は実験心理学専攻に所属しています。人間の知覚を定量的に捉え、ベイズ推定などの統計的なモデルで実験結果を説明することを目標としています。
近年人工知能分野の発展が目覚ましいですが、依然として多くの日常的な課題を最も柔軟にこなせるのは人間です。このことは、人の持つ情報処理システムがいかに優れているかを示しており、それを可能にしている我々の脳には優れた新たな情報処理方法のヒントが隠されていることが期待されます。