留学内容
留学先の、フランスのパリ国立高等美術学校(通称:ボザール)は、1648年に建築物の美術工芸や装飾を担当させる人材の育成のために作られた芸術アカデミーが前身としてあり、現在では、彫刻や絵画に加えて、映画やメディアを専攻など幅広い分野で学ぶことが出来ます。学科は無く、生徒が教授のアトリエに所属する伝統的な教育カリキュラムが取られています。
半年間、2つの工房とアトリエに通い「表現と技術」に向き合い「ボザールには、最初に、表現・アイディアがあり、それを制作する上で必要な技術を学びに行く」という、日本とは真逆のプロセスだということを知り、そこから様々なアプローチ方法で制作しました。さらに、私も前期と後期の1月と今月4月に、交換留学生との展覧会を企画しました。また、6月にパリの現代美術館:パレ・ド・トーキョーで行われた「こども時代」展のインターンシップを行いました。具体的な仕事内容は、「子ども時代」展の展覧会企画に向けて、キュレーターのアシスタントとアーティストの通訳・制作サポートです。アシスタントの経験として、展示室の照明の問題で日本人アーティストとフランス人キュレーターで意見の食い違いが生じた際に仲介役となり、アーティストの思いやコンセプトを尊重しながら、全体の調和を取る役割を果たしたことで、展示空間を作り上げるキュレーターの役割、意義に気付くことが出きたように感じています。