留学内容
イギリスとアイルランドの英語で書かれた詩の研究をしています。特に自分の専門は T. S. エリオット と W. B. イェイツ という詩人たちで、彼らの作品を当時の文化的文脈、とりわけ神秘主義における神秘主義体験というテーマから読んでいます。博士号取得が目的の留学なので、毎日論文を読んだり書いたりというのが基本で、定期的に指導教員と会い、学会に出席したり、貴重な資料が保存されているアーカイブを訪ねたりしながら、博士論文が中心の生活を送っております。
最終更新日:2018年11月19日 初回執筆日:2018年11月19日
語学力:
言語 | 留学前 | 留学後 | |
---|---|---|---|
英語 | 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル | → | 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル |
イギリスとアイルランドの英語で書かれた詩の研究をしています。特に自分の専門は T. S. エリオット と W. B. イェイツ という詩人たちで、彼らの作品を当時の文化的文脈、とりわけ神秘主義における神秘主義体験というテーマから読んでいます。博士号取得が目的の留学なので、毎日論文を読んだり書いたりというのが基本で、定期的に指導教員と会い、学会に出席したり、貴重な資料が保存されているアーカイブを訪ねたりしながら、博士論文が中心の生活を送っております。
一番の留学の動機は、自分の研究分野と重なる部分の多い指導教官のもとで博士論文を完成させたかったというものです。ヨーク大学を選んだ理由は、博士課程にアプライしたときに現在の指導教官との電話でのインタビューがあったのですが、その際の印象が非常によかったというのがとりわけ決め手となりました。
イギリスでの学会発表、論文の出版、学会運営の手伝い、ヨーク大学の英文学の授業の担当(予定)、貴重な資料のあるアーカイブの訪問。
生活力
どこで生活をするにしてもそうですが、海外で生活する上でもやはり避けて通れないのが日常的なトラブルです。たとえば、シャワーが突然壊れた、賃貸業者と契約を結ぶ上でなかなか契約がまとまらない、何かの際にミスで相手が怒り出したなど、こうしたトラブルが起きた場合、解決に向けてきちんとかつ冷静に英語で説明をしなければいけません。なので、結果的に生活力、トラブルに動じないタフさや実践的な英語力が身につきます。
アカデミアに残り、将来は大学教員になる予定です。博士論文を完成した後は、大学でポスドクや助教、講師を経験しながら、英語で書かれた研究書の出版を目指します。
2016年
9月~
2020年
9月
指導教員と三週間か一か月に一度程度のペースで指導を受けながら、博士論文の完成を目指しています。一年目は博士論文のテーマを絞るのに使い、二年目には学会発表、ケンブリッジでのアーカイブ調査、および以前からあたためていたテーマで日本の学術誌に投稿したものがアクセプトされ、同じ雑誌に書評も書きました。三年目の現在は、学会発表をもとにした別の論文を海外雑誌に投稿し終えて結果を待っているところです。また、来年には学会発表を三回ほど行う予定があるのと、来学期にはおそらく学部生向きに授業を持つことにもなるため、諸々の準備に追われています。イギリスに来てからは国際学会に加え、様々なコミュニティに参加をし、他の研究者とのネットワークを広げていますが、それ以外にもボランティアで海外の学生に日本語や日本文化を教えており、国際交流の推進にもつとめています。
学費:納入総額 2,339,880 円 |
住居費:月額 70,000 円 |
生活費:月額 60,000 円 |
学費:納入総額 2,339,880 円 |
住居費:月額 70,000 円 |
生活費:月額 60,000 円 |
これまでの自分のヨークでの留学生活でよかったことは、多様なバックグラウンドを持つ方と会うチャンスがかなりたくさんあったことだと思います。ヨークには人文社会系の修士課程や博士課程の学生のための建物があり、多くの博士課程の学生は自分のデスクを持ち、みんなそこで一緒に研究しています。なので、そこに行くといつも誰かがいるため、分野を超えて自然にどんどん友人も増えますし、空き時間やご飯を食べているときに誰かと研究の話―英文学以外にも他の分野の人の研究の話を聞くのもいい刺激になります―をしたり、ときにはくだらない話で盛り上がったりする中で、自然と英語の練習にもなっています。イギリスの博士課程では授業に出席する必要もないので、基本的には孤独で、指導教官との面談以外にほとんど人と会うことがないという話もよく聞きますが、自分はヨークではあまり孤独を感じたことがありません。なので、人文社会系の修士、博士課程を考えており、学問横断的な雰囲気の中で多くの学生と交流しながら研究をすすめていきたい、という方にはヨークはとてもいい研究環境だと思います。自分は指導教官も含め、本当に人に恵まれており、かけがえのない友人たちと一緒に研究をできる環境がとても気にいっています。
長期で留学を考えている場合、やはり問題となるのは資金です。イギリスでは授業料はとても高いですし、生活費をおさえようと思っても予想外の出費が入る場合もあり、もし実家からの支援などがない場合、かなり計画的に貯蓄をする必要があります。
まず第一に、イギリスへのビザ申請自体で非常にお金がかかります。第二に、たとえ奨学金を得ている場合でも、授業料のための奨学金の支給が自分の授業料を支払う時期と合わない場合、自分でまず授業料を支払ってから、後で授業料の支給が行われる、ということが起こりえます。第三に、大学によっては博士課程において三年が標準年限になっているものの、実際は四年かけなければいけないという暗黙の決まりがある場合があり、その場合、四年目を留学先で過ごすのなら、そのための資金がまた別に必要となります。
自分からのアドバイスは、長期留学を行う際、資金面で不安があれば、可能な限り早めに貯蓄を始めること、および貯蓄の金額の目安を早めに設定することです。できれば希望の留学先に留学したことのある人のアドバイスを聞くことができればよいのではないかと思います。
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