留学大図鑑 留学大図鑑

える

出身・在学高校:
愛媛県立松山東高校
出身・在学校:
大阪大学
出身・在学学部学科:
外国語学部外国語学科ロシア語専攻
在籍企業・組織:

ロシアのモスクワ大学、サンクトペテルブルグ大学に留学経験ありです。
連絡はFacebookでしてもらって大丈夫ですが、返事が遅くなるかもしれないことはご了承ください。


最終更新日:2017年01月31日 初回執筆日:2017年01月31日

日本とロシアの文化交流

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)・人類学・言語学・歴史学・社会学・国際文化
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • サンクトペテルブルグ大学言語学部
  • ロシア
  • サンクトペテルブルク
留学期間:
10ヵ月
総費用:
1,800,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,600,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
ロシア語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<ТРКИ第1レベル> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<ТРКИ第2レベル>

留学内容

交換留学制度を使って、10ヵ月間ロシアのサンクトペテル大学の言語学部でロシア語を学んだ。最終的に目標だったロシア語の検定試験で第2レベルを習得した。またクラスは留学生のためのロシア語の授業だったので、授業以外でほかのロシアの学生とも交流できるように、留学生サークルが企画するイベントに積極的に参加したり、自分もイベントの運営に携わったりした。
勉学以外では、日本とロシアの文化交流のための活動をした。まずは日露の会話クラブを主催し、普段日本人と接点がないが日本に興味のある学生と日本人学生の交流の場を提供し、様々なトピックについて語れる場を作った。日本文化の発信としては、得意な書道を広めるため、学校で中高生に教えに行ったり、自分でワークショップを開いて多くの人に体験してもらったり、学内の国際交流フェスティバルでパフォーマンスしたりした。ロシアの文化としては私が大学で行っているロシア演劇を本場で学んで帰ろうと、足繁く劇場に通ったり、演劇の大学で授業を見せてもらったり、劇場でボランティアをさせてもらったりした。

留学の動機

大学での専攻が言語なので、机上の勉強ではなくて、手段として実際に使えるようになるまで習得すべきだと考え、そのためにはまず現地に行ってネイティブと触れ合い、日常生活でロシア語があふれる環境に身を置くべきだど思ったから。自分がマイノリティとなって異文化の中で生活してみたかったから。

成果

ロシア語の能力が飛躍的に伸びた。書道のワークショップでは、場所探しからワークの内容など最初から最後まですべて自分でやらなければならなかったので常に試行錯誤だったが、やり切った後の達成感や、参加者からの良い感想を得られてうれしかったし、いい経験になった。

ついた力

行動力

自分が始めなければ初めから何も起こらなかったし、やらない、という選択肢がある中でやると決めてやることは、実は多くの人ができていないんじゃないかと気づいた。はじめの一歩を踏み出してそれを実際に行動に移し、最後までやり遂げること、はできている人は多くない。だからこの行動力の重要性に気づいて実際に行動できた経験によって、今後に生きる行動力がついた。

今後の展望

自分には国際協力、環境問題、など世界の大きな大きな問題は、はっきり言って大きすぎて興味が持てない。私は周りのことしか自分事として考えられないが、自分の周りの人は絶対に幸せにしたいし、自分を作ってくれている環境には恩返ししたいと思っている。具体的にはまだ決まってないが、早くビジネス社会でも通用する人材になって、世界中にできた大好きな友達とのネットワークを大切にして、国際人として生きていきたい。

留学スケジュール

2015年
9月~
2016年
6月

ロシア(サンクトペテルブルグ)

サンクトペテルブルグ大学言語学部に大学間の交換留学で10ヵ月留学し、外国人のためのロシア語の授業を履修した。中級、上級文法の授業や、ロシア文学の授業、現代美術や科学やそれぞれの国の問題点などについてディスカッションする授業もあり、有意義なものとなった。授業は1日3時間あり、予習復習でかなりの時間がとられたが、空き時間を使って日本語学校で書道を教えたり、日露交流クラブに行ったり、劇場で演劇を見たりしていた。後期になってロシア語での会話や発表に慣れてきてからは、自分でアートスペースで交渉して書道のワークショップを開催したり、先生に頼んで劇場でボランティアをしたりした。

費用詳細

学費:納入総額

540,000 円

住居費:月額

20,000 円

生活費:月額

70,000 円

項目:書道セット、芸術鑑賞、保険

360,000 円

高校生たちに書道を教えている様子。年始は書初めもしました。
費用詳細

学費:納入総額

540,000 円

住居費:月額

20,000 円

生活費:月額

70,000 円

項目:書道セット、芸術鑑賞、保険

360,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

まず前提として、ロシアは観光であってもビザの申請が必要で、その手続きも煩雑であり、日本からふらっと訪れることができないため、まだまだ多くの部分が日本人にとって未知な国である。その未知の国で10ヵ月もビザを得て、学生の身分であることから比較的自由に行動できたことは、かなり貴重な体験であった。日本人らしさとは何かを常に意識していたが、同時に留学中はできるだけ現地の学生、現地の人と近い生活をして肌で何か感じようとも心がけた。結果、サークル活動がないロシアでもそれに近い形でロシア人学生ともに活動できたり、普段から近所のロシア人と散歩をしたり、家にお邪魔したりした。その過程で、ロシア人は散歩が好きなこと、怖いとよく言われるがそれは笑顔をむやみに八方美人に向けることは失礼だと考えていること、話をするのが大好きなこと、仲良くなればとことん尽くしたがること、ジェンダー意識、日本についてどう思うのか、政治的な問題、などなど日本では絶対わかり得なかったロシア人の考え方や生活の一部を知ることができた。

ダーチャと呼ばれるロシアの別荘で田舎暮らしを体験。

本当に4年で卒業しなければいけないの?

  • 単位・留年 : 休学・留年

よく留学相談を受けるときに「留学しても4年で卒業できますか」と聞かれることがあるが、私は4年で卒業することを考えてなかったから、交換留学で単位をバッチリとってきたけれど「できるかもしれないが私は5年行く」と答える。卒業ができるかできないかは学校や学部のシステムによっても違うから、先生や先輩に聞いて単位とかのことを把握しなければならないし、帰ってからの就活が気になるならそれも事前に自分がどういう就活をしていくのか考えて、調査してみるべき。私の経験と周りで見てきた人たちの結果を言うと、私は留学に行ったことでいろいろな価値観を知って、勉強に対しても働くことに対しても見方ががらりと変わったので、留学後帰ってきてからすぐに就活もできなかったし、学びたいことがまだまだ増えたので、そのまま卒業するのはもったいないと思った。周りでは留学後期から就活を始める人もいたが、軸も定まらずとりあえずの就活をしていたため、結局みんなうまくいかずまた来年チャレンジすることにしていた。他のトビタテ生はやはりしたいことが明確に決まっているからだろうか、割と帰国後に就活を初めてすぐにうまく内定を取っていたりしたが。でもやっぱり私は卒業を4年ですることにこだわる必要はないと思う。特に3年生から留学を開始して4年生で帰ってきてそのまま卒業はもったいない。きっと留学中に勉強不足で悔しい思いもするし、新しく学んでみたいことも見つかるし、ある程度言語も堪能になって帰ってくるからやっとここから本当に勉強できるようになると思うからだ。もちろん少しでも早く社会に出てみることも大事だが、学生しかできないこともたくさんあって、それは取り戻すのは難しい。多くの社会人とも話す機会があったが、ほとんどすべての人がもっと大学時代にしかできないことをやっていればよかった、と語っていた。周りの大人の圧力に負けず、最後は自分で決めてほしい。

留学前にやっておけばよかったこと

留学内容の確認とイメージトレーニング。書道の用具がどれくらい必要かきちんとシュミレーションできておらず、あとでたくさん追加発注するはめに。
言語の総復習をして、参考書などどれをもっていくべきか吟味すること。あとであのノート持ってくればよかったーと何度も思ったり、逆に分厚い辞書があまり必要でなかったりしたから。

留学を勧める・勧めない理由

もちろん勧めます!日本でも勉強できることはあるけど、現地でしか感じられない感覚や、現地でしか出会うことのなかった人との出会いはもっと多くあるし、また学生である今しかできないこともたくさんあります。お金や時間など少しかかってしまうけど、それ以上に得られるものが多かったので、私にとって留学でデメリットは一つもなかったです。

これから留学へ行く人へのメッセージ

自分が留学中に得た知識、感覚、経験、友人、思い出のものや場所はこれからも残る私の財産になると感じているし、それを実感できるくらい、留学は楽しくて濃い経験になりました。辛い思いをしても、楽しい時、好きな人、思い出のものなどが少しでもあれば留学から帰ってきたらやっぱり留学行って良かった、と思えると思います。後悔だけはしないように、1日1日を大切にして頑張ってください。