留学内容
臨床実習を通じ、日本の現場には未だ患者の多様な言語・文化・社会背景への理解・受け入れ態勢が十分でないと感じました。そこで以前見学し、そのきめ細やかな医療に感銘を受けたイギリスにもう一度留学したいと考えました。具体的にはKing's College Hospital神経内科での1か月間の臨床実習と、St. Joseph's Hospiceでの終末期ケアの見学です。KCHでは神経内科の実習はもちろんのこと、同時電話通訳サービスや礼拝堂を常設しているなど、日本も今後取り入れるべき国際診療の現場を勉強できました。また、かかりつけ医制度(GP)により大学病院は専門治療に専念できる一方で、患者はGPへの診療に予約が必要である、医療機関へのアクセスが限られているなど、日英医療の違いも学びました。その結果、日本では医師個人レベルの総合診療をより養うべきであると感じ、就職先を再考するきっかけになりました。St. Joseph's Hospiceでは多様な死生観へのケアを見学し、常勤の聖職者の方々とお話しする機会もいただきました。今後は通訳サービスの拡充や指差し会話帳を使った他言語での診療を練習するなど、言語や文化の違いが医療の障壁にならないための活動に取り組む予定です。