留学内容
私の留学計画は、諸外国の音楽(特に中部ジャワのガムランと影絵芝居ワヤン)について詳細に知り、将来的には日本の音楽教育、とりわけ諸外国の音楽の分野の専門家として活躍することを目標とした。インドネシア国立芸術大学スラカルタ校影絵芝居(ダラン)科に留学した1年間では、大きく分けて3つの活動を行なった。
まず一点目は大学のダラン科の授業で、影絵芝居上演における4つの要素の授業(上演を実践する授業、語り、音楽、歌)で、基礎(1年生)の授業を受けたことである。
二点目は、影絵芝居、歌、グンデル(楽器の名前)、ジャワ語と4人の先生方のプライベートレッスンを受けたことである。これらを通じて、影絵芝居の人形遣いダランや伝統音楽ガムランの実技の徹底的な習得に努めた。
三点目は、フィールドワークで、スラカルタ周辺で開催された各種の芸能を鑑賞したことや、定期的に練習会に参加したことである。市民のグループが各曜日に開催しているガムランや舞踊、ワヤンの練習会は、個人レッスンで指導を受けた楽曲を合奏の中で練習する良い機会となった。さらにそこでは多くのジャワ人と交流することもできた。
上記のような活動から、影絵芝居を取り巻く伝統芸能の伝承の様子や問題点について知り先生方のレッスンからは実技を学ぶだけでなく、「教える」ということについても数多くの重要な視点を学ぶことができた。