留学大図鑑 留学大図鑑

ムネ

出身・在学高校:
野沢北高等学校
出身・在学校:
東京海洋大学
出身・在学学部学科:
海洋生命科学部海洋生物資源学科
在籍企業・組織:


最終更新日:2022年12月28日 初回執筆日:2022年12月28日

ラフレシア生態調査とオランウータン保護

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • マレーシア大学サバ校生物保全学部・Wildlife Rescue Centre Jogja
  • インドネシア・マレーシア
  • コタキナバル・ジョグジャカルタ
留学期間:
5カ月
総費用:
700,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 700,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<英検準一級> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEFL iBT 74点>

留学内容

マレーシア大学サバ校では、熱帯雨林における生態系の仕組み・保全・利用方法について学んだ。Plant diversity, Aquatic ecology, Wildlife management, Malay language communicationを受講した。Plant diversityではTambunan Rafflesia Information Centreに赴き東南アジアの固有種であるラフレシアの生態を学び、熱帯雨林で実際に種を同定しマッピングを行った。熱帯雨林でのキャンプや長距離移動の際には、常に現地人とコミュニケーションを図り、文化交流にも努めた。インドネシアでは保護された野生生物の世話及び自然に返すための訓練を行った。毎朝餌を準備し、それぞれの動物に適した餌が与えられた。例えばオランウータンはフルーツ全般及び野菜が5-7kgほど与えられる。他にも飼育設備の清掃及び専門スタッフと共に体調管理を行った。他にデンマークやカナダなどからのボランティアが参加しており、交流を通して彼らの背景を知り、日本との違いを知ることが来た。

留学の動機

幼少期より海外での生活を経験し、大学入学後は環境保全活動の一環としてフィリピンでマングローブの植樹を行い、インドでは熱帯植物の植樹を行ってきた。それらの活動を通して、熱帯雨林の仕組み・保全についてより深く学びたいと思い、留学を決心した。渡航地のボルネオ島は、オランウータンやラフレシアなど独特の生物が棲息する熱帯雨林が広く現存するため、多くのことを学び体験することができると思った。

成果

新たな軸を確立し、視野を大きく広げることができた。熱帯雨林での探索を通して、生態系や保全に関する知識だけでなく環境への適応力や忍耐力を養った。生物の保護方法及び、彼らが自然で生存するために私達が守るべきことを学んだ。様々な背景を持つ人々と出会い、交流を通して自身の引き出しが増え、同時に繋がりを形成することが出来た。またコミュニケーション能力が上昇し、現在も積極的に留学生と交流している。

ついた力

適応力力

異文化圏において直面する問題は、言葉の壁や食べ物・気候・価値観の違いであり、マレーシアは特に顕著だった。マレー系・中華系・インド系の文化が混じり合い、多様な価値観が存在しそれぞれを理解する必要があった。また料理は油や香辛料を多量に使用され、慣れるのに時間がかかった。熱帯雨林の生活では限られた資源で効率よく活動する必要があった。

今後の展望

今後発展途上国におけるSDGsに貢献したいと考えている。今回の留学で学んだ熱帯雨林を保全しつつ開発を進める活動、や現在専攻している養殖技術を活かして、途上国の水産業の発展に従事したい。それに向け留学生との交流と研究活動に力を入れている。交流を通してネットワークをさらに広げ、自身が活躍できる場所を増やし、研究活動を通して技術力の習得を目指している。

留学スケジュール

2019年
9月~
2020年
1月

マレーシア(コタキナバル)

交換留学を行い5人の現地学生と共にシェアハウスで生活をしていた。シェアハウスをすること現地の生活様式・文化に迅速に慣れることが出来た。大学では単位数の上限により4科目しか受講できなかったが、講義にはフィールドワークが含まれており、実践的な知識を身に付けることが出来た。ラフレシアの生態調査をするために、TambunanだけでなくMaliau Basin Conservation Area, Gunung Gading National Parkなどボルネオ島の各地を訪れ、種の同定を行った。また日本発信プロジェクトとして現地学生と協力して、大学で日本のお祭りを再現した。柔道や茶道の体験会も開き、多くの人々が楽しんでいた。週末には友人がドライブやキャンプを企画し、ボルネオ島の魅力を知ることが出来た。標高4095mのキナバル山登山にも挑戦した。様々な人と交流し、日本文化の発信に貢献することが出来た。

費用詳細

学費:納入総額

290,000 円

住居費:月額

30,000 円

生活費:月額

20,000 円

Tambunanで発見したRafflesia pricei
日本発信プロジェクトの盆踊り
費用詳細

学費:納入総額

290,000 円

住居費:月額

30,000 円

生活費:月額

20,000 円

2020年
1月~
2020年
2月

インドネシア(ジョグジャカルタ)

野生生物保護のボランティアを1ヵ月間行い様々な国籍の人々とシェアハウスで生活した。オランウータン・マレーグマ・ジャコウネコ・オナガザル・ワシ・ヒクイドリなどの生物が保護されていた。活動内容について、午前中は体調管理・餌の準備・給餌・飼育設備清掃、午後は保護生物を自然に返すための活動(Enrichment)を行った。Enrichmentについて、例えば自然界では餌を自力で見つける必要がある。餌を地中やヤシの実の中に隠し、嗅覚や触覚を頼りに探し出させ、自然界でも生存するための能力を養わせた。2013年に保護された2羽のワシをムラピ山国立公園に放し、2週間ワシの動向のモニタリングを行った。他のボランティアはデンマークやカナダ、イギリス出身でギャップイヤーを利用して参加した学生や仕事を辞め各地を転々としているバックパッカーなど独特な背景を持っていた。彼らとの交流を通して視野を広げることが出来た。

費用詳細

学費:納入総額

300,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

飼育スタッフ・他のボランティアとの記念写真
給餌中のオランウータン
費用詳細

学費:納入総額

300,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学中に手に入れた、今でも大事にしているもの

この留学で手に入れ、大事にしているものは、人々との繋がりです。現地学生・ハウスメイト・公園のガイドやレンジャー・ボランティアなど、多くの人々と交流し、ネットワークを広げることが出来ました。定期的に連絡を取り合い、現状を伝え日本文化の紹介を行っています。彼らとのネットワークが、日本での繋がりを形成することもあります。近い将来東南アジア各国を訪れ、彼らと再会するつもりです。皆日本に対して非常に好意的であるため、彼らが日本に来たときは、私が出迎え、各地に案内し日本文化を体験してもらいたいと考えています。

熱帯雨林で休憩中

ひたすらコミュニケーション

  • 住まい探し : シェアハウス

現地の文化・生活に慣れるのに最も効果的な方法はシェアハウスだと思います。ただシェアハウスと聞くとハウスルールやプライベートな時間などしがらみが、多そうに聞こえるかもしれません。特に異文化圏でのシェアハウスは価値観の違いから問題が生じることもあります。ですが、実際には常にコミュニケーションをとり続け、しっかり自分の意志を伝えていけば、次第に環境に慣れ、友好的な関係を築けると思います。私も最初はハウスメイトの英語の独特な訛りがなかなか理解できず、ハウスルールを破ってしまったことがあります。以降、会話が成立するまで何度も聞き返すように努めることで、互いのことを理解し友好的な関係を築くことが出来ました。こちらが暇そうにしていれば、ボードゲームやドライブに誘われ日本食やアニメについてガンガン質問されました。また長い間生活を共にすれば、対立は生じます。そこで相手の意見に全面的に従えば、その先の生活で不自由な思いを強いられるかもしれません。自分の意見を伝え互いに納得のいく解決策を探し出すことで、ハウスメンバーの一員として生活していけると思います。

サプライズパーティー

これから留学へ行く人へのメッセージ

皆さんに伝えたいことは、留学中にできた繋がりは大事にしてください。海外の仲間と接することは、非常に刺激的で日本にいても世界の仲間と繋がっていると気持ちを奮い立たせてくれます。留学生は各国の代表者でもあり、現地学生は日本という国に対して抱く疑問をぶつけてくると思います。それに答えることで、より友好的な関係を築くことができ、そうして得た繋がりは留学後も残り続けます。皆さんの留学を応援しています。