留学大図鑑 留学大図鑑

ニナ

出身・在学高校:
愛知県立安城高校
出身・在学校:
桜花学園大学
出身・在学学部学科:
保育学部保育学科
在籍企業・組織:


最終更新日:2021年02月02日 初回執筆日:2021年02月02日

スリランカの子どもたちに絵本を

留学テーマ・分野:
海外ボランティア
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • NGO団体サルボダヤ、バドゥッラ レースコース幼稚園
  • スリランカ
  • モラトゥワ・バドゥッラ
留学期間:
14か月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,800,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
シンハラ語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル

留学内容

 留学のテーマは保育環境に絵本を普及することとスリランカの幼児教育の在り方を学ぶことでした。日本の保育所には必ずと言っていいほど絵本があり、子どもにとって身近なものとして扱われています。しかし、スリランカの保育所には絵本がありませんでした。そこで、子どもたちの生活や発達に合わせて絵本を制作することで普及させたいと考えました。絵本を制作し読み聞かせをしたり、なぜ絵本が子どもにとって必要なのかを保育者に伝えたりしていくことをしました。その結果、保育者による語り聞かせの時間がうまれたり、子どもたちが絵本を家から持ってきたりするようになりました。
 年間を通して活動できたことで、子どもとの愛着関係を築いていく過程を学ぶことができました。また、スリランカならではの園行事に参加することもできました。日本の保育や子育て環境の課題についても他国の保育を知ることで感じ取ることができました。

留学の動機

 私は途上国における幼児教育に興味を持っていました。これから教育の重要性を広げていかなければならない場所には保育の真となる部分が存在するのではないかと考えていたからです。留学以前にタイやウガンダの幼稚園でボランティア活動に参加しました。しかし短期間の中では子どもとの関係づくりや一人一人を理解することは難しいと感じました。そこで留学をしたいと考えるようになりました。

成果

 私は幼稚園での活動の中で絵本の制作や読み聞かせ以外に紙を使った制作活動をし子どもの作った作品で保育室を飾り付けたり、日本の手遊び歌を朝の時間に歌ったりしました。他にも子どもの絵にメダルをつけたり、ハンカチ遊びをしたりと子どもと一緒になって過ごすことで帰国した今でも続く関係を築くことができました。

ついた力

決断、対応力

 留学を決めてから様々な場面で自分で決めていかなければならないことが増えました。そして自分で決めたからこそ自分に責任があることを自覚して行動するようになりました。
 また、異文化の中で生活していくためには受け入れなければならないこともたくさんありました。その中で環境や人に対して受け入れながら対応していく力が身についたと思います。

今後の展望

 留学していて自分には保育士としての経験が必要なこと実感した。そのため、今後はまず日本の保育をしっかりと学んでいきたいと考えている。保育士として働くことで、自分の保育に対する考えを深めていくと共に様々な経験を積んでいきたい。そして数年働いたのち今度は保育士としてスリランカで働きたいと考えている。

留学スケジュール

2018年
11月~
2019年
3月

スリランカ(モラトゥワ)

 初めの三か月はホームステイをしながら英語のシンハラ語の勉強をしました。留学前は簡単な挨拶の言葉しかできませんでしたがこの期間でシンハラ文字の読み書きと基礎レベルのシンハラ語を身につけることができました。その外にも物の買い方やバスや電車の使い方など一人で生活できるように様々なことを教えてもらいました。また近所の子どもたちとココナッツを売ってみたり、スリランカならではの炊事仕事を手伝ったり充実した毎日を過ごしました。
 3カ月のホームステイを終えてサルボダヤで活動をしました。様々な園の卒園式を見学することができ、スリランカの幼稚園に求められているものを垣間見ることができました。幼稚園で活動していましたがサルボダヤの内情を知り、受け入れ先を変更することを決めました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

ホストマザーと初めて電車に乗って出かけた時の写真
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2019年
4月~
2020年
3月

スリランカ(バドゥッラ)

 バドゥッラ・レースコース幼稚園(モンテッソーリ)のシンハラクラスで活動していました。初めは名前を覚えることから始まり、子どもとの関係を作る上でまず子ども一人一人を理解していくことが大切だと思い子どもの姿や好きな物や嫌いな物など書いたノートを作成していました。関係が出来上がってくると試し行動が表れる子どももいて、帰宅した後はいつも子どもたちのことを考えて自分の一日の子どもに対する援助や言葉がけは適切なものであったのか反省を繰り返す毎日でした。そして悩みがあるとホストマザーや家のオーナー夫妻に話を聞いてもらうことで自分の気持ちもいつも前向きに保つことができていました。
 園活動以外にも日本語を教えているスリランカ人の先生と友達になったり、他の園の先生とも交流できたりと様々な人との出会いがあり毎日が刺激的でした。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

8,000 円

生活費:月額

4,000 円

散歩で行った田んぼで遊ぶ子どもたち
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

8,000 円

生活費:月額

4,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

 幼稚園の卒園式が私にとって忘れられない経験となりました。スリランカの卒園式は日本の生活発表会に似ていて、子どもたちは練習したダンスを披露します。当時は子どもの着替えを手伝ったり会場の中から子どもを探したりと慌ただし時間が過ぎていきました。卒園式が終わり片づけをしていた時、一人の保護者がとても丁寧な言葉で「先生ありがとうございました。」と言ってくださいました。私はこの時まで自分が子どもたちに教えていることは自分の押し付けになってはいないか、本当に子どもたちのためになっているのか毎日悩みながら保育にあたっていました。しかしこの言葉を聞いたとき、自分がこの幼稚園で過ごしてきた時間を肯定してもらえたように感じました。次の日お別れ会のような形でクラスに子どもたちと保護者が集まりました。本当に最後なのだと思うととても悲しくなりました。子どもたちの姿を見ていて悲しくなってしまった私に一人の女の子が声をかけてくれました。寂しいことを伝えると「私はここにいるでしょ」と言ってくれました。この時、自分の寂しさではなく子どもの成長を喜べる保育者でならないといけないと感じました。そしてスリランカの子どもたちのより良い未来に貢献できることを今後の目標に活動していきたいと考えるようになりました。

舞台袖から見る卒園式の子どもたちの姿

環境に入り込む!

  • 語学力 : その他の言語

 私は3カ月間英語とシンハラ語の学習をしましたが、正直その時点ではまだシンハラ語は十分に話せる状態ではありませんでした。しかしその後、幼稚園で活動するようになってシンハラ語しか使えないという環境に変わりました。生活の中で理解できなかった言葉はメモして持ち帰ったり、覚えた言葉は次の日に使ってみたりすることで格段に語彙が増えていきました。会話ができるにつれて買い物に行った時やバスで隣になった人と話をする機会も増えて話すことが楽しくなっていきました。初めのうちはもちろん上手く話せなくて笑われたり、シンハラ語で影口を言われることもありましたがその悔しさが勉強の意欲に変わっていくこともありました。本当に嫌だったときは日本語で愚痴をつぶやいて発散していたこともありました。
 もちろん前もって学習しておくことも大切ですが、現地の方が学習しやすい場合もあるのだと感じました。

忘れないためにシンハラ文字表を作って部屋の壁に貼っていた

留学前にやっておけばよかったこと

 もっとスリランカや受け入れ先について事前調べをしておくべきだったと感じました。可能ならば受け入れ先に事前訪問しておくこともいいと思います。

留学を勧める・勧めない理由

私は留学してよかったと思います。休学をしてスリランカに行ったことで、自分にしかない感性で物事を捉え意見を言えるようになったり、日本以外にも頼れる存在がいる事が自分の中で大きな支えとなっている様に思うからです。これは留学して様々なことを経験したからこそだと感じます。

これから留学へ行く人へのメッセージ

「頑張りすぎず、あきらめない」