留学内容
カンボジアにおける栄養と食の知識について人類学的視点から調査するための視座や方法論、食という観点から人類学研究を行うための知識の増強を目的として、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(以下SOAS)の「食の人類学」の修士コースに参加しました。本コースは授業参加の比重が大きく、自分の研究計画の練り上げと調査の実施に充てられる日数は約5カ月ほどでした。そのため、当初は留学の前半に、文献を読み、議論し、自分なりの主張を組み立てて、アウトプットする(口頭発表や小論文)訓練を積み、後半は、前半での経験を生かしてカンボジアでの現地調査も行いつつ修士論文を仕上げる予定でした。
しかし、コロナウイルス感染拡大によって移動の制限、必要最低限の買い物や運動以外の原則外出禁止が命じられたため、研究計画の変更を余儀なくされました。その結果、現地調査で検討しようとしていたカンボジア農村部の人びとの食の知識や栄養政策の現場ではなく、文献資料で検討できる栄養政策の流れや歴史を対象に研究を行うことにしました。