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のぐりん

出身・在学高校:
東京都立国立高等学校
出身・在学校:
オックスフォード大学大学院
出身・在学学部学科:
地理環境学部 水科学と政策、マネジメントプログラム修士課程
在籍企業・組織:

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最終更新日:2021年10月29日 初回執筆日:2021年10月29日

「世界一乾いた国」の水問題解決に向けて

留学テーマ・分野:
大学院進学(修士号・博士号取得)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • オックスフォード大学大学院 地理環境学部 水科学と政策、マネジメントプログラム
  • イギリス
  • オックスフォード
留学期間:
12か月
総費用:
5,500,000円 ・ 奨学金あり
  • (独)日本学生支援機構(JASSO)「海外留学支援制度」 4,800,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<TOEFL iBT 111点> ネイティブレベル

留学内容

途上国開発に関して科学技術と実社会の関係性を深く学びたいと考え、オックスフォード大学大学院の修士課程「水科学と政策、マネジメントプログラム」に進学しました。東京農工大学で過ごした学部時代には農業環境工学を学び、灌漑技術の研究をしていました。灌漑の専門知識を足掛かりに、水問題について広く学べる上記修士課程に進学しました。
授業では非常に幅広いトピックを扱い、気象システム等について学ぶ自然科学色の強いものから、「水をH2Oと表記するのは還元主義的かどうか」等といった論題を扱う哲学の授業もありました。
私は実行に近い部分の水問題に関わりたいと考え、アラビア半島西部の位置するヨルダンの灌漑用水管理を修士論文のテーマとして扱うことに決めました。ヨルダンは平均年間降水量が200 mmを下回る一方、年間約2000 mmの水を蒸発させるほど温暖で乾いています。ヨルダンは慢性的に水不足であり、「世界一乾いた国」と呼ばれています。実際、人が生きていくためには最低年間一人当たり500 m3の水が必要ですが、ヨルダンでは持続可能な水資源は年間一人当たり161 m3しかありません。
水資源の有効活用のためには効率的な農業用水利用が不可欠な一方、高効率の灌漑設備は高価であることが多いです。そこで、水価格を適切に設定することで持続的に高効率の灌漑設備を運用することが可能か調べました。

留学の動機

途上国開発に関して科学技術と実社会の関係性をついて深く学びたかったからです。学部時代のトビタテ!留学JAPAN制度を利用した国際貿易を学ぶための留学、農工大での灌漑技術の研究経験等から、途上国開発等では多くの面で実行が科学技術の進歩に追いついていないくことを知りました。そこで、技術と社会の関係を学び、先端技術を途上国開発に活かせるようになりたいと思い、進学を決めました。

成果

最大の成果は、最終成績で最高評価のDistinctionを得られたことです。自分はこれが初の正規留学だったため、世界ランク一位の大学院で最高評価を得られたことは、大きな自信になりました。また、修士課程と平行して学部の卒業研究も筆頭著者として論文にまとめ、WATERという査読付き国際誌で採択・出版されました。プライベートでも体育会テニス部での公式戦参加など、充実した日々を過ごせました。

ついた力

信頼構築力

在籍していた修士課程では非常に幅広い専門知識を要求されるため、個々の学生の知識ではとても対応できません。教授陣も繰り返し「このプログラムを無事修了するためには、互いに助け合う・教え合うことが必須である」と話していました。そんな中、周囲の信頼を勝ち取り、協働するために重要なことは、①集団内での自身の専門性を確立②happy to helpな態度③請負った仕事は必ずこなすこと、の三点だったと思います。

今後の展望

2021年12月までは、在籍学部の研究助手として勤務する予定です。平行して、オックスフォード大学の指導教員の先生やヨルダン大学の共同研究者とともに修士論文の査読付き国際誌への投稿に向けて推敲に取り組みます。12月に帰国したのちは、英系コンサルティングファームのサステナビリティコンサルタントとして、日本企業の社会環境問題の取組向上や発展途上国への日系企業の進出支援に取り組む予定です。

留学スケジュール

2020年
10月~
2021年
9月

イギリス(オックスフォード)

途上国開発に関して科学技術と実社会の関係性を深く学びたいと考え、オックスフォード大学大学院の修士課程「水科学と政策、マネジメントプログラム」に進学しました。アラビア半島西部に位置するヨルダンの灌漑用水管理を修士論文で扱いました。ヨルダンは慢性的な水不足状態にあり、「世界一乾いた国」と呼ばれています。実際、人が生きていくためには最低年間一人当たり500 m3の水が必要ですが、ヨルダンでは持続可能な水資源は年間一人当たり161 m3しかありません。私は特に農業用水管理とその財政的持続可能性に着目し、そこで私は、水価格を適切に設定することで持続的に高効率の灌漑設備を運用することが可能か調べました。この修士論文は高く評価され、最終総合評価では最高評価であるDistinctionをもらうことができました。

費用詳細

学費:納入総額

3,400,000 円

住居費:月額

10 円

生活費:月額

5 円

項目:航空券、保険等

300,000 円

コースメイトとの集合写真。このガウンは伝統です。
費用詳細

学費:納入総額

3,400,000 円

住居費:月額

10 円

生活費:月額

5 円

項目:航空券、保険等

300,000 円

スペシャルエピソード

Work Hard Play Hard!

オックスフォード大学の学生は学業や課外活動に本気です。特に一年間で終わる修士課程の場合はリーディングや課題がみっちりと入っているため、週末も図書館や自室にこもって勉強している人が多いです。試験前には曜日問わず夜の11時、12時頃になっても図書館の席が埋まっているのが日常的な光景でした。
それだけでなく、オックスフォード大学の学生は遊びにも同じくらい本気で取り組みます!修士論文の締め切り日の夜は学科で街のオシャレなバーを1フロア借り上げ、DJやカメラマンを雇い、プログラムの終了をお祝いするとともに修士論文の疲れを労いました。このイベントは学科から出される補助金で開催されているというので驚きです。実際に学生だけでなく、学科長をはじめとする教授陣も参加し、夜が更けるまで一緒に踊りました。

修士論文提出後、バーに向かう前。皆ドレスアップしています。

インポスター症候群

  • 帰国後の進路 : その他(インターンシップなど)

私が留学中に最も苦労したのは、「インポスター症候群」といわれる心理状態です。インポスター症候群とは、周りからは高く評価されているにも関わらず、自分自身のことを過小評価してしまう心理状態のことです。日本の謙虚さを美とする価値観を基準に自分自身や周囲を捉えると、欧米・アフリカ・ラテンアメリカ等の学生は業績のアピールが非常に上手いため、インポスター症候群に陥ってしまう恐れがあります。特にオックスフォードの環境では、欧米の学生でさえもこのように感じることが多々あるといいます。私自身今でもインポスター症候群と戦っている最中ではありますが、「こいつ、業績をアピールしているな」と思ったら言葉を額面通り受け取らずにある程度聞き流し、「事実関係を正しく把握する」ことを重要だと思います。添付画像は極端な例ですが、例えば「自動車の運転免許を取得した」を言い換えると、「燃料式車両を操作するスキルと能力を評価する専門的かつ最も栄誉ある試験の受験者のうち、上位5人に選ばれた」というように言い換えることができます。うわべの言葉に惑わされず、本物を見極められるようになりましょう。

自動車免許所得を誇張したmeme(ジョーク)

これから留学へ行く人へのメッセージ

正規留学は語学留学や交換留学に比べて、出願、事前準備と実際の留学中と比べ物にならないほど大変です。ですが、それだけ得られるものも大きいです。少しでも日本人の正規留学生が増えることを祈っています。正規留学を迷っている人、正規留学中に悩んでいる人、いつでもお気軽にご相談ください。応援しています!