ドイツ・フランス(グライフスヴァルト・カダラッシュ)
核融合研究で世界トップクラスの研究施設である、フランスのITER及びドイツのWendelstein7-Xを見学しました。まず、フランスのITERは研究施設であるとともに世界最大の国際プロジェクトの1つです。日本を含む世界7つの国と地域共同体がともに協力し合い建設される核融合実験炉であり、部品や資金、人材が各国から提供され、現在まさに建設途中にある実験炉になります。ここでは、現在最も主流な核融合の制御手法である「トカマク型」についての知見を得たとともに、「国際協力」というものを自身の肌で感じる経験を積むことができました。具体的には、国旗が貼ってあるなど、研究設備などにおける製造国などの主張は激しいものであり、食堂には毎日様々な国や地域の料理が置いてあるなど、至る所で国際多様性を感じることができました。さらに、国際協力がゆえに国民性の違いや部品提供の遅延からプロジェクトの進行に支障が出ることもあるなどのエピソードを聞くことができ、国際協力の課題も知ることができました。また、多くの国籍の人々が働いている中で働く日本人の様子を実際に見ることができ、素直にかっこいいと思えるような憧れを強く抱くことができました。続いて、ドイツのWendelstein7-Xは、核融合発電の制御手法の1つである「ヘリカル型」の核融合実験炉であり、マックスプランクプラズマ物理学研究所が保有しています。ヘリカル型の実験炉としては世界でも最大級であり、現在はヘリカル型核融合炉の長期運転の実現に向け、各主要部品の評価のために使用されています。実際の見学を通して、ガイドしてくださった方からWendelstein7-Xに関する歴史(かかった費用や何度も作り変えられていることなど)や他の炉に対するWendelstein7-Xのメリット・デメリット(ITERなどに比べて持続運転がしやすいことなど)を伺うことができ、また実際の実験風景なども見ることもできました。