留学大図鑑 留学大図鑑

高橋さえみ

出身・在学高校:
兵庫県立宝塚西高等学校
出身・在学校:
神戸市外国語大学
出身・在学学部学科:
外国語学部・国際関係学科
在籍企業・組織:

高校、大学ともにトビタテ留学を経験しました。留学に関する質問・ご相談はInstagramのDMにてメッセージいただければ可能な範囲でお答えさせていただきます。


最終更新日:2024年09月13日 初回執筆日:2024年09月13日

多様性が当たり前の学校を目指して

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • エセックス大学
  • イギリス
  • コルチェスター
留学期間:
10ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,900,000円
  • 大学独自のもの 1,270,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<英検準一級・TOEIC875点> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

私は、「ジェンダーやセクシャリティに関わらず、誰もが自分らしく生きられる社会の実現」を目指し、その第一歩として「教室から社会へ」多様性を受け入れる精神を育むことのできる英語教員になりたいと考えています。生徒一人ひとりを支える教員として、自身の知識と理解を深めるため、イギリスのエセックス大学でジェンダーとセクシャリティに焦点を当てた社会学を学びました。さらに、国連女性機関イギリス事務所の大使として国連女性の地位委員会(CSW)に参加し、Pride in Londonのプライドパレードでボランティア活動を経験しました。

留学の動機

大学ではSocial Justiceを研究するゼミに所属し、ジェンダーやセクシャリティがスペクトラムであり誰もがそれらを持っていることを学びました。自分が中高生の頃に感じていた周囲との違いが、セクシャリティの一つであると気付いたことで、教育の現場でもLGBTQIA+を含む多様なアイデンティティを持つ生徒がいることに改めて意識を向けました。研究や学びを深めるためイギリスの大学での留学を目指しました。

成果

留学を通して、多様な人々や授業での新たな知識に触れ、英語が単なるコミュニケーションツールではなく、世界中の人々や異なる価値観、生き方にアクセスし、自分の視野や選択肢を広げる重要な手段であることを実感しました。日本にない考え方や価値観を学べる英語の授業は、社会や多様な人々への理解を深める場所です。だからこそ、英語教員として生徒に多様性を受け入れる精神を育むことを目指したいと強く感じています。

ついた力

自己理解力

留学という新たな環境で、自分自身を最も理解しているのは自分だと感じました。期待や理想が高まる一方で、それに至らない自分とのギャップに苦しむこともありました。しかし、うまくいかない自分の存在も受け入れ、他人と比較するのではなく、自分の心身の健康を最優先し、挑戦的な環境で自分なりのベストを尽くすことの大切さを学びました。

今後の展望

留学を通して新たな環境と出会いに飛び込み挑戦することの楽しさを実感しました。卒業後は日本の高校で英語教員として働く予定ですが、挑戦し続け、学び続ける姿勢を忘れずに生きていきたいです。また、高校や大学生が留学を含め、多様な挑戦へのサポートができるような人になり、彼らの成長を支える存在を目指します。

留学スケジュール

2023年
10月~
2024年
6月

イギリス(コルチェスター)

留学先の大学は秋・春・夏の3つのセメスターに分かれており、秋学期は、次の授業を履修しました:Foundation of Human Rights(通年)、Race, Class and Gender、Language Teaching in Different Contexts、Introduction to Embedding Sustainability in TEFL/TESOL。春学期は、Foundation of Human Rights(通年)、Feminism, Women and US Film、Sociology of Sexualityの四つの授業を履修しました。

印象的な授業
「Women and US Film」
この授業はFilm Studiesの一環で、アメリカの1900年代から現代に至る様々な映画における女性の表象や男性の視点を、映画の内容から技術的な側面まで幅広く分析しました。映画研究の知識が浅いため技術的な分析に苦労しましたが、アメリカ映画に描かれる女性像に当時の社会情勢や男性中心の資本主義社会における消費される女性像が反映されていることを学び、大変興味深かったです。

Sociology of Sexuality
エセックス大学は社会学の分野で国際的に高い評価を得ていることもあり、これらの授業を受講しました。LGBTQIA+の平等を目指す上での政策、市民権、教育などの現代の動向を学ぶことができました。私自身、全てのジェンダーやセクシャリティの学生を含めた学校機関や教育の在り方について卒論研究を進めているため、社会学部の特別講義や専門教授の下で学ぶことができて良かったです。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

学内の学会でのプレゼン発表をしたとき
International Dinner Party
Pride in Londonのボランティア活動
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

留学を通して、日本では主流ではない生き方や、自分では考えもしなかったことなど、世界にはその人一人一人の生き方があるということを学びました。社会でスタンダードとされる生き方から外れたり、自分らしく生きるということも、素晴らしいことであると実感しました。異なる生き方や社会を学ぶことで、自分の可能性や本当に好きなことにも気づくことができました。

さらに、留学中に英語を第二英語や外国語として話す人の方が圧倒的に多いことを実感しました。また、一人一人によって英語の発音やボキャブラリーなども異なることも理解し、ネイティブ至上主義や周囲から自分の英語をジャッジされているのではないかという英語コンプレックス問題についても意識するようになりました。ネイティヴということは定義が難しく、これだけ多様な英語を話す人がいるならば、多様性は尊重されるべきものであり、ネイティブが一番とされることよって生じるパワーバランスの問題に対処できるような教員になりたいと思いました。

大学で出会った大切な友達
忘れられない22歳の誕生日の思い出

あなたにとって留学とは?

私は、トビタテ高校4期生としてアメリカに、大学15期生としてイギリスに留学を経験させていただきました。留学は外から見ると華やかで壮大なものに見えるかもしれませんが、実際には自分との戦いのような機会であることを経験しました。海外に行くだけで劇的に何かが変わるわけではなく、新たな環境や人間関係の中でどれだけ自分から積極的に挑戦できるかが重要であり、それがすべて自分次第であると再認識しました。留学中、頑張れない時や思うようにいかない時があり、その際には自分を責めたり、精神的に落ち込むこともありました。有限な時間を最大限に活用したいという自分自身への期待と、現実の自分とのギャップに苦しむこともありました。しかし、その過程で自分の精神的な弱さや不完全な部分を受け入れることができたことは、貴重な経験でした。これから留学を迎える人や考えている人には、まず自分の心身の健康を最優先し、できないことがあるのは当たり前だと受け入れることが大切だと伝えたいです。留学を大切な学びの機会として捉え、無理せず自分を受け入れることが重要だと感じています。

デンマークとスェーデンに一人旅にいった際の写真

休学も視野に入れて留学の実現

  • 単位・留年 : 休学・留年

初めは、コロナ禍であったことや、大学4年間で模擬国連大会の運営や教育実習など当時活動していたことと留学を実現させることは難しいとほとんど諦めていました。ですが、4年の後期から資金支援もして頂きながら大学を一年休学して学部留学を実現させることができました。通常より遅いタイミングではありますが、これまでの大学や活動などで得た経験や知識を活かし、より明確な勉強内容と目的を持って勉強をすることができていると思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は、日常的に自分と全く異なる背景を持つ人々や新たな考えに触れられることが大きな魅力だと思います。そのおかげで、自分の将来の可能性や選択肢、人生の生き方など、多様な視点から捉え直すことができました。今は様々な方法で留学が可能になってきているので、興味があれば先を恐れずに挑戦してほしいと思います!