留学大図鑑 留学大図鑑

Kento Okuyama(奥山健人)

出身・在学高校:
山形中央高校
出身・在学校:
University of Tübingen
出身・在学学部学科:
秋田大学
在籍企業・組織:
University of Tübingen


最終更新日:2024年09月27日 初回執筆日:2024年09月27日

九転十起、人生は一度きり

留学テーマ・分野:
大学院進学(修士号・博士号取得)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • University of Tübingen・Methods Center・Quantitative Data Science Methods
  • オランダ・ドイツ
  • テュービンゲン・ティルブルフ
留学期間:
36か月
総費用:
6,000,000円 ・ 奨学金あり
  • 大学独自のもの 400,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEFL iBT 107, TOEIC 925> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

2020年10月から修士課程に入り、2023年9月に卒業しました。修士課程の初期(2020年10月〜2022年9月)は、主に講義を受けて座学で必要単位を取得しました。2021年8月から2022年1月までは、オランダのティルブルフ大学で交換留学を経験しました。2022年10月以降は、修士論文の執筆に専念しました。

留学の動機

留学の動機は、データサイエンス分野での専門性を深め、キャリアを変えることにありました。学部時代から興味を持ってきた分野での学びをさらに追求し、修士課程・博士課程を通じてエキスパートとしての道を切り開くこと、そして海外での生活を経験することが大きなモチベーションでした。また、当時ヨーロッパに住んでいた元カノとの合流も、ヨーロッパでの学びを選んだ一因です。

成果

学業面での成功を最優先にし、早期から研究活動に取り組むなど、戦略的な計画を立てました。その結果、博士課程の内定を得て、現在も給料をもらいながら研究活動を続けています。また、留学中に参加した国際学会ではデータ分析のコンテストで優勝し、所属先のホームページにも取り上げられるなど、成果を残すことができました。さらに、他の授業や研究プロジェクトでも良好な成績を収め、自分の能力をある程度証明できました。

ついた力

あきらめ力

難しいテーマを選び、研究が進んでいると思った矢先に、多くの問題が発生しました。サンクコストの罠に陥り、引っ込みがつかなくなり、心身ともに限界を感じました。最終的にサポートを得て乗り越えましたが、大切な人との関係を失い、大きな代償を払いました。後悔がないわけではありませんが、この経験を通じて、諦めることや助けを求める勇気を学びました。失ったものも多いですが、今の自分を形作る大切な経験です。

今後の展望

留学で視野が広がり、さまざまな選択肢を考えられるようになりました。一方で、修士論文での挫折から自分の力不足を痛感し、博士課程に進学した今も将来の道が明確ではありません。ただ、キャリアを考える上で、職場内外での心身の安定や人間関係をこれまで以上に大切にしたいと感じています。研究にこだわらず、ゼロから新しい可能性を探り、自分に合った道を見つけていきたいです。

留学スケジュール

2020年
10月~
2023年
9月

オランダ・ドイツ(テュービンゲン・ティルブルフ)

2020年10月から修士課程に入り、2023年9月に卒業しました。修士課程の初期(2020年10月〜2022年9月)は、主に講義を受けて座学で必要単位を取得しました。特に、統計学、機械学習、心理統計(サイコメトリクス)、計量経済学(エコノメトリクス)など、幅広い分野に取り組みました。2021年3月からは、Methods Centerに所属し、リサーチアシスタントとして給料を得ながら、研究活動にも少しずつ携わるようになりました。2021年8月から2022年1月までは、オランダのティルブルフ大学で交換留学を経験し、心理統計や計量経済学に関連する授業を受けました。

留学当初は、コロナ禍の影響で全ての授業がオンラインに切り替わり、外出制限やロックダウンも重なり、学生同士の交流やキャンパスライフをほとんど経験できませんでした。そのため、学業へのプレッシャーが強まり、特にメンタル面での調整が難しくなり、燃え尽き症候群を経験しました。当時は、自分の限界がどのように現れるのか想像がつかず、またその後の回復にこれほど時間がかかるとも思いもしませんでした。この経験を通じて、自分自身を追い込みすぎないことの重要性を学びました。

2022年10月以降は、修士論文の執筆に専念し、統計学を活用して学生のドロップアウトに至る前兆となるモチベーションの変化を予測するモデルの開発に取り組みました。しかし、修士論文の執筆は非常に困難で、思うように成果が出ない中、リモート作業の孤独感と孤立感に苦しみました。助けを求める手段も限られており、毎日が終わりの見えないトンネルの中にいるような感覚でした。精神的な苦しさと孤独の中での研究は大きな試練であり、日々のプレッシャーは大きかったです。それでも粘り強く取り組むことで、最終的には研究を完遂することができました。

費用詳細

学費:納入総額

1,200,000 円

住居費:月額

1,600,000 円

生活費:月額

3,200,000 円

テュービンゲンの街並み
限界大学院生ver1(2021)
限界大学院生ver2(2021)
費用詳細

学費:納入総額

1,200,000 円

住居費:月額

1,600,000 円

生活費:月額

3,200,000 円

スペシャルエピソード

留学中にやってしまった、私の失敗談

研究の進捗があまり出ず、悶々とする中で、つい10年以上ぶりに野球ゲームに手を伸ばしてしまいました。結果的にゲーム中毒になり、たくさんの時間を無駄にしてしまいました。幸い、課金までは至りませんでしたが、そのせいで生活リズムがめちゃくちゃになり、自分への罪悪感で胸がいっぱいになり、毎日疲れた状態が続きました。

やはり、ストレスが相当溜まっていて、研究がうまくいかない中、ゲームのように着実にレベルアップできるものにすがりたかったのかもしれません。そして、自分の悪い思考の癖にも気づきました。それは、「まだこれが終わっていないのだから、自分は外に出る資格がない」という思考パターンです。この癖が、自分を家の中に閉じ込めていたのです。

今振り返ると、こんなにも美しい世界が窓の外に広がっているのに、自分は一体何をしていたのだろうと思います。でも、この経験もまた、今の自分にとって大切な学びになりました。

大学寮から見えた景色

苦しい時こそ、飛び込め!

  • 単位・留年 : 休学・留年

大学院留学中に、さらにオランダの大学へ交換留学しました。当時、自分の中で勉強に行き詰まりを感じていて、「果たして留学なんてしている場合か?」と思っていました。しかし、逆にそれが良い方向に働きました。自分の中で何かがうまくいっていない時に、環境を変えることはとても大事です。新たな人に出会い、新しいキャンパスで新しい環境の中で勉強することは非常に刺激になり、モチベーションをもらいました。勉強が楽しくなり、さらにペースを上げることができました。

そこで見たもの、聞いたもの、そして体験したことは、自分にとって大切な財産です。結果的に、卒業時期が半年遅れることになりましたが、そんなの誤差だと思います。あの時、もし交換留学をしていなかったらと思うと、少し怖くなります。きっと、あのまま悶々とした状態で、手がかりのないまま苦しみ続けていたでしょう。

ただ、正直に言うと、今後また同じような状況に直面したとき、自分が同じ勇気を持って飛び込めるかどうかは分かりません。その時々で不安や迷いもあると思いますし、確信を持てないこともあるでしょう。でも、少なくとも今回の経験から、環境を変えることや新しいことに挑戦することの大切さを学びました。だから、苦しい時こそ飛び込む勇気を持ち続けたいと感じています。

交換留学先のキャンパス

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は新しい環境や人との出会いで、視野が広がる貴重な機会です。時には困難に直面することもありますが、人生、転んでからが勝負です。勉強や仕事、研究だけが全てではありません。現地の生活や文化、人との交流を通じて積極的に見聞を広げることが大切です。それが最終的に、自分自身を助け、支えてくれるからです。恐れずに飛び込めば、思いがけない宝物が得られるでしょう。