留学大図鑑 留学大図鑑

Wata

出身・在学高校:
茨城県立土浦第一高等学校
出身・在学校:
東京大学
出身・在学学部学科:
経済学部経営学科
在籍企業・組織:


最終更新日:2024年11月11日 初回執筆日:2024年11月11日

日本で外国人雇用は定着するのか

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • モナシュ大学 (Faculty of Business and Economics)
  • オーストラリア
  • メルボルン
留学期間:
6ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 510,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEFL iBT87> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

オーストラリア企業のマネジメントの実情、特に外国人労働力の導入についての理解を深めることが目的でした。具体的内容は以下の三つになります。
①オーストラリアの学生団体での活動
当初はインターンを検討していたのですが、時期的な問題で断念することになりました。ただ、どうしても自分がオーストラリアの組織の内側からマネジメントを考察する経験が欲しかったため、Monash Student Associationという学生団体の一員として様々な活動に関わりました。
②モナシュ大学でinbound studentとして留学
現地の大学でhuman resource managementやstrategic managementなどの授業を履修し、オーストラリアのマネジメントの特徴について学びました。
③現地の留学生に就職活動についての聞き取り
寮に住んでる留学生(主に院生)に対して、事前に作ってきた就職活動についての質問票をもとにインタビューを行いました。

留学の動機

自分の知り合いの農家が人手不足で廃業したことをきっかけに日本の労働力不足の問題に対して興味を持つようになりました。オーストラリアは白豪主義から外国人労働力を積極的に導入する方針に転換し、労働力不足問題を解決した過去があります。オーストラリアに日本の労働力不足解決のヒントを求めて留学を決意しました。

成果

①オーストラリアの学生団体での活動
マニュアルやシステムによって業務の曖昧さを限りなく排除しているマネジメントについて学ぶことができた。
②モナシュ大学でinbound studentとして留学
大学の留学生支援の手厚さを知ることができた。
③現地の留学生に就職活動についての聞き取り
留学生の就職における苦労や大学の就職活動についての役割について理解を深めることができた。

ついた力

自己マネジメント力

留学は完全に自由で自主的なものです。その計画から実行までの全てのパートに対し、自分で責任を負って対処する必要があります。試験の様にどこかに正解があるわけでも、学校の様に先生が導いてくれるわけでもありません。そのため、客観的な視点を自分の中に持ち、自分自身をマネジメントしていく力が留学でかなり鍛えられました。

今後の展望

日本の企業や大学を、留学生を含む全ての人が生き生きと活躍できる場にしていきたいです。オーストラリアの大学と比較すると、留学生が日本の大学に馴染んでいくことはかなり難しく感じます。結果として、多くの留学生が日本での就職活動を断念するという側面もあると思います。せっかく日本に来た留学生が、キャリアを開いていけないことは彼らと日本企業の双方にとって損失であると考えているため、上の展望に至りました。

留学スケジュール

2024年
2月~
2024年
7月

オーストラリア(メルボルン)

2024年2月
①オーストラリアの学生団体での活動
自分が所属していた団体のマネジメントの一番の特徴は、その明瞭さだと思います。ビデオを使ったトレーニングマニュアルや参加のプロセス、募集の方法などその全てがシステム化されており、具体的な数字を伴って表現されていました。自分は今まであらゆる側面において相手に対して漠然とした指示をしてしまいがちだったので、今後は自分の指示に対しても明瞭さを持たせていきたいと考えています。入った当初は自分の英語力はかなり低かったのですが、しっかり活動させてくれたのは他のメンバーの優しさと明瞭なシステムのおかげだと思うので、その双方に対して深く感謝しています。
2024年2月後半
②モナシュ大学でinbound studentとして留学
講義の内容とは外れますが、最も印象に残ったのは大学の学生に対するサポートの手厚さです。充実した施設やフリーフードなども含め、学生が快適に学業に集中できる環境が整っていると感じました。そのせいか、日本の大学よりも圧倒的に登校している学生の割合が高い気がします。特に、留学生に向けてのサポートは手厚く、留学生向けのソーシャライズイベントや情報提供イベント、就活イベントや相談室など枚挙にいとまがありません。モナシュ大学ではルーツをオーストラリア以外に持つ学生の割合が3割を超えるということですが、これらのサポートがその高い数字の一因になっていると考えられます。
2024年6月
③現地の留学生に就職活動についての聞き取り
寮には院の最終学年の留学生が数多く住んでいたため、彼らに就職活動についての聞き取りを行いました。結論としては、オーストラリアでも留学生がフルタイムの仕事を見つけることは決して簡単ではないということが分かりました。多くの院生が、自分の専攻分野に基づいて自分を雇ってくれそうな企業のインターンに応募し、その企業にそのまま就職していました。複数の学生が、選べるほど就職先の幅は広くないと述べていたことが印象的です。一時的に滞在していた香港人の家庭の30代の息子さんも、就職活動を6ヶ月以上続けているがいまだにフルタイムの仕事が見つからないと嘆いていました。政府や大学も少しずつ移民に対して厳しくなっていく方向性にあり、留学生の就職活動は今後も難しくなっていくと推測されます。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

新入生向けのシティツアーの運営に参加
試験期間中には、リラックスできるブースが出現
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

あなたにとって留学とは?

留学は、自分で責任を持って決断する力を養う貴重な経験となりました。留学生活は未知の決断の連続です。どこに住むのか、どこに行くのか、どのようにお金を確保するのか、何をするのか—これらの問いに対して、自分自身で答えを見つけ出す必要があります。

さらに、留学を充実させるためには、降ってくる問いにただ答えるだけではなく、自ら新たな問いを探しに行く姿勢が重要です。他人の意見や周囲の動きに従うのではなく、全ての責任を自分で負うことには不安も伴いますし、疲れる部分もあります。しかし、それ以上に自分の人生を自分で選択していく楽しさは計り知れません。

留学で培ったこの決断力を活かし、後悔のない人生を送っていきたいと思っています。

シラバスを何度も読み返して比較検討し、最終的に履修した授業

留学中に手に入れた、今でも大事にしているもの

海外の大学では、大学名入りのフーディーがよく販売されています。日本の大学でも販売されているかもしれませんが、特筆すべきはその普及率です。冬季には、体感で約20%の人が大学のフーディーを着て登校していましたし、少なくとも持っていない人はいなかったように思います。最初は、みんなと同じ服を着るのがなんとなく気まずいと感じていましたが、慣れてしまえば暖かくて楽で、利点も多いです。カラーリングやデザインも豊富で、最終的に私は3枚のフーディーを購入しました。日本に帰ってからも、これらのフーディーを着るたびに留学時の気持ちや覚悟を思い出すので、私にとっての宝物です。ぜひ皆さんも留学した際には、留学先の大学のフーディーを購入してみてください。

Monash Universityのフーディー

ディスカッションのコツは、質問で主導権を握ること

  • 語学力 : 英語

現地の大学の授業形式は、日本とは大きく異なります。いわゆる講義・インプットの部分は、授業前に動画を見たり、論文を読んだり、教科書を確認したりして自分で済ませておくことが前提です。授業では、その知識をもとに講師から議題が与えられ、ディスカッションを通してその知識の実際の活用方法を理解していきます。

最初は、英語の動画や論文の予習が自分にとってはかなり大変でしたが、時間をかければなんとか対処できます。一番の問題はディスカッションでした。初めのうちは、他の学生が何を言っているのかも聞き取れず、沈黙のまま授業が終わってしまうこともありました。オーストラリアに来たからには手ぶらで帰るわけにはいかないという焦りから、さまざまなチャレンジをしました。

その結果、最も効果的だったのが、自分から質問を積極的にすることでした。自分からトピックを提供すれば、議論は自然とそのトピックや質問を考慮しながら進んでいきます。自分が知っているトピックについては英語も聞き取りやすく、的外れなことを言うリスクも低くなります。また、主体的に参加することでディスカッションの理解度が深まりますし、良いトピックや質問を提供するという目的意識を持つことで予習の質も向上します。このサイクルに入ると、授業がどんどん楽しくなっていきました。

初めて手を挙げたり、質問したりするのは緊張するかもしれませんが、2回目からは気にならなくなります。勇気を振り絞って、主体的にディスカッションに参加しましょう。

班ごとの議論の結論を共有する場面

留学前にやっておけばよかったこと

留学前に最もやっておけばよかったことは、英語でアウトプットする練習を積んでいくことです。Readingやlisteningの勉強で文章や会議の流れを理解する力は養うことができますが、writingやspeakingの練習を積んでいないと、いざ自分の意見を求められた時に頭が真っ白になってしまいます。具体的には、オンライン英会話でディスカッションをしたり、AIと英語で議論するのがおすすめです。

留学を勧める・勧めない理由

まず、前提として留学には目的意識と十分な準備・計画が不可欠です。しかし、留学の最も面白い点は、計画外の出来事や思い通りにいかなかったことから、予期せぬ気づきや新たな価値観を得られることです。このような気づきは、日本での今までの、そしてこれからの経験を最大化する手助けとなります。ぜひ、留学を通じて、今は想像すらしていないような貴重な気づきを得てきてください。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学の支援をしている方が「自分で見たものは実現できる」とおっしゃっており、これに自分も強く共感します。知識で知っているだけの時には自分には無理だと思っていたことも、留学で実際に目の当たりにすると「なんだか自分でもできるんじゃないか」という気持ちが湧き上がってきます。留学は今あなたがいる場所では見られないものを見るチャンスです。この機会を活かして、まずはたくさんのものを実際に目にしてきてください。