オーストラリア(パース)
●テーマ:高齢者の楽園と呼ばれるオーストラリアではどのような生活環境が提供されているのだろうか
●留学計画:老人ホームでのボランティア、在宅介護利用者へのインタビュー
老人ホームでのボランティアを月〜木の週4日、9:30-15:00で行った。ボランティア終了後は在宅介護利用者へのインタビューを行った。ボランティア初日に、写真撮影とインタビューの実施について施設のマネージャーに許可をもらい、14日間の活動の様子をインスタで発信した。ボランティアでは、車椅子の誘導、アクティビティの実施と補助、利用者へのインタビューを行った。アクティビティとはリハビリのことで、風船バレーや手足の体操などがある。オーストラリアで実施されていたアクティビティのなかには日本で見られないユニークなものもあった。
特に印象に残ったのはLadies club activityとBBQ clubである。前者は女性の利用者を集めてメイクや顔パック、ハンドマッサージなどを行うアクティビティである。いつまでも女心を忘れないで、おしゃれを楽しんでほしいというスタッフの想いから作られたアクティビティである。利用者からの評価も高かった。後者は男性の利用者を集めて中庭でBBQを行うというアクティビティである。スタッフがマイケルジャクソンの曲を流すと踊り始める利用者がいたり、普段はおとなしい利用者が笑顔になったりして、利用者がアクティビティを楽しんでいるのが目に見えた。スタッフ自身もアクティビティを全力で楽しんでいてとても雰囲気が良かった。ぜひ日本にも取り入れたいと思った。
利用者へのインタビューでは日本と真逆の結果が得られた。老人ホームでの暮らしに満足している人がほとんどだった。理由としては上記のアクティビティが好き、好きなことができる、スタッフが優しくて面白い、という意見が出た。
在宅介護利用者へのインタビューでは、オーストラリア独自の高齢者ケアシステムであるACATについて話を聞けた。ACATとは高齢者を細かくアセスメント(評価)し、個人にあった介護をするというシステムである。実は、留学前の探究の問いに対する仮説として私はACATに注目していた。そのため実際に現地で話を聞くことができてとても嬉しかった。ACATについて利用者からは、細かくアセスメントをすることで、常に変化する身体の状態に対応しながら介護をしてくれるからとても満足している、と好評だった。
●結果:オーストラリアの老人ホームは自由度が高い。高齢者個人の意思を尊重する傾向が強く見られた。特に、高齢者のネイル、染髪、メイク、服装、ライフスタイルから自由度の高さが感じられた。またスタッフのネイルや染髪も目立った。また、在宅介護利用者へのインタビューでは、オーストラリアでは在宅介護サービスが充実していて、質が高いということがわかった。ACATについて話を伺い、細かいアセスメントにより個人に合った介護をしてくれるところが良いという声が聞けた。