留学大図鑑 留学大図鑑

明石晃一

出身・在学高校:
開成学園開成高等学校
出身・在学校:
University of St Andrews
出身・在学学部学科:
School of Medicine
在籍企業・組織:


最終更新日:2025年03月07日 初回執筆日:2025年03月07日

イギリスの大学医学部へ進学

留学テーマ・分野:
大学進学(学位取得)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • School of Medicine, University of St Andrews
  • イギリス
  • セントアンドリュース
留学期間:
7年
総費用:
30,000,000円 ・ 奨学金あり
  • (独)日本学生支援機構(JASSO)「海外留学支援制度」 15,000,000円
  • 船井情報科学振興財団 15,000,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<IELTS Academic 7.5> ネイティブレベル

留学内容

現在、英国セント・アンドリュース大学の医学部3年に在籍しています。
 私の場合、留学生としてまず(最短で)1年のFoundation Programmeを行い、その後前期3年の基礎課程をセント・アンドリュースで修了し、残り3年の臨床課程を提携大学(エディンバラ大学、ロンドン大学クイーン・メアリー校、マンチェスター大学などがあり、私の場合はマンチェスター大学)で行います。UKMLAという統一試験(日本でいう医師国家試験)をパスしたのち、卒業と同じタイミングで医師免許が授与されますが、この段階では所謂「仮免許」状態(Provisional License)の為、続けて研修医(イギリスではFY1 Doctorと呼ぶ)を1年間行ったところで、免許が正式なものとなります。
 私のように、日本の普通高校からイギリスの医学部に進学することはあまり前例が多くありませんでした。その為留学準備は奨学金準備を含め暗中模索の状態でしたが、無事JASSOの学部留学給付奨学金と、船井情報科学振興財団の給付奨学金を頂き、現在に至ります。
 長い道のりではありますが、私には予てよりテクノロジーと医学を融合した研究開発を行う志があり、そこで実践性を重んじるイギリスの基礎医学教育や臨床教育のあり方に強く心を惹かれ、現在は情報科学系の研究と医学部生としての生活の両立を行っています。
 医学部の勉強は(特に量的な面で)時間を多く取られます。病院実習なども多くあり、自身にとって外国語にあたる言語で現地の患者さんと接する必要があったり、また配属先病院の専門医の先生たちとケースディスカッションをするなど、机上の学習に留まらずコミュニケーションを含む多様な能力が要求されます。最初は私も、現地出身の同級生や先生たちが容赦ないスピードで議論をする中雰囲気に気圧されてしまうこともありましたが、そんな環境で3年近く鍛えられ、今ではそういった場を逆にリードできるようになりました。留学生として、決して乗り越えるのが容易ではない苦難も多いですが、その中でしか得られない大きな成長もあったと受け取っています。

留学の動機

私にはテクノロジーと医療を融合し、多くの命を救いたいという展望があります。その中で、臨床教育に力を入れ学問としての歴史的文脈を大切にするイギリスの医学教育のありように強く共感し、進学を決意しました。また無論イギリスでの医学教育は英語なので、その教育を受けることで国際学会での発表や国際的な科学研究へのアクセスも非常にしやすく、大きな価値を体感しています。

成果

自らのコンフォートゾーンを抜け出し、帰国子女でないにも拘らず日本の高校を卒業したのちそのままイギリスの大学に進学した訳ですが、度々直面する苦難に揉まれ、自身と対峙する機会も増えたように感じています。そして常に自身の成長に上限を持たせず歩き続けた結果、自身の特性や能力に磨きがかかり、研究など成果も現段階で多く残すことが出来たと思います。

ついた力

胆力

数多の困難に揉まれ、小さい苦難程度には全く物怖じしなくなった。

今後の展望

基礎課程を間もなく終え、医学の概観自体はだいぶ見えてきている気がしています。残すところのマンチェスター大学での後期臨床課程では、その解像度をさらに上げ、並行して行っている情報系の研究から得た知見をどう医学での学びと融合させていくかを、考えそして形にしていきたいです。

留学スケジュール

2021年
9月~
2025年
6月

イギリス(セント・アンドリュース)

Foundation Programme for Medicine (1年) + 医学部正規基礎課程(3年)の計4年。
 生活面では、1年目のみ大学の寮に入り、残り3年は現地の不動産屋と交渉し、近隣の街のフラットを借りて1人で住んでいます。
 学習面では、Foundationにおいては生化学や医学倫理などの分野、医学部正規課程入学後は、1年目から早速解剖や筋骨格系について学び、2年目は循環器系・呼吸器系・消化器系・生殖器系、そして3年目は脳神経系・内分泌系、更に臨床医学と学士論文(私の場合はTCS(バクテリアの環境適応メカニズム)のゲノム解析)を行います。

費用詳細

学費:納入総額

23,000,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

街中心部の様子
街中心部の様子
大学の教会と正装の朱いガウン
費用詳細

学費:納入総額

23,000,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2025年
9月~
2028年
6月

イギリス(マンチェスター)

マンチェスター大学医学部における後期臨床課程

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

この国のことが、とても好きになった瞬間

セント・アンドリュースは1413年に設立された、英語圏で3番目に古い非常に歴史のある大学です。普段街を歩いていたり、広場で本やコンピューターを広げて勉強したりするだけでも、まるで中世の時代にタイムスリップしたような感覚をよく覚えます。友人に聞くとそういう経験を"Live in history"と表現するそうですが、まさに「歴史に生きている」、そんな感覚を毎日のように感じられます。

セント・サルバトール広場
セント・メアリー広場

高額な留学費用と給付奨学金

  • 費用 : 奨学金

ご覧になった通り、イギリスで医学部に通うのには多額の費用がかかります。2025年3月現在のレートでは£1≒190円程度ですが、前期基礎課程では授業料はおおよそ年間£35,000≒600万円前後、後期臨床課程は年間£60,000≒1100万円前後となっています。このような場合、高い確率で給付型の奨学金が必要になると思われます。私が現在前期課程分までを負担頂いているJASSO学部留学支援奨学金や船井情報科学振興財団などがそういった奨学金を提供している例ですが、大学院留学ほどではなくてもそういった選択肢は近年徐々に増えてきています。こういった奨学金は、一定大学のレベルや自身の実績など要件が厳しいものも多いですが、何より自身の将来のビジョンがどれだけはっきりしているか、そしてその展望に向けてどれだけ具体的なアクションを起こしているかが重視されているように感じます。海外留学は大変素晴らしい経験ですが、それを実際に素晴らしいものにする為にも、自分が何をしたいか、どんな大人になりたいかということは、留学前の段階で可能な限り明確にするべきと考えます。世界に飛び立ち学問をしにいく、夢を叶えに行く訳ですから、その貴重な機会に感謝をし、自分自身と向き合うことをどうか忘れないでください。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学が多くの人々の手に届く様になった時代に生まれた我々は、何より非常に恵まれています。先人が築き上げてくれた環境にまず感謝をすることが大切だと思います。そして、その感謝と共に、世界で学びを得るチャンスがそこにあるのなら、またはすぐそこにはなくとも頑張ってジャンプをして届きそうなら、それは掴むべきと考えます。是非、皆さんも一歩、外に踏み出してみてください。見たこともない鮮烈な景色が広がっています。