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中山 航平

出身・在学高校:
私立横浜隼人高等学校
出身・在学校:
横浜国立大学 大学院
出身・在学学部学科:
機械・材料・海洋系工学
在籍企業・組織:

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最終更新日:2025年04月07日 初回執筆日:2025年04月07日

世界最先端の研究機関で研究インターン

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • IMEC (Interuniversity Microelectronics Centre)
  • ベルギー
  • ルーベン
留学期間:
12か月
総費用:
2,600,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,170,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEIC 860点> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

私は、最先端技術を用いた半導体研究をするために、IMECという世界最先端の半導体コンソーシアムで1年間インターンシップを行いました。
半導体の製造には、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)と呼ばれる技術が用いられています。これは化学的作用と機械的作用を複合的に組み合わせることで半導体の材料の表面をnmレベルで平坦に加工する研磨技術です。近年の半導体の微細化に伴い、要求される加工精度は厳しくなっており、加工材料表面の平坦性や段差を制御することが半導体製造で大きな課題となっています。
IMECは世界最先端の半導体研究機関であり、世界90か国から集まるトップの研究者や学生が最新技術の開発・研究を行っています。そのIMECで1年間研究インターンシップを行い、研究員と連携しながらCMPの研究を進めました。1年間の研究の結果、世界最先端の材料で要求される厳しい加工精度を達成するCMP条件の確立に成功し、量産レベルでの実用化の可能性を示すことができました。
この1年間の研究インターンシップは、最先端半導体に関する数多くの知見を得られ、さらに異なるバックグラウンド持つ人と触れたことで、一人の研究者、人間としても成長することができました。

留学の動機

将来、海外で働くことに興味があり、今後の人生設計を具体化させるためにも1度海外で働いてみたいという強い思いがありました。また、半導体の最先端技術を学び、世界トップの研究者、学生と競い合って研究することで自分の研究者としての知識、研究力を高めたいと思ったからです。

成果

IMECでのインターンシップ中の研究成果を基に国際学術雑誌への論文投稿を行いました。その結果、日本の公益財団が実施する論文表彰において優秀論文賞を受賞しました。また、インターンシップ終了後にはアメリカの国際学会で発表を行いました。

ついた力

行動力

海外では親切な人が多く、自分の研究にも理解を示してもらえる環境でしたが、世界最先端の研究機関だけに、研究員は多忙で学生対応は後回しにされがちでした。その中で、必要なサポートを得るために、自ら積極的に声をかけ、意見や期限を明確に伝えるよう努めました。その結果、自分から行動を起こす力が身につき、以前よりも主体的に動けるようになりました。

今後の展望

本留学を通して、より一層で海外で働きたいという思いが強まったので、海外就職を考えながら研究を継続していく予定です。

留学スケジュール

2023年
11月~
2024年
10月

ベルギー(ルーベン)

半導体研究機関IMECで研究インターンシップを行っていました。IMECでの研究は、週5日 9時~18時(土日祝日休み)で実験を行っていました。実験には薬品を用いるので化学実験室かクリーンルームで実験をしていました。1日クリーンスーツを着て実験をしている日もありました。住居は、imecから徒歩5分ほどのKULeuven大学の学生寮に住んでいました。よくあるシェアタイプの寮でキッチン、トイレ、シャワーは共用でした。同じフロアーにはウガンダ、ボリビア、インド、パキスタン、中国、イギリスなど色々な国の留学生が住んでいて、人脈も広がりました。ちなみに、私は研究インターンシップが本留学の主目的であったため、現地のKULeuven大学に通うことはなく、授業も履修していませんでした。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

60,000 円

生活費:月額

30,000 円

IMECタワー
住んでいた学生寮
学生寮のルームメイトたち
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

60,000 円

生活費:月額

30,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

私は imec でのインターンシップに参加していましたが、学生ビザの関係で、ベルギー滞在中は KU Leuven 大学の学生としても登録されていました(ただし、KU Leuven で授業は履修していません)。そのため、KU Leuven が主催する学生イベントには数多く参加する機会がありました。
中でも特に驚いたのは、KU Leuven の各学部がそれぞれ自前のバー(クラブのような施設)を持っていたことです。KU Leuven の学生しか入ることができないこれらのバーでは、ベルギービールを学生価格で楽しめるなど、日本の大学ではなかなか考えられないユニークな施設でした。
私は他国の留学生たちと仲良くなり、夜な夜な集まってはベルギービールを飲み、踊って楽しんでいました。特に仲良くなった友人たちとは、隣国へ旅行したり、互いの家を訪ね合ったりと、非常に貴重な人とのつながりができました。日本に帰国した今でも、そうした友人たちとは連絡を取り合っています。
ビールが有名なベルギーでは、「ビールが人をつなぐ」という言葉がぴったりで、その文化に触れながら素晴らしい国際交流を経験することができました。

仲の良い留学生と学生バーにて
クリスマスの旧市庁舎

保険には入っておこう!

  • 生活 : 携帯

留学中にiPhoneを紛失してしまいました。結果的に手元に戻ってくることはありませんでしたが、iPhoneの保険に加入していたおかげで、紛失の翌日には日本の実家に代替品が発送され、そこから約1週間ほどで新しいiPhoneをベルギーで受け取ることができました。国によっては、現地のApple Storeでそのまま新しいiPhoneを受け取ることができる場合もあるようです。もちろん、紛失しないよう常に注意しておくことが最も大切ですが、万が一に備えた保険のありがたさを身をもって実感しました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

日本から見た海外と、実際に自分の目で見て感じる海外とでは、大きく異なることがあります。想像以上に素晴らしい経験ができることもあれば、期待外れに感じることもあるでしょう。しかし、それこそが実際に海外に行くことでしか得られない貴重な経験です。限られた情報にとどまらず、自分の目で確かめに世界へ飛び出してほしいと思います。