留学大図鑑 留学大図鑑

ふる

出身・在学高校:
長崎県立長崎西高等学校
出身・在学校:
宮崎大学
出身・在学学部学科:
農学部獣医学科
在籍企業・組織:


最終更新日:2017年10月23日 初回執筆日:2017年10月23日

食の安全を守る留学

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Canadian Food Inspection Agency
  • カナダ・イギリス・ベルギー
留学期間:
17ヵ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 4,040,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEIC 725点> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<TOEIC 955点>

留学内容

食の安全を守るうえで食中毒細菌への対処は重要なテーマである。今回の留学では欧米でのグローバルな食品衛生基準を学びつつ、食中毒への迅速対応という側面から食品媒介性病原細菌の検出法を研究するという目的でカナダ食品検査局(CFIA)を中心に3か国3機関に留学した。最初の17か月間はCFIAの研究所に所属し日本でもしばしば問題となるサルモネラ菌の迅速検出法について研究を行い、その後の3か月間をベルギー、4か月間をイギリスで過ごした。ベルギーでは世界基準の高度な食品衛生管理として認められているHACCPについて、その専門家の下で食肉衛生検査所でのフィールドワークも交えながら学んだ。イギリスでは日本でも主要な食品媒介性病原細菌であるカンピロバクターについて、食品と環境の関係を考えらながら研究を行った。

留学の動機

異文化への関心から留学には高校生のころから興味を持っていた。大学に入り専門分野を学びながら食の安全を守る獣医師としての立場を知り、また世界基準に対応した食品管理をしている欧米で食品衛生について学びたいという気持ちが強くなった。

成果

カナダでは17ヵ月という長期に渡って腰を据えて研究に集中できたため、自分でプロジェクトを持ち、研究計画から論文執筆までを中心として行うことができた。執筆した論文は現在、国際誌Canadian Journal of Microbiologyに投稿し、審査中である。また留学全体を通して世界基準の食品衛生管理体制に対応した食品用油工場や農場、食肉衛生検査所を訪れ、知見を深めることができた。

ついた力

感謝する力

留学を通して自分ではどうしようもない状況で他人に助けてもらうという経験がたくさんあった。そのような環境で他人にありがたいと思う気持ちが以前よりも増し、家族のサポートなど、留学前には当然のように思い意識できていなかったことにも感謝するようになった。

今後の展望

留学前は自分が自分の人生でやりたいこと、という観点から進む方向を考えることが多かったが、留学を経て社会に貢献できることをやりたいという気持ちが強くなった。留学を経て視野が広がったことで選択肢が増えたが、人の役に立つという軸を一本作ることができたと思う。

留学スケジュール

2015年
8月~
2016年
12月

カナダ(Lethbridge)

カナダ食品検査局で17ヵ月に渡り食品媒介性病原細菌の迅速検出法に関する研究を行った。病原細菌の研究プロジェクトに関わり、その研究室で主に行われているパイロシークエンシングの手法を学んだ。それに伴い全ゲノム解析技術などを用いた現在のゲノム研究の潮流を、様々なセミナーや文献、また実際のホールゲノムシークエンスデータを用いた遺伝子解析を通して学んだ。後半の約1年間で、その学んだことを活かしてデータベース上のホールゲノムシークエンスデータを用いながら自らのサルモネラ研究プロジェクトを計画し、パイロシークエンシングテクノロジーを用いてサルモネラの迅速検出法の開発を行った。その研究内容を国際誌に投稿した。私生活ではたびたび友人に誘われてカナディアンロッキーにハイキングに行った。日本では体験したことがないスケールの自然に囲まれてかけがえのない体験ができた。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

Waterton国立公園でのハイキング
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2017年
1月~
2017年
3月

ベルギー(リエージュ)

欧州では標準となっているHACCPを、その専門家であるリエージュ大学のKorsak教授の下で学んだ。現在日本においても欧州への輸出を視野に入れてHACCP対応の食肉処理場を設ける動きがみられているが、リエージュではKorsak教授に随行し、HACCP対応の食肉処理場を訪れた。私生活ではフランス人やベルギー人、モロッコ人などが共同で生活するフラットに滞在し、インターナショナルな環境で交流を楽しむことができた。滞在中に宮崎大学のフランス語教員や学生、トビタテ生と協力し「宮崎カフェ」と名付けたイベントを開催し、現地の人に宮崎の特産品を使ったお菓子を振舞い好評を得た。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

宮崎カフェで振舞った宮崎名物チーズ饅頭
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学中に手に入れた、今でも大事にしているもの

留学中に手に入れた人脈は今でも大切にしようと意識している。毎日一緒に過ごした研究所の仲間やお世話になった人や友人との繋がりはずっと続けていたい。彼らのおかげで研究所での生活や私生活を有意義なものにすることができた。彼らとつながりを持ち続けるためにも、近況報告は欠かさないようにし、いつかまた会うときのために英語の勉強も継続している。

研究室の仲間とのディスカッションの様子

現地日本人コミュニティとの繋がりを大切に。

  • 生活 : 治安・安全

私はカナダ留学中、本当に現地の日本人に助けられて生活していました。異国の地で知り合いが全くいない中頼りにできるのは同郷のよしみだと実感できます。(カナダ人が助けてくれない状況でも日本人の方が気にかけてくれて助けられた経験が多々あります。)留学中日本人と繋がりを持ちたいかは人それぞれだと思います。日本人との接触を断ち切り早く現地に馴染みたい気持ちもあると思います。そのような人も、特に現地の治安情報は、最初は日本人から聞くことをおすすめします。私が住んでいたカナダのレスブリッジは小さく、治安は良い街でしたがそれでも近づかないほうがいいエリアはありました。やはりその国で生まれ育った人が言う”安全”と日本人の感覚には違いがあるように感じます。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は滅多にない自分を変える/変わるチャンスだと思います。全力で飛び込んできてください。