留学大図鑑 留学大図鑑

まち

出身・在学高校:
長野県屋代高等学校
出身・在学校:
慶應義塾大学
出身・在学学部学科:
理工学研究科
在籍企業・組織:


最終更新日:2017年05月19日 初回執筆日:2017年05月19日

人生を180度変えた研究留学

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)・理学・数学・物理・化学・生物・地学
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Eindhoven University of Technology
  • オランダ
  • アイントホーフェン
留学期間:
5か月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 500,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

私は将来優れた機能をもつ高分子材料を創製することで発展途上国や高齢化社会を支えていきたいという思いから、オランダ アイントホーフェン工科大学の研究室で機能性高分子材料に関する共同研究を行いました。留学先の研究室では最先端の透過型電子顕微鏡技術を5ヶ月間かけて習得し、その技術を利用して高分子材料の機能特性とメカニズムの調査を中心に取り組みました。留学後1~2か月は研究プロジェクトについてのディスカッションを英語で行うことに苦労し、この先の研究の進め方に悩む毎日でしたが、友達の支えやコーチのアドバイスを得て自分から主体的に意見を伝えていくことで、徐々に成果を出していくことができました。プレゼンテーションのスタイル等も日本の研究室とは異なっていたため、試行錯誤を重ねながら研究成果を分かりやすくアウトプットする力を培いました。また、多様なバックグラウンドをもつ研究者とのコミュニケーションを通じて、課題に対する多面的なアプローチを考えて実行する力を養いました。さらに、毎週ある進捗報告ミーティングで発表を重ねることで英語力も上達していき、日本とオランダ双方のサポートを受けながら、最終的には2つの研究プロジェクトに関して論文を執筆できる研究成果を出すことができました。留学当初に予定していた国際学会に加え、オランダ化学学会においても研究成果発表をすることができ、とても貴重な経験となりました。

留学の動機

Eindhovenには電子顕微鏡等の科学機器を製造しているFEIの中心拠点があるため、世界でもトップレベルの解析技術を駆使した材料研究が行われています。私はTUeで最先端の透過型電子顕微鏡(TEM)を学び、その技術を生かした材料研究を行うことで、金属材料を凌ぐ新たな機能材料を研究・開発したいと思い、留学を決めました。

成果

材料化学に関する専門知識や、最先端の解析技術を体得することができました。さらに、著名な研究者とのディスカッションなどのサイエンスコミュニケーションを通じて、研究課題に対する多様なアプローチの仕方を学ぶことができました。透過型電子顕微鏡のワークショップや国際学会での発表を行うことで、研究成果を分かりやすく相手に伝える力を培いました。

ついた力

自ら考えて行動を起こす力

多様な意見を取り入れながら主体的に研究をリードする力がつきました。日本では言語の壁がないことや、慣れ親しんだ研究施設を使用しているため、実験を行うために苦労することがありませんでした。しかし海外では予想外の出来事やハプニングの連続です。それをどう乗り越えるか、どうやって周りを巻き込んでいくか、綿密な計画を練って周りに交渉していく経験が何にも代えがたい財産となりました。

今後の展望

今回の研究留学を通じて、研究の本当の面白さを知りました。今後も大学で研究活動を続け博士号を取得し、材料科学分野のスペシャリストとして世界で活躍する人材となりたいと考えています。

留学スケジュール

2016年
9月~
2017年
2月

オランダ(アイントホーフェン)

私は日本で行っていた機能性高分子材料の研究をそのまま続行するかたちで、オランダでは解析を主として研究活動を行いました。留学当初から最先端の透過型電子顕微鏡の観察技術および試料作製方法を体得するためワークショップへの参加や週何回か技術者の方と練習を重ね、最終的に一人でも観察が行えるまでになりました。ベーシックな電子顕微鏡技術の習得も並行して行い、さらに自分自身の研究プロジェクトを行っていたため、毎日朝から晩まで研究に明け暮れる日々でしたが、とても充実していました。分からないことが多くありましたが、インド人のポスドクの方が特に私をサポートしてくださり、順調に研究を進めることができました。留学先の研究室の教授と、日本の研究室の教授を交えてSkypeミーティングを行ったことがとても新鮮で、日本とオランダの人々双方の意見を取り入れながら新たなアプローチが見出されていくことが面白いと感じました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

毎日自転車で通ったTU Eindhoven
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学中に手に入れた、今でも大事にしているもの

右も左も分からない状態でスタートしたオランダでの研究生活は、落ち込むこともたくさんありました。特に、自分なりに頑張って準備して行った研究発表に関して、研究室のメンバーに「あなたのプレゼンは魅力がなくて聞いていて面白くない。」と言われたことが一番のショックでした。しかし、そこでめげずにアドバイスを求め、努力して改善を繰り返したことで、最後の成果報告では皆に素晴らしい発表だったと言ってもらいました。さらに、留学の研究室の教授には、「君はどこにいても立派な研究者として活躍できる。」と言ってもらえたことが、今でも頑張る駆動力になっています。

研究室のメンバーとのピザパーティ!

分からないことを聞く勇気をもつ!

  • 語学力 : 英語

ディスカッションやミーティングで聞き取れなかったこと、理解できなかったことはしっかり相手に聞き直すが大切です。それが研究をどう進めていくかのヒントとなり、信頼関係を築く一歩となるからです。最初は恥ずかしい気持ちがあり、英語を聞き取れないことで辛いと感じるかもしれませんが、分からなかったことをしっかりリスト化して聞き直すことで実りの多いディスカッションとなると思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

私は留学をして外の世界を見たことで、自分の進路が180度変わりました。
留学を終えて将来の夢ややりたいことがより一層明確になり、留学前よりも何倍も充実した生活を送っています。
是非みなさんも、もし少しでも留学に興味があるならば、チャレンジしてみてください。
かけがえのない仲間との出会い、新しい自分との出会いなど、素敵な出会いが待っているはずです!