留学大図鑑 留学大図鑑

はん

出身・在学高校:
岡山県立岡山朝日高等学校
出身・在学校:
京都大学大学院地球環境学舎
出身・在学学部学科:
環境マネジメント専攻
在籍企業・組織:
公務員


最終更新日:2017年08月21日 初回執筆日:2017年08月21日

村のゴミ問題解決を教育からサポート

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ボゴール農科大学
  • インドネシア
  • ボゴール
留学期間:
4ヶ月
総費用:
650,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 620,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
インドネシア語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 挨拶など基本的な会話ができるレベル

留学内容

都市化による問題に対し、分野横断的な環境という視点、その中でも教育という観点から解決の方法を探ることがテーマでした。ボゴール農科大学の教授をスーパーバイザーとして、大学発祥のコンソーシアムP4Wに所属してフィールドワークと活動の視察を行ないました。ゴミの不法投棄が問題となっている観光地の村々に行き、村人に状況をきいたりゴミ拾いに参加したりしながら状況を把握しました。問題の村がジャカルタへと続く川の上流だったため、下流のジャカルタ特別州の島にも行き、全体像をつかみました。コミュニティ内の問題を環境教育の面から考え、11月末には現地の小学校で六年生を対象にゴミ分別のレクチャーを行いました。自分で村や小学校との連絡をとり、授業内容やテキストは聞いたことや経験を元に自分で考え自作しました。教師からは子供達が改めてゴミ問題に取り組む良い機会になったと言っていただけました。P4Wは他にもいくつかフィールドを持っており、コーヒープランテーションを手がける村への視察に同行したり会議に参加したりしました。現地では会議で地方自治体や中央省庁の職員の前で自身の活動について発表する機会をいただいきました。帰国後、留学の研究内容をレポートにまとめ、教授及びP4Wの研究者に送付しました。現地では、常に現地の人の価値観や行動様式・習慣を意識し、現地語だけでなく体や感覚全てを使って現地に溶け込むよう努力しました。

留学の動機

北京に留学中、経済発展による環境破壊が起こり、それが人の生活を変えていることを知り、分野横断的な視点から現代社会の課題解決をしたいと思ったのがきっかけです。それに加え、もともと住んだことのあったインドネシアをよりよく知りたいという思いがありました。

成果

研究関係の活動は留学内容に述べた通りですが、他に現地の人と同じ生活を送りつつ各地を旅行してインドネシアを理解することができました。イスラム教の犠牲祭をモスクに見にいったり定員オーバーではないかというくらい人がぎゅうぎゅう乗るミニバンタクシーを使って渋滞にはまったり、現地の友人とまたその友人の家兼服工場に泊まったりを通して、文化的な不文律や現地の人の感覚を知りました。

ついた力

人に動いてもらう力

小学校でゴミの管理についてのレクチャーを開いたときのこと。中だるみの時期と重なり、焦りが生まれた時にはすでに相手が動く時間もあまり残っていない状況でした。しかし、そんな中連絡や相談をした相手がすぐに動いてくれ、関係者が行動してくれた結果、うまく開催することができました。この裏には、フィールドに定期的に行ったり他愛のない話をしたりしていたコミュニケーションがあったからではないかと考えています。

今後の展望

留学を経て、国同士で付き合う際にはやはりその現地の村々を回ることが国の本当の姿を知るために重要だと改めて感じました。これから海外と関わることもある仕事につきますが、〇〇国という名前や一部のエリートだけを見るのではなく、実際にそこで暮らす人々とその生活がどんなものかは意識し続けていきたいと思います。

留学スケジュール

2016年
9月~
2016年
12月

インドネシア(ボゴール)

研究面での取り組みは留学の内容にかいたため、日々の生活について述べます。大学にはバイクで一時間ほど離れたキャンパスが二つあり、所属するコンソーシアムと研究室が別々だったため、研究の進み具合によって二回引越しをしました。初めの一ヶ月は研究室近くの女子専用の寮のようなアパート(水シャワーのみ、洗濯機なし、洗面台なし、Wi-Fi繋がらず)、次の二ヶ月はゲストハウスのようなコンソーシアム近くのホテル(お湯シャワー、洗濯サービスあり、Wi-Fiなし、一部工事中)、最後に研究室近くの留学生寮(水シャワー、掃除・洗濯サービスあり、Wi-Fiなんとかあり)に住んでいました。食事は学食か近くのデパートのフードコート、屋台がメインでした。交通手段は乗り合いタクシーかアプリで呼べるバイクタクシー・カーシェアリングをよく使っていました。友人は研究室の現地の学生か同じトビタテ生が多かったです。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

100,000 円

生活費:月額

280,000 円

項目:研究費・渡航費遊興費

240,000 円

現地の小学校でレクチャーを開催する図
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

100,000 円

生活費:月額

280,000 円

項目:研究費・渡航費遊興費

240,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

イスラム教の文化を日々の生活の中で知り、感じることができたのは大きな経験でした。朝明け方に近場のモスクから流れて来るお祈りのお知らせ、1日5回の友人や研究員たちのお祈り、犠牲祭でモスクの前で多くの子供たちが見つめる中特別な方法でで殺された牛やヤギ、カラフルで安いヒジャブを色のバランスを考えながらおしゃれに着こなす学生たち、酒のかわりにコーヒーを飲み交わす村の人々・・・日常の中に、日本人である私と同じ感情や思考を持ちつつも確かに日本と違う習慣が息づき、その違いが何に由来しどう違うのか考えるきっかけとなりました。ごく一部を除き、インドネシアのイスラム教は他国と比較し穏やかなので、自分の中で違いを受け入れやすかったです。

犠牲祭が始まる前のモスク前

常に三種類の防犯意識を持つこと

  • 生活 : 治安・安全

ジャカルタは都市とはいえ、インドネシアはまだまだ発展途上のところが多く、治安がいいといえない場所も多くあります。私は以下の三つの防犯意識を常に持ち生活していました。①基本的な防犯意識:危ないところには行かない。日が落ちたら一人で出歩かない。特に一人の時は常に荷物と周囲の人の動きを意識する。ニュースをチェックしデモの日程や政治情勢を把握する。外資系・高級デパートや空港にいる時はテロや爆発の可能性があることを意識しておく。リュックは背負わない。携帯電話はなるべく外で使わない。財布は外で出さず、取られた場合を考え金銭を小分けにして持っておく。お釣りは確認する。②イスラム教と関連する防犯意識:女性は長袖長ズボンや長いスカートをはき、肌を露出させない。男性には必要以上に関わらず、プロフィールも言わない。特にムスリムの人が多く治安があまり良くないところでは中ではヒジャブを持ち歩いてもいいかと思います。③日本人であることに関連する防犯意識:日本人とむやみに言わない。日本統治時代の話を自分から出さない。これは金持ちとみられると危ないことと特にお年寄りの方や日本統治時代の遺物が残る地域では日本に対して良い感情を持つ人ばかりではないからです。日本で持っている防犯意識とはまた違う種類の防犯意識が必要になってくるので、初日から気を抜かないことが大事です。

これから留学へ行く人へのメッセージ

私はもともと留学に憧れつつも自分よりすごい人がやるものだ、と自分の限界を自分で決めてしまっていました。しかし、いざ勇気を持って一歩を踏み出すと見える世界も関わる人々もぐんと広くなった生活が待っていました。日々生活する中で、何か一つの着眼点でもいいので意識してみてください。旅行で来るのとはまた別の視野を手に入れられるはずです。