留学大図鑑 留学大図鑑

関根將弘

出身・在学高校:
国立東京工業大学附属科学技術高等学校
出身・在学校:
東京理科大学・東京理科大学大学院
出身・在学学部学科:
工学研究科経営工学専攻
在籍企業・組織:
東京理科大学大学院


最終更新日:2021年03月22日 初回執筆日:2021年03月22日

航空渋滞撲滅!大作戦

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • German Aerospace Center, Institute of Flight Guidance, Controller Assistance
  • ドイツ
  • ブラウンシュヴァイク
留学期間:
12ヶ月
総費用:
2,170,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,170,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEIC 765点> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEIC 850点>

留学内容

今回の留学テーマは私が学部から大学院修士課程にかけて取り組んでいる航空機の渋滞をなくすというものでした。日本だと羽田空港など世界にはハブ空港と呼ばれるたくさんの航空機が集まってよく混雑する空港が必ずあります。この混雑を遠方で時間予測をしながら解消するための研究をしていました。
留学先はドイツ航空宇宙センター(Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt)という世界でも少ない航空交通の研究を行う研究機関。ここで1年間じっくり研究へ打ち込むことができました。
現地ではメンバーの一員として、遠くにいる飛行機の到着時間を統計的に予測しながら速度制御するというコンセプトを、高速シミュレーションで検証する仕事を任されました。
また、並行して、管制官とパイロットのやり取りをリアルタイムに模擬できるシミュレーション環境を作ることにも携わりました。
COVID-19で途中帰国し、論文誌にまとめるところまではできませんでしたが、研究所の内部文書にまとめて、後続の研究へ貢献しました。

留学の動機

学部2年次アメリカへ短期で留学したときに、広大な研究環境や現地の学生が活発に議論する姿を見て、自分も将来グローバルに活躍したいと漠然とした憧れを持ったことが最初のきっかけです。その後は、研究留学するという思いから、再度語学留学したり早期から研究に着手したりしてきました。そして、今の研究室との共同研究プロジェクトで航空交通専門の先生と出会えたことがきっかけで留学先と繋がり、今回の留学が実現しました。

成果

さすが国の研究所なだけあり、絶対誰もやらないような冒険的な研究に取り組ませてもらいました。まだ誰も挑戦したことのない研究開発を通して、ワクワク感を味わったり、創造力を鍛えることができました。
またCOVID-19で途中帰国し挫折しかけた経験から、何事もいつ終わっても良いくらい全力で取り組む大切さを痛感しました。

ついた力

行動力

研究に行き詰まって方向性を見失う中、知識や準備不足でプレゼンに失敗した経験がありました。その時、プロジェクトメンバーの間でアイデアが凝り固まっていたことに気づきました。そこからは、部署の色んな人と積極的に日程調整して自分の研究の話を聞いてもらうなど積極的に行動できる自分に変わることができました。

今後の展望

今後は、まず所属する大学院の修士課程を修了した後、博士課程へ進学したいと考えている。そして、将来は航空交通の研究者として、航空機の渋滞を解消する研究に引き続き従事することで社会貢献していきたい。

留学スケジュール

2019年
9月~
2020年
8月

ドイツ(ブラウンシュヴァイク)

ドイツ航空宇宙センターで1年間航空機の渋滞を解消するための研究へ行いました。
写真にある通り、最先端の海外の研究所と言いつつもかなり古い建屋で研究をしていて、最初に研究所に訪れたときは意外性を感じてすごく驚きました。
現地では、プロジェクトメンバーとして、遠くにいる飛行機の到着時間を統計的に予測しながら速度制御するというコンセプトを高速シミュレーションで検証する仕事を任されました。
また、並行して、管制官とパイロットのやり取りをリアルタイムに模擬できるシミュレーション環境を作ることにも携わりました。
留学中は同じ研究所の同僚の家にホームステイさせてもらいました。同僚には研究面だけでなく、日常生活を送る上でも大変お世話になりました。またこの同僚とは毎週水曜日にホッケーで体を動かし、プライベートでも楽しく過ごしました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

42,000 円

生活費:月額

25,000 円

項目:旅費等

1,366,000 円

研究所建屋の外観
同僚夫妻との最後の晩餐(COVID-19による緊急帰国前)
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

42,000 円

生活費:月額

25,000 円

項目:旅費等

1,366,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

自分の研究について一番議論したプロジェクトメンバーには感謝してもしきれません。自分の研究が煮詰まっていることをすごく気にかけてくれました。研究の方向性を見失いそうになったときそばで支えてくれたメンバーと一緒に研究プロジェクトに携われて、すごく良い経験になりました。

特にお世話になった同僚とのお別れ写真

VISAの申請は早めに!

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

タイトルの通り、VISAの取得のために早めに行動することをおすすめします。
ドイツでのVISAは現地でも取得できますが、日本にいる間に取得するほうが留学活動に集中できると思い、私は日本で申請しました。申請に必要な書類がいくつもあり、それらを手に入れるために留学先と何回もやり取りする必要がありました。また、どうやって申請すれば良いのかわからなかったため、トビタテの先輩に相談し、結局、大使館に問い合わせれば良いということがわかりました。ただ、申請する際にも日程の来訪予約が必要であることが判明し、気づいたらそこまで余裕がないことが判明し、肝を冷やす経験をしました。結局、多くの方の支えが有り、渡航数日前にギリギリVISAを取得することができました。
VISA申請に必要なプロセスを必ず徹底的に調べることをおすすめします。

留学前にやっておけばよかったこと

もっと留学先で行う研究について理解を深めるために、関連研究の論文に目を通したほうが良いと感じました。語学力に関しては伝える努力をすれば何とかわかってもらえますが、そもそも自分の中で考えが固まっていなければそれすらできません。もし現地で行うことがわかっているのであれば、留学先に関連する資料(論文など)について問い合わせることをオススメします。

留学を勧める・勧めない理由

現地では「自分が人生で遂げたいことは何か、ワクワクするものは何か」という視点で研究者を選択するという人が多く、この異なる価値観を持つ人たちと交流し、自分の将来のキャリアを考えるのに良い刺激になりました。
人生一度きりの中で自分が将来本気でやりたいことを探すのに絶対に良い機会になると思うので、留学をおすすめします!

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学することに不安を感じ、一歩を踏み出せないかもしれません。
失敗するかもしれない、挫折するかもしれない、大変な思いをするかもしれない。
不安要素を挙げれば数え切れないと思います。
でもこれら全部が「経験」であり、人生の財産、一生の宝になる可能性を秘めています。
ほんの少しの勇気を出してみてください!