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重政海都

出身・在学高校:
都立青山高等学校
出身・在学校:
横浜国立大学大学院
出身・在学学部学科:
理工学府機械・材料・海洋系工学専攻
在籍企業・組織:

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最終更新日:2021年04月08日 初回執筆日:2021年04月08日

エネルギー最前線:水素の可能性を探求する

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ユーリヒ総合研究機構(Institute of Energy and Climate Research)
  • ドイツ
  • ヴェストファーレン州
留学期間:
12か月
総費用:
2,170,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,170,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<785> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<860>

留学内容

"”日本のエネルギーの将来を考える”というテーマで、再エネ先進国であるドイツの国立研究所での長期インターンシップを行いました。
近年問題視されているエネルギー問題の打開策として、新しいエネルギーとしての水素が注目を集めています。水素は二酸化炭素を排出することなくエネルギーを生成することが可能であり、エネルギーデバイスである燃料電池は一部商用化されています。しかし、普及の初期段階であり解決すべき課題は山積されているのが現状です。私はこの課題のブレイクスルーを、再エネの普及率が世界で最も高いドイツで見つけ日本に還元することをモチベーションに、ドイツの国立研究所でのインターンシップを行いました。この研究所には、水素分野でも著名で国際ワークショップでも議長を務める先生がいらっしゃり、彼の研究室に在籍し、共同研究を行いました。

留学の動機

日本で深刻な問題とされているエネルギー問題の解決策を、再エネ先進国で考えたかったからです。日本のエネルギー問題は二酸化炭素排出や自給率の観点から看過できる状態ではなく、解決が急がれる分野と考えます。そんな状況で打開策を考えるために、”再エネ先進国”と言われ、国内発電割合において再エネ導入率が世界で最も高いドイツに自ら赴き、技術・マインドを学びたいと思ったのがきっかけでした。

成果

当初の計画では、1年間の共同研究の成果を共著での論文にする予定でした。実際に何もない状態からスタートし、教授陣とのディスカッションを経て研究テーマの策定を行い、実験施設の立ち上げまで完了しました。そして論文執筆に向けて実験を開始するタイミングで、新型コロナウイルス感染拡大によって留学は中、一時帰国を余儀なくされました。しかしその後もオンラインでの共同研究を継続し、学会発表に向けた研究をしました。

ついた力

多様性を容認する力

本当にいろんな人がいる中で研究をするうちに、みなそれぞれの背景をもって動いていることがわかりました。これは多様性を容認する文化が浸透しているドイツではもちろんのこと、日本でも同じことが言えると思います。そんな状況で誰かの協力を得て目的達成するためには、誰が正解で誰が間違っているということはなく、みんな正解であるということを認めたうえで、協力することが重要であると学びました。

今後の展望

自分の専門性を高めつつ、留学体験をより多くの人に広めていきたいと思います。日本にいるうちに私が気づくことができなかった、”多様性を容認すること”と、”その中で自分は自分らしくいていい”ということを自信をもって言えない人に、自分の経験を語ることで少しでも自信を持てるようにサポートしてあげたいです。

留学スケジュール

2019年
9月~
2020年
3月

ドイツ(ヴェストファーレン州ユーリッヒ)

再エネ先進国:ドイツのエネルギー事情を、研究所での長期インターンシップを通じて学んだ。日本の大学院で行っていた水素の研究をドイツの研究所と共同で行うことでより専門的な知見を得ることにつながった。また、現地での生活において学生や社会人など、様々な人と意見交換する中で、一般市民がこの課題にどのように向き合っているかを肌で感じることができた。最も印象的だったのは現地の人との意見交換のシーンで、多くの人がまるで自分の問題かのように議論をしていたのがとても新鮮だった。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

クリスマスマーケットでの研究室のメンバーとの一枚。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

留学中に手に入れた、今でも大事にしているもの

現地で研究を進める中で、私がお願いしたことをやってくれなかったり、打ち合わせの予約をスキップされてしまったことがあり、自分が想定していた計画通りに研究が進まないことがありました。そこで私は馬が合わない同僚をランチに誘い、仕事に対するモチベーションや求めるものをヒアリングしました。するとそこには多様な価値観がありました。一方では、”研究はほどほどに、プライベートを最優先にしたい”という理由で、午前中にはオフィスを去ってしまう人、また他方では、”再エネ100%を実現するために研究をやめるわけにはいかない”と、日本人の私より真面目に研究をするドイツ人など。それぞれがそれぞれの価値観をもって生活をしていて、そこに優劣はない、と身をもって学びました。そしてそれは日本でも同じことだな、と強く思うこの頃です。

気持ちが通じない人でも、スポーツを通じて仲良くなれると実感。

世界では、修士課程と博士課程の認識の違いは大きい!

  • 留学先探し : 大学院

私が留学受け入れ先として決定した国立研究所では、修士課程でのインターンシップでは必要なものがとにかく多く、それらをそろえるところで手続きが滞っていた時間が長かったです。例えば、① 現地の大学での学生証(現地で認められた学生でないと研究をするインターン生としては受け入れてもらえない)、② 現地大学での受け入れ先研究室(手続き上、現地の大学からの派遣という形をとらないと受け入れてもらえない)、③ 研究所での受け入れ先研究室(修士課程の学生は博士課程のアドバイザーがいないと研究ができない)、などなど。 なかなか手続きが進まない中、”博士課程学生としていくのはどうか?”という提案をしたところ、二つ返事でOKをもらうことができました。”研究遂行能力”という観点で、修士/博士課程の認識の違いを目の当たりにした瞬間でした。日本では気づきにくいこの認識の違いは、海外に出た瞬間に当たり前ではないということを多くの人に伝えたいです。

留学前にやっておけばよかったこと

留学先での生活をヒアリング等を重ねることでシミュレーションしておけばよかった、と思います。”行ってみればなんとかなる”は、なんとかなりません(実際になんとかなるまですごい苦労しました・・・)!入念の準備を。

留学を勧める・勧めない理由

僕は留学を勧めたいです!自分は自分でいい、日本にいるだけでは気づけなかった価値観に気づけたことは自信につながったし、より多くの人に体感してもらいたいと思うからです。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学生にとっては大変なご時世になってしまいましたが、あなたは一人ではありません。留学大図鑑に載っている先輩、私、その他にも既に留学に行った先輩が日本全国にいて、あなたに情報をくれるはずです。その情報はきっとあなたの味方になってくれるはずです。一人で悩まず、誰かに相談することで自信につなげてくれると嬉しいです。