留学大図鑑 留学大図鑑

阿品茉倭

出身・在学高校:
洛南高等学校
出身・在学校:
出身・在学学部学科:
在籍企業・組織:


最終更新日:2024年01月18日 初回執筆日:2024年01月18日

「生理の貧困」を変えよう!

留学テーマ・分野:
短期留学(3か月以内、語学・ボランティアなど各種研修含む)・海外ボランティア
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Projects Abroad
  • ネパール
  • チトワン
留学期間:
1か月
総費用:
620,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 270,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

今、世界中で生理の貧困が問題になっている。これには様々な種類があり、経済的または家庭的な事情で生理用品を手に入れられない人や風習的に不浄とされてしまう国、そもそも鎮痛剤を知らない人もいる。とりわけネパールにおいては、ヒンドゥー教の教えにより苦しんでいる人がいる。しかし日本ではこういった事情はあまり知られていない。そこで留学先における生理の環境や日本との認識の違いを知り、何が普通とされていのか、どこまでが常識なのかを、アンケート調査した。調査場所としては、多様なバックグラウンドを持つ人が集まる病院を選んだ。それに加えて、自由時間にはホストファミリーがホームレスの方のコミュニティに連れて行ってくれたので、交流を通じて調査した。

留学の動機

生理の貧困という問題には中学生の頃にはじめて触れ、調査を進めるうちに日本にいては絶対に触れることのできない慣習がネパールにあると知った。それを知って驚いたがそれ以上に、日本ではこのようなことが未だにタブー視され報道されにくいためにさらに知らない人が増える、という悪循環を断ち切りたいと思った。その一歩として、自分で現状把握をしたいと思い、ネパールへの留学を決めた。

成果

経済面と宗教の面の双方からアンケート調査を行った。実際にはヒンドゥー教の慣習が残っているという人は少なかったが、取り残されている人がいる、ということが問題なのだと感じた。さらにホームレスのコミュニティにお邪魔した際に生理についても伺った。そこに暮らす女性は成長すると薬を飲んで生理を止めてしまうそうだ。幼い女の子もいて、これからそうなるのかもしれないと思ったが無力な自分に焦れったい気持ちだった。

ついた力

視点を変える力

現地では計画が上手くいかなかったことや、予想外のデータに向き合わなければならないことがあった。そんな中でたくさんの人に出会い、助言をいただくうちに、一つのデータからたくさんの見方ができるということに気づいた。何事でも仮説がすべて上手くいくことは絶対にないはずで、思い通りにならなかった時にその要因や違う考察を瞬時に考える、ということができるようになったと思う。

今後の展望

私は世界が「公正な」社会になるよう望み、生理の貧困から考察した。ジェンダー平等の意識が大きくなってきた昨今、男性との格差について考える上で女性に限らず皆に関係のあることだと考えたからである。今回の留学を経て、生理の貧困の状況が国家規模では改善しつつあるように感じた。一方で改善の動きに乗ることができていない人もいるので、そのような人に手を差し伸べるために自分なりの角度で問題の解決に着手していきたい。

留学スケジュール

2023年
7月~
2023年
8月

ネパール(チトワン)

平日は病院で研修をしながらドクターやナースの協力を得て、アンケート調査を行ったり、小学校での公衆衛生指導をしたりした。休日や自由時間にはホームレスの方が集う場所に連れて行ってもらい、交流を通して調査をした。日本文化を広める活動では外国人留学生やホストファミリーに日本のお菓子や扇子をプレゼントしたり、ホストファミリーと一緒に折り紙をしたりした。

費用詳細

学費:納入総額

350,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:外食、お土産、観光代

40,000 円

ホームレスの方が集う場所
外国人留学生と
費用詳細

学費:納入総額

350,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

項目:外食、お土産、観光代

40,000 円

スペシャルエピソード

この国のことが、とても好きになった瞬間

今回の留学を通してネパールへのイメージが完全に変わった。ネパール人は人情がとても温かく、初対面でも気軽に接してくれる。また、少し話しただけでも友達だと紹介してくれたり、何か困ったことがあったら親身になって助けてくれたりした。経済面では日本よりも貧しいと言えるかもしれないが、決して不幸なのではないということを感じることができた。どこか質素な生活でもその状況で最大限に楽しむ、というのは時間に追われる現代の日本人に足りない考え方なのではないだろうか。

ホームレスのコミュニティに受け入れていただいた

常備薬が効くとは限らない。

  • 生活 : 病院

到着して10日程経ったある日のこと。ご飯を食べてシャワーを浴びしばらくすると激しい嘔吐に襲われました。そこで日本の薬を飲んだものの全く効かず、同じボランティアの仲間が食中毒になったときに使っていた薬もほとんど効かず・・・結局深夜に病院に連れて行ってもらい、点滴をしてもらいました。体調不良など、何かあったらすぐに他の人を頼ることが本当に大切だと思います。あの時はルームメイトが落ち着いてエージェントさんに連絡してくれたのが救いでした。まじでありがとう。

点滴の痕。かなり痛かった。

留学前にやっておけばよかったこと

留学、特にアジア・アフリカ諸国への留学を考えている人は、現地に到着した途端からかなり珍しい人として見られます。日本についていろいろ聞かれることも多いと思うので、何か日本に関して紹介できることを探しておくことをおすすめします。私は特に音楽や芸術などの文化について聞かれたことが多かったと思います。また逆に現地の文化や流行りについても多少勉強しておくことで、会話についていくことができるのでおすすめです。

留学を勧める・勧めない理由

「留学」で得られることはたくさんあります。しかし折角留学をするなら「目的を持った留学」というものについて考えてみてはいかがでしょうか。些細な疑問や目標にあえて着目し、何らかの仮説を立て、現地でそれを検証する。帰国したら考察をし、その結果から新たな問いや目標を見つける。このようなサイクルを回し続けることで、留学を切り取られた思い出で終わらせず、人生を通した経験としてより良いものになると思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

日本で普通に生活している人にとっては、異国に到着した直後から驚きと発見の連続だと思います。日本の常識は全くと言っていいほど通用しません。しかし、そんな生活に適応しようとすることで、留学が充実していたと感じられるのではないかと思います。異国の良いところ、日本には無いところを見つけて楽しんでいただきたいです。出会うもの全てがかけがえのないものとなります。1日1日を大切に。ぜひ、楽しんできてください!