フィリピン(セブ島)
◯活動した場所は主にスラム地区(シティスラム、海上スラム、墓地スラム、山村集落、マーケット、ゴミ山コミュニティ)でした。他には、孤児院に2回、障がい者施設へ1回訪問しました。
・スラム地区ではインタビュー、子どもたちとの交流、食事提供などを行いました。子どもたちはみんな元気で、明るくて、活発でした。一緒に遊んだ後、「お金ちょうだい?」や、「このおもちゃちょうだい!」と、とにかくものを欲しがられました。同じプログラムに参加していた人が「どうしてほしいの?」と聞いた時にそれを売ってお金にする、と言う答えを聞き、貧困問題の現実を突きつけられました。また、たくさんの人にインタビューする中で一番印象に残ったことがあります。それは、もしたくさんのお金を得ることができたら何をしたい?という質問に対し、食べ物や、物がなかった時の苦しみを知っていて、その気持ちを他の人になってほしくないから、お金に困っているから貸してほしい、という人に貸してあげたい、と回答されたことです。
・孤児院(兼高齢者が集まる場所)では、子どもたちと遊んだり、高齢者の方への食事配膳の手伝い、子どもたちのお祝い事の時に渡すカードの表紙の絵を描いたりしました。二回目に孤児院に訪問した際、「あなたは絵が上手だったね」と言われ、今度は新聞にある挿絵を描いてほしいと言われました。その絵は難しく、「これは難しすぎるよ」と言ったところ、「大丈夫だよ!あなたは絵が上手だもの」と返され、一時間ほどかけて完成させた絵を「Beautiful 」と褒めてくれた時は嬉しかったです。
・障がい者施設では、お金がなくて施設に子どもを預けることができず、親に捨てられてしまった人々が暮らしていました。大人のいる部屋では大きな声で何か叫びながら私の腕を引っ張り、部屋のあちこちに連れ回されました。その後に一緒にお絵描きもしました。最初は怖かったですが、楽しそうに笑っている姿を見て、あぁ、私たちと何ら変わりのない人たちなんだな、と思い、同時に無意識に障がい者と健常者を区別して考えていた自分がいるのだと気付きました。また、別の部屋では、高校生と同じくらいの年齢の人たちが、身体の不自由のため自分で動くこともできず、一日中ベッドの上で過ごしている姿を見て、生きる、ということは何だろう、と考えさせられました。