留学内容
留学全体のテーマは、ブラジルにおける日系人とその文化と言えます。私は研究者の卵として頭で理解するだけでは頭でっかちになってしまうと思い、実践者として身体で理解することに取り組みました。身体を通じた理解として、渡航前に二つのボランティア活動を予定していました。まずはブラジルに渡った日本人移民の研究機関で資料整理のボランティア活動を行ないました。資料館で実際に本の背表紙や時には中身を読みながら、日本人移民が遺した資料についての理解を深めました。二つ目に、またブラジルの日系社会は各県人会を持っているのですが、なかでも愛媛県出身の愛媛県人会にコミットし、現地で設立七十周年の記念式典にスタッフとして参加しました。高齢化が叫ばれて久しいブラジルにおける日系社会の現在を、三世・四世の若手が積極的に参加する愛媛県人会という視点から伺い知ることができました。加えて、これは渡航前には予想もできなかったことですが、現地で縁があった二つの俳句グループに参加し、私自身も日本語とポルトガル語それぞれで俳句を作るという経験ができました。(※私の研究テーマはブラジルにおける俳句文化についてです)。頭での理解としては、具体的には修士論文の執筆を進めました。具体的には執筆内容の方向性が決め、月に一回日本のゼミに参加して進捗報告兼発表を行ない、ブラジルの大学の教授等にアドバイスや面談を依頼し、研究資料の収集に励みました。留学の結果としては、やはり現地で身体を使って、色々な場所に飛込んだことで、知識や経験や人との繋がりを得られました。