留学大図鑑 留学大図鑑

中山璃乃

出身・在学高校:
大阪府立水都国際高等学校
出身・在学校:
出身・在学学部学科:
在籍企業・組織:

ボランティア留学、発展途上国への渡航などに関する相談やご質問等がある方、環境保護・教育などの分野で悩んでいる方はぜひご連絡ください!


最終更新日:2024年07月12日 初回執筆日:2024年07月12日

発展途上国でチャイルドケアと環境保護活動

留学テーマ・分野:
短期留学(3か月以内、語学・ボランティアなど各種研修含む)・海外ボランティア
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • Project Abroad
  • エクアドル
  • ガラパゴス諸島
留学期間:
3週間
総費用:
1,030,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 370,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<英検2級> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<英検準1級>

留学内容

南米のガラパゴス諸島に位置するサン・クリストバル島で環境保護活動とチャイルドケア活動をメインにボランティア留学に行きました。環境保護活動では、絶滅危惧種に認定されているガラパゴスゾウガメのエサや住処のお世話をしに、週に2回ほど保護施設に通いました。また、島内の人の手が届かない場所へのゴミ拾いやビーチの清掃なども行いました。チャイルドケアにおいては、学校や施設で4歳から17歳程度の子供達に向けて、日本の文化に関する授業をしたり、ワークシートを使った授業などをメインで活動しました。加えて、公共の公園の整備やペイントも行いました。

留学の動機

以前から留学には関心があり、そんな中で留学の情報を探している時にボランティア留学を見つけました。もともとは語学留学しようと考えていましたが、理想の留学像とマッチしなかったため自分が本当にやりたいことを考えていた時に、このガラパゴスでの留学プログラムを発見しました。留学に行くに当たり頭を抱えることもありましたが、関心の深い自然環境などの社会問題に貢献したいと思い、留学を決意しました。

成果

現地で出会ったボランティア仲間達と共に授業をしていく中で、多くのガラパゴスの子供達に日本への興味を持ってもらえたり、厳しい環境の中でも保護活動に注力していたために、周囲の方からの感謝の言葉をいただけました。すごくやりがいを感じましたし、自分自身も社会問題ということについて深く考えるきっかけになると同時に、今回の留学を通して自分の将来への道がだんだんと明確になってきました。

ついた力

コミュニケーション力力

ありがちですが、いわゆる「コミュ力」です。ガラパゴスに留学するというまたとない絶好の機会で、英語やスペイン語が分からなくても、自分の目の前にいる人と会話をしたいという思いがとても強くありました。下手くそでも間違っていても自分の意見を伝える必要性を理解し、断るときには遠慮なくNOと言える力がつきました。どこの国のどんな立場の人であっても、誰かと言葉を交わせたら「話せてよかった」と思えました。

今後の展望

高校卒業後は大学進学予定です。ガラパゴス留学を通して、社会問題に貢献できる喜びと、真剣に向き合うべき課題が自分の中で徐々に形作られてきました。そこで、社会問題に対するアプローチの仕方を中心に学びたいと考えています。将来は国際機関で働くことと、新たなNPOを立ち上げるということにとても関心が湧いてきたので、その中で自分がどんな分野で社会貢献を行っていきたいのか試行錯誤していきます。

留学スケジュール

2023年
7月~
2023年
8月

エクアドル(ガラパゴス諸島)

私は、南米エクアドルに位置するガラパゴス諸島のサン・クリストバル島へ夏の3週間、ボランティア留学に行きました。私はそこで、日本・アメリカ・スウェーデン・スペイン・オランダなど世界各国から集まったボランティアメンバー達と共に環境保護活動とチャイルドケア活動に従事しました。最初の2週間は同年代の多国籍なメンバーとホストファミリーの家に滞在し、最後の1週間は年齢に関係なく全てのメンバーと寮に滞在しました。
環境保護活動では、絶滅危惧種に指定されているガラパゴスゾウガメの保護施設で餌を与えたり、住処の掃除などを行いました。また、ジャングルの奥深くのビーチまで数時間ほど歩き、ゴミ拾いをはじめとする清掃などにも取り組みました。すれ違う人々から感謝の言葉をいただけたり、汚染されていた自然環境が少しずつ綺麗になっていく様子から、すごく達成感を味わえたし、ボランティアは有意義な活動であるということを再認識できました。
チャイルドケア活動では、サン・クリストバル内の学校やオフィスで日本文化の伝授を中心に授業をしました。4歳ほどの小さな子供から自分より年上の子供まで、たくさんの現地の子供達と関わることができました。特に、折り紙講座や着付け体験が人気だった印象があります。地球の裏側にある日本の文化に多大な興味を示し、たくさん質問をしてくれた生徒もいてくれたことは、とても嬉しかったです。日本とガラパゴスの子供が受けられる教育の質の差に驚きつつ、日本で生まれ育ったことに改めて感謝しました。さらに、生徒達と授業を通して直接関わるだけでなく、子供達が使用する島の公園の整備にも携わりました。腐敗を防ぐために、ペンキなどでコーティングしたりしたことで、少しでも長く使用できる公園作りに貢献できたことを悦ばしく感じました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

420,000 円

生活費:月額

100,000 円

項目:渡航費

510,000 円

折り紙講座では苦戦しながらも綺麗な鶴を折ってくれました。
見た目の数倍重いゾウガメの餌を施設まで運びました。
活動の合間に見える大自然が本当に壮大で圧倒されました。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

420,000 円

生活費:月額

100,000 円

項目:渡航費

510,000 円

スペシャルエピソード

留学中に、自分を勇気づけてくれたモノ・コト

今回の留学は私にとって初めての挑戦で、留学先もガラパゴス諸島という日本とは全く違う環境の中での生活でした。たったの3週間でしたが、途中で日本が恋しくなったり、上手くいかないことや、肉体的にも精神的にも辛く感じたりもしました。そんな時に私を元気づけてくれたのは、友達がくれた応援メッセージの動画やたくさんの手紙です。「大変なことも多いと思うけど、頑張れ」「元気に帰ってきて」などと励ましの言葉を聞く度に、せっかく留学に来れたのだから、悔いのないように一生懸命頑張ろうと何度も思い直させてくれました。落ち込んだ気持ちになるといつも、手紙や動画を見て気持ちを切り替えました。初留学を振り返ってみると、お湯の出ない水シャワー、虫に噛まれすぎて寝れない夜、伝わらないスペイン語、洗濯機が使えなく手洗いでの洗濯、日本食のない生活、現地まで丸2日かかるたった一人での渡航など、思い返してみればしんどかったことも多くありました。それでも無事に帰国することができ、最後までやり遂げられたことに、これまでにないほど大きな達成感を感じました。そして、今回の挑戦は自分だけで達成できたものでは決してなく、親や友達、スタッフの方々、他のボランティアメンバーなど多くの人達からの支援があったからこそ実現できたものだと、改めて感謝の気持ちを感じました。

洗濯機が使えない時もあったので手洗いで服などを洗いました。
整備されていない道が多く、乗り物酔いは何度も経験しました。
飛行機の乗り継ぎのため空港で半日以上待ったこともありました。

環境保護をメインの活動で留学したけど帰国後は教育系へ!? 帰国後から携わっているNPOについて

  • 帰国後の進路 : その他(インターンシップなど)

私の留学は、ガラパゴス諸島で行う環境保護活動をメインで派遣されました。しかし、いざ現地へ行って活動していると、現地のスタッフの人でさえ、目の前にあるタスクに追われていて根本的な解決法がないように感じました。このままずっと同じことを繰り返していたら、ボランティアの人手を借りて一時的に良い状態にさせることはできても、継続させることはできないのではないかと思いました。そこで、お世話になった現地のスタッフの方に「だから教育は大切なんだ」と教えてもらったことが、教育への関心がより高まるきっかけとなりました。これらの経験より、帰国して数カ月後からNPO法人ニランジャナセワサンガという団体で、インドの貧困地帯(ビハール州のスジャータ村)に教育支援や就労支援をする活動を行っています。セワサンガは、現地にニランジャナスクールとビームスクールという2つの学校を設立しました。都市部では、科学技術による発展が凄まじいエリアもある中、郊外では学校に通えない子供達もいます。そんな中でも現地の人々が自分達の手で、資金調達をはじめ必要なものを手に入れられるシステム作りに携わっています。20年以上続くこの団体の中で、様々な経験を積んだメンバーの方々と共に社会貢献することへの喜びを感じつつ日々たくさんのことを学びながら活動をし、「教育の改善は、社会課題解決の上で非常に大きな鍵となる」と感じています。インド現地の子供達が学校に通えたために、大人になってからしっかりと職に就けている人などを見ていると、この活動の有意義さを感じると同時に、自分が生まれ育っているこの環境がいかに素晴らしいものであるかを実感させられます。私のように、やりたいことを自由に選択することができるような人が少しでも多くなることを切望しています。

インドと日本がオンラインで繋がり、イベントが開催されました。
ニランジャナスクールの外観とここに通う子供達の様子です。
現地の子供達が教室で授業を受けている時の様子です。

ガラパゴスで英語は通じない?スペイン語圏での生活

  • 語学力 : その他の言語

「留学に行く」と聞くと英語圏での生活を想像される方も多くいると思いますが、実際には他の言語が共通語となっている国に留学へ行く人もいますよね。私もその一人で、留学先のガラパゴス諸島はエクアドルに位置するので、スペイン語でした。もちろんスペイン語を勉強したことなんて一度もありません。滞在先のホストマザーも町の人達も英語を話せる人はほとんどいなく、話せるのはエージェントのスタッフの人や他のボランティアメンバーのみでした。私は留学が決まった後すぐに、ホストファミリーが英語を話せないという情報を得たので、すぐに本屋さんへ行き初心者向けのスペイン語の参考書を一冊買いました。学校の勉強やその他の活動をしながら、時間を見つけてそれを読み、簡単な挨拶と自己紹介はできるようになりました。しかし、いざ現地へ行ってみると日常生活に必要な会話も全く成立しないし、スマホにある翻訳機で音声機能などを利用して伝えたいことを話していました。直接コミュニケーションを取れないもどかしさもありましたが、英語もスペイン語も話せる同じボランティアの仲間に助けてもらったり、ジェスチャーを交えて話していました。語学は完璧でなくても、伝えようとする姿勢があればきっと相手も聞いてくれようとします。笑顔で話したり、私の場合は食事を毎食作ってもらっていたので、ご飯をもらうたびに「ありがとう」「美味しかったよ」などという感謝の気持ちは忘れずに伝えようと心がけました。
英語圏以外の国への留学を検討している人は、学校の勉強や部活などで忙しいとは思いますが、留学生活をより充実させるためにぜひ時間を見つけて練習してみてください。

ちょっとしたスナックを買うにもジェスチャーは必須です。
ガラパゴスのスーパーでも店員さんと会話は成立しませんでした。

留学前にやっておけばよかったこと

留学前の準備で、留学先に関する情報収集は欠かせません。気候と気温に加え、湿度や食文化、その国の簡単な歴史、マナーやその土地では常識とされていることをできるだけ多く知っておくことをオススメしたいです。そうすると、持ち物の準備の際にも効率よく動くことができ、留学先でもある程度の余裕を持って生活することができると思います。事前準備で土台が完成していれば、留学中にはさらなるレベルアップも目指せます。

留学を勧める・勧めない理由

無理に全ての学生が留学をする必要はないと思いますが、もし留学に対して少しでも興味があれば、挑戦してみる価値はとても大きいと感じています。留学で得られるものは、自分の一生に役立つことばかりです。慣れない環境での生活は決して楽ではないですが、日本の外に出ることで初めて気付ける価値観や、留学先でしか出会えない友達もいます。留学は、自分の視野や可能性を広げられる大きなきっかけになります。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学へ行く前には、どうして自分が多くの課題やリスク・多大な量の事前準備を全てクリアさせてまでも行きたいと思うのかを、しっかりと考えてみることが大切だと感じます。自分の人生の時間を使って留学に行くことにこだわるのか、その理由やきっかけ・目的や成し遂げたいことをもう一度見つめ直すと、きっととても有意義な留学生活が送れます。ぜひ、新しい世界に飛び込んでみてください!