留学内容
私の留学全体のテーマは「日本を農業大国にするため、オランダでアニマルウェルフェアの成功要因を探る」です。計画は、世界的にも農業分野トップレベルのオランダのワーゲニンゲン大学に留学し、関連の授業を受けながら消費者へのインタビュー調査、農場でのボランティア活動を行うというものでした。この計画を考えた背景としては、日本で家畜のアニマルウェルフェア(家畜福祉)が十分に浸透していないという問題意識からでした。家畜のアニマルウェルフェアとは、家畜動物が本来の自然な行動などを含む5つの自由を守ることであり、具体的には、飼育環境や条件を見直すことにあります。私の留学先であるオランダは政策や消費者の意識にアニマルウェルフェアが浸透しており、その成功要因を探るために留学先で調査を行いました。
オランダに住んでみて、スーパーマーケットでもアニマルウェルフェアの表示がある製品やベジタリアンやビーガンのための製品が多く存在し、消費者にとって身近であることが分かりました。そして、そのような小売業者の形態には動物福祉団体の働きかけが密接にかかわっていることが分かりました。留学先の大学の教授にいろいろな農家や団体を教えてもらい、修士論文の執筆に必要なネットワークが得られたことも今回の留学の成果だといえます。つなげてもらったネットワークを下に、帰国後も調査を続け、日本との比較研究を行いたいと思っています。