留学大図鑑 留学大図鑑

戸田桃香

出身・在学高校:
千葉県立成田国際高等学校
出身・在学校:
東洋大学
出身・在学学部学科:
国際学部国際地域学科
在籍企業・組織:

交換留学でジャーナリズムを学びながら、包括的性教育について知見を得るためにフィールドワークも行っていました!オランダ留学・性教育をテーマに留学を考えている方、お気軽にご連絡ください。返信は遅くなることがあります、、!


最終更新日:2024年12月02日 初回執筆日:2024年12月02日

セクシャルウェルネスの実現を日本にも!

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • アムステルダム応用科学大学コミュニケーション・クリエイティブビジネス学部
  • オランダ
  • アムステルダム
留学期間:
10カ月
総費用:
3,600,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,850,000円
  • 大学独自のもの 740,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

テーマは「セクシャルウェルネスの実現を日本にも!」です。
留学の内容としては、主に以下の2つです。
①交換留学先のアムステルダム応用科学大学のコミュニケーション・クリエイティブビジネス学部において、ジャーナリズムに関連するコースを履修し、単位を習得する。
②実践的な情報発信のスキルを実践的に身につけるため、オランダ現地企業でフィールドワークやインタビュー、取材内容を執筆業務を経験する。
結果、交換留学先とインターン全体を通して、在籍する学部では本格的に学ぶことができないジャーナリズムの学問的枠組みと情報発信の基礎と実践を学ぶことができましたし、なによりもオランダの包括的性教育に関わる主な組織(教育プログラムの開発をする組織、アムステルダムの保健局、エイズなどの性感染症研究所など)にインタビューができたことで、オランダのように包括的性教育が制度的・体制的に整っている環境下でも、日本でも性教育に対する不安として「性教育は性行動を促進する」という声があるように、オランダでもそのような保護者や地域住民とのコミュニケーション、多様な文化的背景をもつ人々が共生する中での価値観のすり合わせの難しさがあることがわかったことは、今後日本の性教育を考える上で非常に大きな学びでした。

留学の動機

この留学に挑戦しようと思ったきっかけは、性行為により女性が負うリスクや脆弱性を私自身が体験したことにあります。私は、無知であることと、頼ることのできる相手を見つけられないことで、途方に暮れました。この実体験から、10代・20代の若い世代が自分で自分の心身のことを決められるような人権教育に興味を持ち、情報格差、貧富の差、男女格差などの様々な社会事情が関わるこのテーマで留学することにしました。

成果

最大の成果は、留学先大学での学びを応用して行ったオランダやデンマークでの1年間のフィールドワークやインタビューからの気づきをまとめ、「若者同士が支え合うユースクリニック」という事業を構想し助成金事業として申請したことです。残念ながら助成金の採択を受けることはできませんでしたが、卒論調査として当時構想した事業を実証実験として実施しました。これからも継続的に学び、ライフワークとして取り組んでいきます。

ついた力

行動力

フィールドワークやインタビューをする先には、自分でゼロから交渉したり、友人に紹介をいただきながら、受け入れていただきました。断られることも何度もあり、その度一学生の自分の立場に悔しがったり、諦めたいという弱気な気持ちにもなりました。でも、そこで行動することを止めてしまっては本末転倒(?)。元からこうなることはわかっていたはずだと、自分で自分を奮い立たせ、精神的に立ち直れるようになりました。

今後の展望

帰国後は、『月経を「タブー」から、多様な社会課題を考える切り口へ』というテーマで、学生と民間企業や医療従事者が意見交流を行うイベントを主催し、留学中に構想した、他者に自身の悩みを共有したり一緒に考えたいと願う学生が窓口となる「ユースクリニック」の実証実験を行いました。今後は医療関係の職に就き、現場により近い立場で、子どもや女性の声に寄り添うような仕事をしたいと考えています。

留学スケジュール

2023年
9月~
2024年
7月

オランダ(アムステルダム)

留学中の最初の2ヶ月間(2023年9月1日〜2023年10月31日)
交換留学先では"Impact Storytelling"というコースを受講し、現代の人々がどのような不安や願いがあるのかを調査し、その中で自分が最も興味のあるトピック(私場合は月経)を扱い、自分や友人、家族を巻き込んでそれぞれに変化を及ぼすために必要なスキルについて、学びました。10月には、オランダ国内および世界29か国以上で、若い人々の性的および生殖に関する健康と権利(SRHR)の向上に取り組んでいる組織、Rutgersの方へオランダで初めてのインタビューを実施しました。

留学中盤の5ヶ月間(2023年11月1日〜2024年3月31日)
交換留学先では"Mediamakers in a platform"というコースを受講し、デジタル化された社会における恐怖や懸念調査し、ディストピアな世界観で記述する課題の制作をしました。オランダの学校2校やオランダ独自の在宅看護コミュニティ(ビュートゾルフ)で在宅看護師を務める方などにインタビューを行う。同時に、日本人で私と同じような包括的性教育に関心がある・取り組みを検討されている方を集め、オランダとデンマークで合計9箇所でフィールドワーク・インタビューを実施する企画の準備を開始しました。2月に約10人と実施しました。

留学後半の3ヶ月間(2024年4月1日〜2024年7月5日)
交換留学先では"Future is yours"というコースを受講し、オランダの公共放送局であるNPO(Nederlandse Publieke Omroep, オランダ公共放送機構)をクライアントに、未来に起こり得ることをフィールドワークを通して調査し、調査内容を動画にまとめ発表しました。2月に行ったフィールドワーク・インタビューの文字おこしをしたり、振り返り記事にまとめるなどしました。そこで、1年間のオランダやデンマークでの1年間のフィールドワークやインタビューからの気づきを基に、「若者同士が支え合うユースクリニック」という事業を構想し助成金事業として申請しました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

150,000 円

生活費:月額

70,000 円

項目:渡航費

400,000 円

英語でのインタビューは準備も大変ですが挑戦できてよかったです
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

150,000 円

生活費:月額

70,000 円

項目:渡航費

400,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

交換留学先の授業では、オランダの公共放送局であるNPO(Nederlandse Publieke Omroep, オランダ公共放送機構)をクライアントに、8年後のオランダに必要な番組やプロジェクトの構想に役立つようなものを制作するという課題に取り組みました(Future is yoursという講義名、授業のテーマは"Future exploring")。彼らが制作する番組の中には、"ZAPP"などの子供・10代向けの教育系番組は、現地の方の多くが一度は見たことがあるような古くから愛される番組であり、留学前からインタビューの候補に調査していたので、このような形で協働できたことはいい思い出です(もちろん、めちゃめちゃ大変でしたよ、、)!!!!!

クライアントに8年後の様子を伝えるために、ビデオを制作。
ネイティブの友達に監修してもらって、ボイスオーバーも自作で。

授業が特殊すぎる!留学生同士助け合いながら深まった絆

  • 語学力 : 英語

留学の内容を見てくださった方はお気づきだと思いますが、交換留学先のコースの名前がユニークすぎませんか?アムステルダム応用科学大学の私が留学した学部は、その大学の中でも新設の学部で、留学生の受け入れも最近力をいれているとのことでした。私以外の生徒は、ヨーロッパからの留学生でほとんどが半年の留学期間でした。私は、見た目の違いや英語を日常的に応用する力などにおいて劣等感を感じていて、最初の3カ月は精神的な落ち込みにより、留学に来たこと自体を後悔したり、留学に対するモチベーションが下がっていました。でも、諦めたらここで終わってしまうといい聞かせ、授業は休まずに出席し、わからないことや少しでも不安があることは毎授業後に先生に相談しました。その様子を見てか、当時友達をつくる余裕がなかった私に興味を持ってくれる子や一緒に頑張ろうと放課後に課題を一緒にやってくれる子、友達ができました。話して分かったことは、実は他の留学生もみんな、授業の仕組みや評価制度、課題の取り組み方など、わからないないことがたくさんあって、授業内で質問することをためらうこともあったというのです。これまで挫折と呼べるような経験がなかった私が、やっとここで自分の殻をやぶって、人に頼って、私も友達を助けて、という経験をすることができたことは貴重でした。

留学前にやっておけばよかったこと

正直、オランダ語やオランダの歴史と文化について学ぶことが十分にできていませんでした。日本にいる間に、オランダから来た留学生と友達になるなどして、どのように溶け込めるのかを知っておけば、留学生同士という域を超えて、もっと多くの現地の友人をつくることができたと思います。もっと異文化交流を楽しみためには、現地での流行りの話題などにも詳しくなっておくといいと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

まだ留学に行くか悩んでいる人もいるかもしれません。現状で自分が挫折した経験とそのつらさを人に語れなくて少し寂しい方、自分の根本的な自己肯定感を上げたいという方には、是非留学に挑戦してもらいたいです。踏ん張りどころが多く、つらいこともあると思いますが、それは今後の自分をつくる財産だと信じています。