留学内容
「庭の可能性を探求する!」というテーマで留学を行いました。学部時代を通して九州で環境再生型の庭造りについて研究しており、特に庭における人と植物、土壌の関係性に関心を持ってきました。アイスランドに注目したのは、日本と対極的な自然環境を持ちながら、英国やデンマークからの影響のもとガーデニング文化を滋養してきた点で面白いと感じたからです。近年アイスランドは「壮大な自然」を目当てにした観光客の増大、再生可能エネルギーの利活用で注目を浴びており、現地の環境保全と開発の関係性にも関心がありました。
留学計画では、アイスランド大学の環境に関する社会科学分野の講義を受講しながら、個人宅の庭のフィールドワーク、環境NPOの活動を視察することで、実社会と学術の双方から人と自然の関係性を探求しようと考えました。
結果、6件の庭にお邪魔して、アイスランドの地熱を活用した庭造りやコンポストを主とした土づくりなどについて観察し、お話を聞くことが出来ました。そのうちの2件では2~3日間の泊りがけでお世話になり、現地の「日常」を体験させていただきました。また園芸学校の視察や植物園でのイベントにも参加し、アイスランドの園芸文化に触れられたことも大きな収穫でした。環境NPOの活動については、風力発電所建設予定地を歩く抗議活動に参加し、若手の環境活動家からなるUU(Young Environmentalist)の環境保全委員会の一員としても活動しました。イベントへの参画、ミーティングへの参加といった貴重な機会をいただきました。もちろん、大学で受講した5つの講義も学び深いものでした。いずれも教授や学生とのフラットなディスカッションを基盤にしており、環境人類学、倫理学、社会学、民俗学といった視点からアイスランド及び世界の環境について学びを深めることが出来ました。