留学内容
留学全体のテーマは「中枢神経疾患治療の新境地を拓く〜ドイツでの最先端グリア細胞のノウハウ習得を通して〜」です。中枢神経系疾患であるアルツハイマー病やパーキンソン病、精神疾患はアンメットメディカルニーズとして患者数が多いにもかかわらず未だ有効な治療法、治療薬が確立されていません。また近年神経系における神経細胞以外の細胞であるグリア細胞とこのような中枢神経系疾患との関連が示唆されてきました。それを受けて私は薬学を専攻するものとしてグリア細胞と中枢神経疾患との相関を明らかにし、グリア細胞をターゲットとした創薬を目標として掲げました。そこで世界でも有数のグリア研究を進めているドイツのベルリンにあるマックスデルブリュック分子医学センターに留学を決意しました。そこでは基礎研究となるグリア細胞の活性化機構の解明を電気生理学的手法であるパッチクランプを用いて行いました。パッチクランプの手技の習得には二ヶ月ほどかかりましたが、その後は研究室の研究プロジェクトに参加し、必要なデータ収集を行いました。留学の最後の月には研究室のセミナーで研究成果を発表することができました。