留学大図鑑 留学大図鑑

ゴキタ マサヒロ

出身・在学高校:
茗溪学園高等学校
出身・在学校:
東京工業大学大学院
出身・在学学部学科:
総合理工学研究科
在籍企業・組織:


最終更新日:2017年10月23日 初回執筆日:2017年10月23日

ヨーロッパ建築とランドスケープ研究

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zürich) 建築学部
  • スイス
  • チューリッヒ
留学期間:
11ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,920,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEIC 800点, IELTS 6.0> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

留学のテーマは一年間ETH Zürichで建築デザインの設計課題に取り組み、ヨーロッパの学生と建築について議論し、自分の建築についての考えを深めること。また、自分の研究テーマの一つであるランドスケープについて学び、海外でどのように考えられているかに触れること。さらに、長期休暇を利用してできる限り旅行し、ヨーロッパの建築作品を見学すること。

設計課題は1セメスターに一つで、計2回設計に取り組んだ。ひとつ3ヶ月に及ぶ長期の課題のため、その間に教授やアシスタント、他の友人達と議論をしたりしながらじっくり設計に取り組むことができた。設計と同時に様々なワークショップが開かれ、テーマに関連したプレゼンや3Dモデリングの講座などにも取り組んだ。

授業ではランドスケープに関する授業を中心に履修した。スイスの山にある氷河の写真をフィルムカメラで撮影して現像し、氷河で録音した自然の音と組み合わせて作品にする授業。コルシカ島という島に1週間滞在し、音を録音しながら街を巡って、「音」から空間とランドスケープを考える授業など、とても刺激的な体験ができた。

夏と冬の2回ある長期休暇を利用してヨーロッパを旅行した。絶対に見るべき物などは3〜4件しか決めておらず、それ以外は行き先を決めてから調べるようにして、できるだけ自由にした。

留学の動機

 自分の研究室に留学に来ていたノルウェー人の友人が母国に帰る時に、「ぼくは日本に来て自分が生まれた国や自分自身のことがよくわかったんだ。君たちもチャンスがあったら留学してみるべきだよ」と言われたこと。
大学にはヨーロッパから多くの留学生が来ていて留学が身近にあり、留学生と話をする間に自分の知っている世の中が狭いことに気がついた。そのころに友人からの言葉をもらったので、深く印象に残っている。

成果

設計課題では2作品制作し、英語でプレゼンを行った。最終成果物は自分のポートフォリオにまとめる。

授業ではランドスケープに関する授業を中心に履修した。授業中に制作した物や活動を通してランドスケープに関する視野を広げることができた。

旅行は最終的に計15カ国、70都市以上を周り、200件以上の建築作品を見学した。撮影した写真をまとめてフォトブックを制作する予定。

ついた力

行動力

留学先の大学は様々な環境や経験が用意されていて、自分からそれを選ぶことができた。自分から進んで行動すれば多くの経験ができるので、できるだけ面白い経験ができる授業をとるようにした。
休暇中の旅行でもできるだけ多くの街、建築をまわるように行動した。

今後の展望

当面は自身の論文を成功させること。留学で学び、視野が広がったランドスケープに関する知識を活かして、納得のいく内容にまとめられたらと思う。
最終的には設計者として社会で活躍し、留学で得られた経験が自分の設計活動に反映されるようにすること。

留学スケジュール

2016年
9月~
2017年
7月

スイス(チューリッヒ)

ETH Zurichに1年間の交換留学。1セメスター毎に3ヶ月の設計課題に取り組み、作品を発表した。
グループワークやプレゼンテーションを通して議論することで、建築にたいする視野を広げることができた。
授業ではランドスケープに関する授業を主に履修し、実習やプレゼンテーションを行った。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

65,400 円

生活費:月額

72,000 円

コルシカ島でのランドスケープの授業の集合写真
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

65,400 円

生活費:月額

72,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

 留学して初めての授業、初めてのグループワークでスイス人3人とグループを組んだ。
 ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4カ国語が公用語のスイスだけど、なんとグループのメンバーはそれぞれドイツ語圏、フランス語圏、イタリア語圏出身。スイスの人は基本的にドイツ語が話せるため、議論中は英語で話してくれるものの、基本的な日常会話はドイツ語だった。

 さらにスイスの人は日常的に他の言語にも触れているので、「これってイタリア語でなんて言うんだっけ?(ドイツ語)」みたいな他の言語に関する会話も多く、英語で話すのは自分に話しかけるときだけという有様。英語すら満足に話せない自分からすると非常につらい状況だったけど、たくさんの言語が話せるという状況がとても羨ましく、他の言葉や文化にもとても興味がわいた。
 結果なんとか最終のプレゼンテーションは無事終えることができたけど、グループワークを通してなんとなくスイス人の生活環境や文化が透けて見えた気がしてとても面白かった。

別グループでの旅行写真。基本ドイツ語で苦労した。
プレゼンの様子。スペイン人教授なので、さらに多言語の授業。

ヨーロッパ旅行中の安全管理

  • 生活 : 治安・安全

留学中にたくさんのヨーロッパの国々を旅行したが、その間、どんな点に注意していたかを書くと
・リュックや鞄には南京錠をつける。
・鎖付きの財布をつかう(旅行用グッズ売場などで買える)
・パスポートやクレジットカードは専用のケースに入れて首から下げておくか、カギのかかる場所に入れる。
・有事の時用にパスポートのコピーと加入した保健の証明書等のコピーを別な場所に携帯しておく。
・アジア人が数人で固まっているだけでスリ等に狙われるので、できるだけで少人数で行動する。
 または大人数のときは注意役を何人か設定しておくといいかも。
・移動中はできるだけサクサク行動する。地図等を見ながらの散漫な状態だと特に狙われ易い。
・アジア人女性は特に狙われ易いので、できる限り男性の友人か現地の友人と行動する。(友人談)

留学前にやっておけばよかったこと

英語の会話練習と現地語の習得。
日本で充分に行うのは難しいが、一番大事で効果のあることだと思う。
留学先で一番ストレスだったのが、自分の思ったことがうまく表現できなかったこと。
現地語の習得は、英語が使える環境なら必要ではないが、一歩踏み込んで仲良くなるには重要だと思う。

留学を勧める・勧めない理由

留学で得られる一番の利点は、日本の外に出られること。
日本は実はとても狭い世界だということが知れるし、海外で生活してはじめて、日本の良い所や悪い所が理解できると思う。

これから留学へ行く人へのメッセージ

不安なことはたくさんあると思いますが、いざ行ってみると案外なんとかなるものです。
日本の外で生活することは、想像よりもずっと刺激的で楽しいことに満ちあふれています。
とにかくたくさんのことにトライして、貴重な経験を最大限活かせるようにしてください!