留学大図鑑 留学大図鑑

永澤 慶章

出身・在学高校:
北海道札幌東高等学校
出身・在学校:
北海道大学
出身・在学学部学科:
法学部
在籍企業・組織:
通信業界

アフリカ9カ国、アジア5カ国、南米5カ国と途上国経験が多いです!
これまで、「開発における人間の幸福とは何か」ということを考えて様々な現地を見てきました。
南アフリカ共和国での8ヶ月の留学を通して、教育とテクノロジーの持つ可能性を確信し、これから技術者としてもその発展に貢献します!


最終更新日:2020年06月09日 初回執筆日:2020年06月09日

e-Learningで良いラーニング!

留学テーマ・分野:
海外インターンシップ
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • 国際NGO Black Sash、NPO法人 FunDza Literacy Trust
  • モーリシャス共和国・南アフリカ
  • ケープタウン・ヨハネスブルグ
留学期間:
8ヶ月
総費用:
1,300,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,160,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEIC 815, TOEFL iBT 90> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<TOEIC 885点, TOEFL iBT 95>

留学内容

世界で最も治安の悪い都市とされる南アフリカ共和国、ヨハネスブルグ。
この国における犯罪の構図は、高い失業率を背景に、持たざる者が奪うという世界でした。生きるには食べなければいけない。食べるにはお金がいる。お金を稼ぐには働く必要がある。しかし、彼らにはその働き口がありません。
彼らは殺したくて殺すのではありません。必要なのは何か。それは雇用であり、働くにあたって必要な技能です。そして、それらを実現するにあたってまず必要なのが教育です。かつてかのネルソン・マンデラは言いました。「教育は、世界を変えるために用いることができる、最も強力な武器である」
アフリカの抱える教育の課題は、教師・学校・勉強道具の不足、非効率なカリキュラム、言語の壁など様々です。それらを解決に導く希望の一つがテクノロジーです。今や、農村部にまで普及しつつある携帯電話は、その架け橋となっています。
自分は、ITを活用した教育を推進するNPOでのインターンを通じ、テクノロジーの可能性とその課題を見極めるべく留学しました。留学中は学校訪問や教材開発を行い、e-learningに携わるアフリカ中の人々が一堂に会する国際会議にも出席しました。
滞在中は、現地の課題を解決するためのシステム開発にも成功し、アイデアコンテストでも入賞することができました。現在も、その改良のために現地の方々との連絡を取り続けています。

留学の動機

法学部で人権を学んでいた自分にとって、アパルトヘイトという負の遺産を乗り越え、虹の国として再出発した南アフリカ共和国と、そのリーダー、ネルソン・マンデラは興味深い存在でした。なぜ、その国が依然として「最悪の犯罪都市」といったラベルを貼られているのか。ここに、現代国家の発展とその課題があると考え、関心を抱いたのが留学のきっかけです。

成果

最初に所属した人権NGOでは、法律に関するワークショップや生活調査を通じて、南アフリカ共和国の社会をじっくりと知ることができました。その後の教育NPOでは前掲のように、主にサービス開発を通じて活動に貢献することができました。現地の友人も数多くでき、自分にとって第二の故郷となっている感覚があります。

ついた力

自省力

現地の状況を目の当たりにし、社会課題の現実に打ちひしがれた時期がありました。
その間にひたすら自問したのが、「自分は何をしたいのか」「なぜここにいるのか」「自分は何であるか」といったものでした。自分を徹底的に見つめ直し、そこから得た「納得」は、これからの人生において何よりも優先されるものだと考えています。

今後の展望

技術がもたらす発展が本当に人々の幸福につながるか、何が求められてくるのか、それを常に問い続けたいと思います。文系出身ですが、エンジニアとして働き始める予定で、自分の技術を磨きながら、アフリカでの経験とそこで気づいた想いを忘れずに、またあの土地を訪れたいと思います。

留学スケジュール

2017年
2月~
2017年
5月

南アフリカ(ケープタウン)

人権NGOでのインターン。
現地のタウンシップ(貧困層の居住区)にて、生活調査やワークショップの開催。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

40,000 円

生活費:月額

20,000 円

インターンの仲間と
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

40,000 円

生活費:月額

20,000 円

2017年
5月~
2017年
10月

南アフリカ(ケープタウン)

教育NPOでのインターン。
学校訪問と教材開発。オンラインで提供しているコンテンツのオフラインダウンロードを可能にするポータブルサーバーの開発。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

40,000 円

生活費:月額

20,000 円

アイデアコンテストでのプレゼン
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

40,000 円

生活費:月額

20,000 円

2017年
9月~
2017年
10月

モーリシャス共和国(モーリシャス)

国際会議の参加。e-Learning Africa 2017
ITを活用した教育に関する有識者会議。アフリカ中の現場で活躍する人々との意見交換。

費用詳細

学費:納入総額

80,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

50,000 円

項目:航空券代など

150,000 円

所属NPOの代表と
費用詳細

学費:納入総額

80,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

50,000 円

項目:航空券代など

150,000 円

スペシャルエピソード

留学中に手に入れた、今でも大事にしているもの

Ubuntu 「あなたがいるから、わたしもいる」
言い方はそれぞれの国で少しずつ異なるのですが、アフリカという一つの大陸に根付く考え方として、Ubuntuというものを学びました。思いやりの文化でもあり、温かさでもあり、人間の良いところをすべて詰め込んだような概念です。
日常でもそれは見つけることができ、国を越えて共通する素晴らしい哲学に、自分も辛い時・楽しい時、留学を通じてあらゆる場面で救われました。

Ubuntuの考え方

活かすも殺すも自分次第

  • 帰国後の進路 : その他(インターンシップなど)

現地派遣のインターンは、良くも悪くも強制力というものがありません。もちろん、義務で始めた留学ではないので、やる気に満ち溢れた状態で生活は始まります。しかし、長期の滞在になればなるほど、どこかで物足りなさや、逆に怠けという気持ちが出てくることもあります。または、挫けてしまったりなど。そんな時に問われるのは、自分の克己心だと思います。
出発前に書いた自分の目標や決意というものは、こうした時に大きな支えになってくれます。なぜこの留学に来たのか、何を成し遂げたいのか。初心に帰ることが、また決意を新たにさせ、希望をもたらします。
旅を始めた段階で、それをやりきる力は、一人一人のうちに宿っていると思います。

喜望峰にて

留学前にやっておけばよかったこと

よく言われますが、語学力は必須です。現在は語学学習の環境はとても恵まれているので、日本にいながら準備を進めることはそれほど難しくありません。留学の質は、事前にどれだけの準備をしたかに大きく左右されます。
また、渡航国のことを可能な限り詳しくなってから行ってみてください。その国の人や考えを尊重することはもちろん、新たな気付きをもたらしてくれます。

留学を勧める・勧めない理由

出来るだけ若いうちに留学を勧めます。そして、できれば複数回できると良いと思います。
日本と言う国は言語も、文化も、地理的環境もユニークです。それ故、視点や価値観が偏ってしまいます。
一つの国に生きるだけでなく、地球の一員という広い視野も持つことで、多様な人と協働し、自分の人生をより豊かにできるはずです。

これから留学へ行く人へのメッセージ

不安や希望、様々な感情が入り混じった心境かと思います。でも、「留学をする」と決断したあなたの勇気は素晴らしいです。成功も、失敗もすべてひっくるめて、経験という価値ある財産です。楽しいことも辛いこともあるとは思いますが、あらゆる瞬間を貪欲に成長の機会にしてみてください。必ず、自分だけの景色が見えるはずです。