留学内容
交換留学生としてハンブルク大学へ、演奏者としての技術を磨くべくInternational College of Music Hamburgのピアノ科へ入学し、とことん音楽に向き合い学びました。
留学中の目標は、演奏を通して芸術の価値観を学ぶことと、どのような文化政策の下で芸術環境が形成されているかを調査することです。そのために、自分自身が演奏者として芸術への理解を深めなければならないと思い、Bach, Beethoven, BrahmsやSchubert,Chopinの作品に取り組んだほか、現代作品の楽曲分析など、あらゆる角度から音楽の本質を追求しました。さらに、演奏を重ねるにつれて、幼少期に音楽と関わる場を持つ経験がドイツの芸術の環境形成に影響しているのではないかと考えました。そこで、現地の小中学校へ音楽の授業の見学に訪れ、教師へのインタビューを行うなど、実際に行動をしてみることで、資料だけでは理解できない深い視点を持つことができました。さらに、オーケストラ団体の行うアウトリーチプログラムも積極的に鑑賞して日本との違いを肌で感じたり、情報の得やすさや参加しやすさなどを考えられる差異を分析しました。様々な視点から“芸術とは何か”を考えた経験は、現在のアートマネジメント研究の軸となっています。