留学内容
バヌアツは2015年にカテゴリー5(ハリケーンカトリーナと同等)のサイクロン「パム」で大きな被害を受けた国です。国民の多くは近年でも草木を使い自らの手で家を建てています。一見、風で飛んでいきそうな建物に見える現地の建物ですが、サイクロンシェルターとして使われているものは他の種類の建物と比べて強風時に破壊されにくかったことが既往の調査で明らかになっています。また、住民が建物を建て方を知っているので、災害後に壊れた家を自らの手で立て直し、2カ月以内に大半の家が一時的な復旧を終えました。この驚くべき復旧能力を、他国と比較手可能な「復旧時間」という尺度で科学的に評価したいと考えました。
そのため、在来建築の強度を現地実験で明らかにし、建物復旧に必要な人工(何人が何時間かけて建物を作っているのか)を明らかにするためにアンケート調査を行う必要がありました。
現地実験はタンナ島にある実験装置を用いて行う計画を立てました。アンケート調査は日本の共同研究者の方々と留学先の先生と相談して計画を立てました。
結果、留学先の研究チームと日本の共同研究者チームに属していながら私が両者に連絡を怠ったため混乱が生じ、なかなか研究が始められませんでした。留学最後の2週間に入り、現地の友人ら、現地日本人スタッフの方、指導教官のご協力を得て調査を敢行し、研究に最低限必要なデータを得ました。