留学内容
【イタリアで働く”田舎”の+”かっこいい”+”建築家”の秘密を学ぶ!】
イタリアの田舎町における建築家の働き方、設計手法、ビジネスモデルを学びに、Studio Milaniという建築設計事務所でインターンシップを行ないました。建築家の地位が高いとされるヨーロッパ、そして地域文化が色濃く残り、質の高い生活を保持するイタリアの地方都市における、”建築家”の役割やふるまいをはじめとする働き方を実務を通して観察し、日本の建築家の在り方更新のための見識を探し求めました。
最終更新日:2018年03月13日 初回執筆日:2018年03月13日
語学力:
言語 | 留学前 | 留学後 | |
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イタリア語 | 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル | → | 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル |
【イタリアで働く”田舎”の+”かっこいい”+”建築家”の秘密を学ぶ!】
イタリアの田舎町における建築家の働き方、設計手法、ビジネスモデルを学びに、Studio Milaniという建築設計事務所でインターンシップを行ないました。建築家の地位が高いとされるヨーロッパ、そして地域文化が色濃く残り、質の高い生活を保持するイタリアの地方都市における、”建築家”の役割やふるまいをはじめとする働き方を実務を通して観察し、日本の建築家の在り方更新のための見識を探し求めました。
これまで「都市-地方」という属性と「日本-世界」という地域を2軸にしたマトリックス上を彷徨いながら理想の都市・建築像を探求してきました。その中で地方独特のゆるゆるとした”田舎時間”の心地よさを知り、同時に都市由来の溌剌とした”アグレッシブさ”の魅力を理解しました。そしてその両面を備えた極めて珍しい環境としてイタリアの地方都市を発見し、その当事者である建築家の生態を知りたいと思ったのがきっかけです。
9ヶ月間で4つのプロジェクトに参加し、仕事が目的別(国内→文化、アジア→経済、ヨーロッパ→人脈)に分かれていること、建築家が地域コミュニティにおける文化のキーパーソンを担っていること、街を暮らしながら直していく”ながら仕事”の極意を突き止めました。今後は9ヶ月で学んだ”田舎でもかっこよく働くイタリア人建築家の暮らしぶり”を、日本の建築家の働き方へと反映しその更新と実践に取り組みたいと考えています。
文化の海で泳ぐ力
イタリアにおける建築設計は文化の一部を作ることでした。それは文化の歴史を参照しながら設計をすることを意味します。彼らの文化は欧州文化の源泉であり、また地中海を通したアジアやアフリカとの交流の歴史もあり、参照すべき対象は極めて多岐に渡りました。それらの作業はまさに文化の海を泳ぐようなものでした。プロジェクトを追うごとに知識も倍増しいろいろなものに想いを馳せながら設計することが出来るようになりました。
【日本での実践と、まだまだ続くイタリアでの学び】
今後は2つのことを同時並行で実践していきたいと考えています。1つはインターンシップでの学びを、日本で実践することです。大学での演習や設計競技を通じて、新しい建築像を提示していきます。そしてもう1つはイタリアでの学びの継続です。詳細は決まっていませんが、イタリア事務所とのコラボレーションを企画しているところです。
2017年
4月~
2017年
12月
9ヶ月で4つのプロジェクトを経験しました。
①インドの住宅プロジェクト→初めての仕事でとても緊張。最初はイタリア人スタッフと2人で設計し、後に1人で担当。イタリア人たちがどのタイミングで何を参照しながら建築設計を行なっているのかを理解することができた。
②イラン・テヘランの集合住宅のコンペ→スペイン人スタッフ、イラン人ハーフのスタッフと4人で担当した。イランの現地事務所も加わり、多様なチームでの設計を通し、イタリア人が得意とすること、不得意とすることを理解した。
③オランダの住宅街マスタープラン→イタリア人のベテランスタッフと担当した。
④サンジミニャーノの小学校→最後に巡ってきたイタリア国内の仕事。イタリアにおけるクライアントのとの対話方法を学んだ。
生活は5人でのシェアアパートでした。シャワー室が3つ。全体的に古いですが、街全体が世界遺産である以上、我慢。
学費:納入総額 250,000 円 |
住居費:月額 800,000 円 |
生活費:月額 500,000 円 |
学費:納入総額 250,000 円 |
住居費:月額 800,000 円 |
生活費:月額 500,000 円 |
イタリア人は自分が生まれた街を愛しています。シエナでそれを一番に感じられるのが7、8月に行なわれる馬のお祭り”パリオ”です。シエナの17の地区から10の地区が優勝旗を目指して、馬を走らせます。この期間は町中がお祭りムードに包まれ、事務所でも皆仕事が手に付かず、どこかそわそわしています。お祭りが近づくと、それぞれの地区が夕食会などの催し物を開きます。まだ明るいうちから通りに人々が集まり、盛大に飲んで食べる幸せな風景が広がります。私たちの事務所も2回ほど夕食会に参加しました。メニューはトスカーナ地方のお肉料理を中心にしたコースです。日暮れ前に始まる夕食会は、深夜まで続きます。お祭りのために付けられた飾り付きの街灯に照らされた街はきらきらと輝き、街が人々に愛されていることが分かる瞬間です。
イタリアはワーキングホリデイ制度がないため、長期インターンシップで滞在する際のVISAの取得方法に迷いました。学生VISAを取得するのが最も簡単であると考えられたので、現地の語学学校に依頼して、数週間のイタリア語講座と9ヶ月のインターンシップのコースを特別に作ってもらい、学生VISAに必要な書類を揃えて申請しました。
またイタリア入国後に必要な滞在許可証の申請と受け取りについてですが、9ヶ月待っても結局発行されず、受け取ることができずに帰国しました。(ドイツを出国する際、EU入国日を聞かれました)
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