留学内容
所属する日本の研究室で開発した高機能材料の高温特性評価をイタリアのトレント大学で現地の教授と共に行ってきました。この高機能は高強度と高延性(割れにくさ・加工しやすさ)の両立を指します。例えば、強度が2倍の材料で物を作れれば、半分の薄さでも元と同じ丈夫さの物が作れるため資源の節約になる。しかし、高強度化すれば延性は失われてしまうトレードオフの関係があります。材料は様々な物の根源であるため、安心安全な物作りのためには壊れにくさ、加工しやすさが重要であり、強度と延性の両立は必須です。また、様々な環境下でその材料がどのような特性を示すか調べておく必要があります。開発品は室温で高機能を示しましたが、高温環境でも室温のときと同様の特性を示すか調べる必要があったため、高温特性評価ができるイタリアのトレント大学へ留学し実験をしてきました。私は高温特性評価の専門ではないため、現地の教授とディスカッションして次にどのような実験をするかを考えて実行し、またディスカッションすることを繰り返しました。このように研究を進めることにより、日本で開発した材料の高温に対する特性が明らかになってきました。このデータは所属する研究室では取れないデータであり、トレントまで来たからこそ取れた貴重なデータになりました。