留学大図鑑 留学大図鑑

うめこ

出身・在学高校:
西南学院高等学校
出身・在学校:
国際基督教大学
出身・在学学部学科:
教養学部アーツ・サイエンス学科
在籍企業・組織:


最終更新日:2020年06月09日 初回執筆日:2020年06月09日

誰でも働きやすい職場づくりをカナダで学ぶ

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ブリティッシュコロンビア大学
  • カナダ
  • バンクーバー
留学期間:
8ヶ月
総費用:
1,600,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,480,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TOEIC935, IELTS7.5> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル

留学内容

「ジェンダー・セクシュアリティに関わらず働きやすい職場づくりをカナダで学ぶ!」ことをテーマに、ブリティッシュコロンビア大学のSauder School of Business(以下Sauder)とGender, Race, Sexuality and Social Justice(以下GRSJ)の学部にて授業を履修。実践活動としては、地元のLGBTQ+の家族のサポート団体の活動に参加しました。
Sauderでは「採用プランを考えてプレゼンテーションする」など、人材マネジメントを実践的に学びました。一方のGRSJの学部では、“gender-aware”である組織づくりを学ぶ授業などを受講しました。同じ年代の学生が、社会問題への日頃からの考察が伺える鋭い発言をしており、刺激を受けました。自身が問題だと考えていることをオンラインで発信したり、フィルムを作成したり、デモを企画・参加するなど、アクティビズムがとても身近で、私自身もそれに倣いたいと考えるようになりました。
活動させていただいたLGBTQ+のサポート団体では、これまでに経験した苦境を共有しあい、お互いにアドバイスをするコミュニティを目の当たりにし、誰もが自分らしく居られ、そのような方々が集まる場の重要性を痛感させられました。後述するリーダーシップキャンプの経験と合わせ、このような場の提供に貢献したいと考えるようになりました。

留学の動機

後から振り返ってみると、日本では多様性のファクター(ジェンダー・セクシュアリティ・国籍や見た目etc.)によって、どうしてこんなにも扱われ方が違うんだろうと感じていた疑問・憤りのようなものに突き動かされたのが大きかったと感じます。中でも自身が専攻していた働き方に関する現状を変えるにはどうしたらいいのかを多様性を受け入れるカナダで学びたいと決意しました。

成果

バンクーバーの街でのボランティア活動を通してしか得られないリアルな情報の量が圧倒的で、知見が深まりました。それらの情報の中にはジェンダー・セクシュアリティに関する問題の現状で苦しんでおられる方や、現状を変えようと果敢に活動する方の声・姿も多く、これから私も一歩ずつ活動を続けていこうとさらに背中を押されました。

ついた力

考えて考えて、主張していく力

重要であると自身が信じるものを主張する力。社会情勢に強く興味を持ち持論を語り合える友人が留学で多く出来ました。彼らは自身が問題意識を持っていることに対して、主張と行動をしていました。例えば、環境問題を学んでいる友人は 生活レベルではzero wasteを心掛け、より大きな規模ではデモへの参加をしていました。その姿に刺激を受け、少しずつ真似をしていくことで、以前よりこの力がついたと感じています。

今後の展望

まずは、企業の人事についてのマネジメントを お仕事に就きたいと考えています。これを通し、「多様性にかかわらず働きやすい職場づくり」という大きな目標達成に貢献したいです。またボランティアで参加させて頂いた女子高校生向けのリーダーシップキャンプのような、 多様な人材を早い段階からempower出来る場の提供に関わりたいとも強く希望しています。

留学スケジュール

2018年
9月~
2019年
4月

カナダ(バンクーバー)

ブリティッシュコロンビア大学のSauder School of Businessにおいて人材マネジメントの具体的ノウハウについて学ぶと共に、Gender, Race, Sexuality and Social Justiceの学部において授業を履修。校内で毎月行われた“Diverse Perspective on the #Metoo movement,” “Sex in All Languages”など、多様な視点からジェンダー・セクシュアリティの問題について考えるワークショップ・パネルディスカッションにも参加しました。
同時に、学外ではバンクーバーのLGBTQ+サポート団体の活動に参加し、お話を伺わせていただきました。その他、バンクーバーのアジア系ドラッグクイーンに関するドキュメンタリー作成や、16-17歳の女子向けのリーダーシップキャンプでのボランティアなどの活動を行いました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

100,000 円

生活費:月額

60,000 円

ブリティッシュコロンビア大学図書館
作成したドキュメンタリーの上映会が行われました。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

100,000 円

生活費:月額

60,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

バンクーバーにて女性達にリーダーシップについてのワークショップを提供しているNPOとのコネクションを作ることで、16-17歳の女の子達に向けに提供されている三日間のリーダーシップキャンプにボランティアとして参加させて頂いたことです。
3日間みっちり行われた研修で、リーダーシップ教育の実践的ノウハウを学びました。そして何よりも、女性がリーダーシップをとることは当たり前であると信じてやまない大人たち、そして16-17歳の未来のリーダーたちに刺激を受けました。この経験をきっかけに、「私でもリーダーになれるんだ」と自分を信じてもらえる場の提供に携わりたいと考えるようになりました。

ワークの一つで、彼女らが「強く」感じる瞬間を壁一面に。
ボランティアのうちの1人。素敵なロールモデルです。
活躍している女性が30人以上、メンターとして参加

力になりたいけどなれないときは

  • 留学先探し : ボランティア

学校のプログラムを通し、暴力や薬物中毒にて苦しむ女性のためのシェルターにボランティアとして訪れました。ここは、West Vancouverで初めて女性に限定した住居・ワークショップ等を提供した団体です。特に薬物中毒の問題に関しては、「急に摂取を止める」ことの難しさをこの団体は理解しており、世界で初めて、その地域に住む女性が一緒に、より安全に薬物と向き合うことのできるスペースを開きました。 昼食の準備を手伝いその後のワークショップに参加したのですが、同じような悩みを抱える女性達が集まる場を提供することで、支援団体が「上から」アドバイスや支援を行うのではなく、同じことを経験した女性たちがお互いを助け合うコミュニティ作りが行われていることは大変勉強になりました。
そして、暴力や薬物などの問題を経験してきた方は他人に対して敏感であり、自分を守るために攻撃的であったりするため、そのような方とどのようにコミュニケーションをとるべきなのかを深く考えるきっかけとなりました。スタッフの方から頂いたアドバイスは、”It’s always never about yourself”: 私個人に対して怒っていたりするわけではなく、これまでの過去の経験から他人とのコミュニケーションがとても難しく感じている方が多くいらっしゃるということでした。その内容はもちろん当然のことですし、自身の未熟さに気付かされましたが、その言葉を掛けていただくことで、selflessな状態で難しい経験をされてきた方々と向き合うことの重要性を再確認しました。また、直接力にはなれなくても、裏でその方を少しでも支える方法はいくらでもあるはずだと気付かされました。

留学を勧める・勧めない理由

留学をおすすめします。新しい世界へと飛び込み、自分の常識が覆され、再構築される経験が出来るからです。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学してよかったと心から思います。だからこそ留学が決まった方には、「おめでとう」といつも声を掛けます。自身の反省から一つアドバイスをするとすれば、自分が興味を持ったこと、もっと知りたいと思ったことには、怖がらずにどんどん前へ突き進んでみてください。その先にしか見えなかった景色や知識、感情がきっとあると思います。くれぐれも安全には気をつけて、全力で留学をしてきて下さい。