留学大図鑑 留学大図鑑

山内桃子

出身・在学高校:
静岡県立浜松北高等学校
出身・在学校:
津田塾大学
出身・在学学部学科:
学芸各部国際関係学科
在籍企業・組織:


最終更新日:2017年08月25日 初回執筆日:2017年08月25日

多文化主義の聖地カナダで多文化共生を学ぶ

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • マギル大学、教養学部、言語学科
  • カナダ
  • モントリオール
留学期間:
9ヶ月
総費用:
3,000,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,940,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

 <テーマ>「 多文化主義の聖地カナダで多文化共生を学ぶ!」
移民国家であるカナダで多文化共生を学び、日本での実現方法を導き出す
 <計画>
前期:マギル大学での勉学と語学力のブラッシュアップに専念。履修科目は多文化教育、ケベック州の教育制度、アカデミックライティング等。
後期:大学での勉学に加えて、移民難民支援機関でのボランティアで世界各国から来た子供たちと触れ合う。履修科目は、バイリンガリズムの言語学、日本文化、ジェンダー等。
 <結果>
日本の"多文化共生"の意味合いは、そもそも間違っていたのではと思い、自分で再定義した。日本の多文化共生は主に、”国籍の違う人々がいかに互いの文化を認め合って共に生きるか”を指す。しかし、実際カナダで学んだところ、”文化”はもっと個人的な事象にも存在し、障害やLGBTQ、個々の多様な価値観などを広く含むべきで、「多様な個々人が互いの違いを認め合い自分らしく生きる事」が多文化共生であるという結論に至った。日本の多文化共生の意味合いがカナダとズレている事に気づいた時は、アプローチ方を見失い焦りを感じたが、「多文化共生=日本社会と外国人」という既成概念を捨て、”多文化共生の本質とは何か”と粘り強く考えた。その結果、自分なりの定義にいたる事が出来た。これから卒業論文として研究を続け、真の多文化共生を日本で実現する道を模索していく。

留学の動機

 留学を目指した動機:
大学一年時に、マギル大学から帰国した先輩の報告会に出席したのがきっかけ。世界トップ大学での厳しい勉学を経て、彼女のように"しなやかで強い女性”になりたいと思った。
 専攻内容を決めた動機:
学内のカナダ研究の授業で、多文化主義を知った。「世界有数の移民国家カナダでは、価値観の異なる人々がいかに共に暮らしているのか」がどうしても知りたくて、多文化共生を学ぼうと決心した。

成果

 留学前に掲げた目標:
①日本での多文化共生の実現方法を模索する
②幾多の困難を経て、しなやかな女性になる
 成果:
①日本で言う「多文化共生」の意味合いを自分なりに再定義できた事は一つの成果と言える。
②"鬼レベル"なマギル大学での勉学や、価値観の全く異なるルームメイトたちとの生活、カナダの厳しい気候等、多くのストレス要因に対してしなやかに対応できるようになった。

ついた力

柔軟な対応力

多国籍なルームメイトとの生活やマギル大学のハードな勉学等、多くの試練があった。ルームメイトとの生活は、日本の常識が「全く」通用しない環境であったので、自分の価値観に執着せず、多様な観点で考えるクセをつけた。また、留学先大学がカナダの最高学府とだけあって、日本語でも高難度な授業で、優秀な学生と同じ土俵で勝負する事や膨大な課題など、幾多の困難に対してその時々の最善を考え柔軟に対応する力を養った。

今後の展望

第一に、留学そして学生生活の集大成として、独自の"多文化共生"研究を進め、多様な個々人が互いの違いを認め合い自分らしく生きられる社会の実現を考える。最終的には卒業論文として発表する。
また、留学のエヴァンジェリストとして主に在籍大学での留学機運を高めたい。

留学スケジュール

2016年
8月~
2016年
12月

カナダ(モントリオール)

<秋学期(Fall semester) :勉強そして勉強+美しい秋を楽しむ>
マギル大学でのハイレベルな授業に食らいつこうと、平日は日付が変わるまで友人と勉強をした。生活面では、健康のためになるべく自炊をするようにしていた。ダウンタウンに住んでいたので、アジアンスーパーもあり、食糧面であまり不便はなかった。ただ、ルームメイトたちの共用スペースの使い方やマナーが悪く、最初は驚くばかりで心身への負担が大きかった。
 休日に積極的に外へ出かけ、カナダの美しい秋を楽しむことで頑張り続けるモチベーションを得た。留学では、海外大学での勉学を頑張るだけでなく、こうした「旅行」も醍醐味だと思う。知らない土地に行き、初めて見る景色に心動かすことで、より生活が豊かになった。

費用詳細

学費:納入総額

700,000 円

住居費:月額

80,000 円

生活費:月額

60,000 円

項目:旅費

250,000 円

カナダの紅葉
費用詳細

学費:納入総額

700,000 円

住居費:月額

80,000 円

生活費:月額

60,000 円

項目:旅費

250,000 円

2017年
1月~
2017年
5月

カナダ(モントリオール)

<冬学期(Winter semester):勉強+ボランティア>
マギルでの勉学の要領をだいたい掴んで、移民難民支援機関でのボランティアにも参加することができた。ただ、想像絶する寒さに2度ほど体調を崩してしまった。体調不良で身体が弱った事が原因でホームシックになったこともあり、秋学期よりも辛い状況が続いた。そんな中でも励ましてくれる友人に囲まれ、なんとかもち直して最後まで走り続けることができた。友人の尊さを改めて、実感した日々であった。

 

費用詳細

学費:納入総額

700,000 円

住居費:月額

80,000 円

生活費:月額

60,000 円

項目:旅費等

50,000 円

元旦のセント・ジョセフ教会(モントリオール二大教会のひとつ)
費用詳細

学費:納入総額

700,000 円

住居費:月額

80,000 円

生活費:月額

60,000 円

項目:旅費等

50,000 円

スペシャルエピソード

留学中に手に入れた、今でも大事にしているもの

留学で、生涯の友を多く得た。この写真、楽しそうに写っているが、実はファイナル試験のために勉強しているところで、友人がパシャりと撮ってくれた。正直、マギル大学では日本の大学とは比べ物にならないほどの課題が出され、さらに本当に頭の良い学生ばかりで、同じ土俵で戦い続けることがかなり辛かった。膨大な試験範囲と戦うファイナル前の期間に、こんな笑顔がでたのは、まさに友人のおかげ。鬼レベルでキツいテスト勉強も、友人がいれば何も恐くなかった。
 マギルで知り合った友人はまさに、戦友という感じ。これまでの写真を振り返るだけでも、涙が出そうなくらい、本当に多くの苦楽を共にした。そんな最高の友人を、生涯大切にしたい。

ファイナル試験前でも友人のおかげで喜びに満ち溢れる

独学(情熱と執念)、それでもダメなら手段を選ばず策を尽くす!

  • 語学力 : 英語

語学力問題を解決するためにした主なことは、以下3つ。①毎日欠かさず自主学習!②学内外問わず、英語試験対策講座には足繁く通う!③1ヶ月間カナダに語学留学!
 マギル大学を目指し始めた頃は、マギル行きなんて本当に無謀だと思った。マギルを目指していると周りに言うのも恥ずかしいくらいだったが、どうしても行きたいという情熱だけはずっと燃やしていた。上記の3つの策をとって、本当に応募締め切りの直前にスコアを取得できた。
 協定校留学だったので、在籍大学での成績もキープしながら語学力も爆速で上げられたのは、どうしてもマギルに行きたいという情熱と執念があったからだと思う。

留学前にやっておけばよかったこと

語学力アップには終わりがないので、もっとやっておけば良かった。
あとは住居決め。マギルの入学許可書に誤りがあってビザ取得に手こずったために、部屋決めまで出来ずに出発した。出発後はオリエンテーションや必需品の買い物、電話の契約等やる事が膨大なので、一番大切な"住む場所"は日本で目星をつけるべき。ただwebの情報と実情が違う事もあるので、実際に自分で部屋を確かめてから契約する方が安全と思われる。

留学を勧める・勧めない理由

お勧めする理由は自分の可能性を無限大にできる事と、生涯の友を得られること。
異国の地で自立して生活しながら勉学・実践活動等に励む中で、日本で遭遇しない課題に多く直面する。一つ一つを乗り越えることで"限界"を突き上げることができると思う。
 厳しい環境で支え合える友人は本当に尊いもの。私を含め留学生それぞれが素敵な友人に恵まれていたので、最高の友を得ることは留学の醍醐味の一つだと言える。

これから留学へ行く人へのメッセージ

身体と安全に気をつけて、最高の留学をしてきてください。
留学先では想像絶するようなハプニングや問題に見舞われますが、そのどれもが成長の糧になると思います。
ぜひ、仲間と鼓舞しながら厳しい状況を乗り越えて、最高の留学生活を送っていただきたいです。
あとは身体と安全に気をつけて、笑顔で日本に帰ってきてくださいね。