留学大図鑑 留学大図鑑

かほ

出身・在学高校:
茨城県立竹園高等学校
出身・在学校:
筑波大学
出身・在学学部学科:
社会国際学群・国際総合学類
在籍企業・組織:


最終更新日:2023年06月16日 初回執筆日:2023年06月16日

カナダの移民・難民政策とその支援を探る!

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • モントリオール大学/YMCA Residence
  • カナダ
  • モントリオール
留学期間:
12ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 2,170,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
フランス語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

私はカナダで民間による難民受け入れやその支援について学ぶことをテーマに留学しました。テーマ設定の理由としては、大学1年生から難民支援に関わる中で日本の支援のあり方に限界を感じ、他国の支援体制を実践を通して学びたいと思ったからです。その実現のために、移民・難民支援の分野で世界的に注目を集めるカナダのモントリオール大学に留学しました。大学では、カナダにおける移民・難民政策やその変遷に関する授業を履修して、移民や難民との共生が進むカナダ社会の包括的な知識を身につけました。さらに、実践活動として難民支援団体でのボランティア活動に携わり、特に児童に対する教育支援を行うことでその実態とノウハウを学びました。そうした大学での座学と実践活動の両方の経験を通じて、難民や移民が暮らしやすい社会を築くためには政策として整った受け入れ体制を作るだけでなく、その先に教育や雇用といった定住支援を確実に実行する民間団体の力が不可欠であることを強く実感しました。

留学の動機

私は高校での短期留学の経験から海外でより長く勉強したいという思いが芽生え、大学生活の中で長期留学に挑戦すると決めていました。また、私は大学から移民・難民支援に携わり、日本における受け入れ体制や支援のあり方を学ぶ中でその限界を感じていました。そこで、難民受け入れや支援を官民が共同で積極的に行うカナダでどのような政策や支援がなされているのかを実践的に学びたいという思いから留学に踏み切りました。

成果

現場で実際に多くの難民の子供達と交流する中で、彼らの抱えている不安や不信感、心の不安定さが想像以上に大きいことを肌で知ることができました。また、英語やフランス語を教えていく中で彼らの言語学習スピードの早さに衝撃を受け、日本における外国人児童に対する言語教育やその後の学校教育へのフォローをしていくことの重要性を改めて感じさせられました。

ついた力

柔軟に物事を受け止める/捉える力

留学前は狭くて浅くて柔軟性のない考え方をしていましたが、留学を経て持っていた常識や価値観が通用しない中で、マイノリティの立場に置かれたり、様々なバックグラウンドを持った人々と接することができたおかげで、視野が広がり柔軟な考え方ができるようになったと思います。そして、更に視野や価値観の幅に多様性のある人間になりたいと思うようになりました。

今後の展望

現在、民間企業への就職を目指しています。それは、移民や難民を含めた外国人との真の共存を図るためには、彼らを受け入れる側である社会について自分がよく知る必要があると考えたからです。私は留学を通じて自身の視野の狭さや柔軟性の欠けた価値観、知識や経験の浅さなどを痛感しました。だから、まずはビジネスパーソンとして様々な経験を積み重ね、ゆくゆくは難民移民支援のフィールドに復帰したいと考えています。

留学スケジュール

2018年
9月~
2019年
4月

カナダ(モントリオール)

最初の8ヶ月間は交換留学先であるモントリオール大学に所属していました。そこでは、前半は大学の語学クラスでフランス語を学びました。そのクラスの生徒の多くが移民としてカナダに移住してきた人々で、様々なバックグラウンドを持つ彼らとの交流を通じて多様な文化や価値観に触れることができました。各出身国の食べ物を持ち寄ってポットラックパーティーをした時に、味わったことのない食べ物に出会った時の衝撃は忘れません。
後半は、現地の学生と共にカナダの移民政策やその歴史的変遷等の授業を履修しました。語学の壁や求められるレベルの高さゆえに泣きながら勉強する覚悟で授業に臨み、実際に日本の学生にはない勉強へのストイックさと知識量の多さに圧倒されました。しかし、友達の助けも借りながら何十時間もレポート作成に費やしていく中で日本の大学では感じられなかった「学ぶ楽しさ」を覚え、勉強に熱中することができました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

フランス語クラスの最後のパーティーにて
レポートで疲れていた時に大学前で見た綺麗な青空
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2019年
5月~
2019年
8月

カナダ(モントリオール)

交換留学のプログラム終了後、難民支援団体に所属してボランティア活動に従事しました。私は、難民の児童を預かる施設で定住を助けるための教育支援を中心に様々なアクティビティを行いました。スタッフ不足の中、大勢の子供達を巻き込みながらスムーズにアクティビティを回せた時や、子供達とその家族合わせて100人ほど参加する大きなイベントを他のスタッフと協働して成功させることができた時は大きな達成感がありました。印象的だったことは、母語の異なる子供達同士がスポーツや芸術を通じて仲を深めていく光景であったり、それに伴う彼らの言語習得の驚くべき早さでした。この経験から、難民や移民に対する教育の大切さを再認識すると共に、言語はただのツールに過ぎずないこと、どのように感じたり行動するかがより重要になってくるのではないかということを考えさせられました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

ボランティアの最後の日のお別れ会にて
子供たちと公園で水遊びをしている様子
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

彼は私にとって留学生活を語る上で欠かせない大切な友達です。もともと、彼はモントリオールから来た私の大学の交換留学生で、私たちは大学で出会いました。これから留学する私にモントリオールのあれこれを教えてくれただけでなく、彼とその家族がホストファミリーを引き受けてくれることになりました。モントリオールの空港に私を出迎えてくれた彼は、大学の留学生用のオリエンテーションについて来てくれたり、公共交通機関のカードを発行するのを手伝ってくれたりと、右も左も分からない私を助けてくれました。彼がインターンシップで日本にいる間も、忙しい中で課題を添削してくれたりと私の勉強までサポートしてくれました。彼がいなかったら私の留学は成り立っていなかったと思うと、感謝しても仕切れません。彼のおかげで離れたくないほどカナダが大好きになり、そして私も彼のように日本に来た留学生を助けられるような人になりたいと思うようになりました。

浴衣を着てお祭りへ
ホストファミリーがコテージに連れて行ってくれました!
ホストファミリーのおうちを借りてお別れパーティー

フランス語のできなさにホストファミリーを困らせてしまった話

  • 語学力 : その他の言語

留学当初はほとんどフランス語初心者、会話もままなりませんでした。そのために、自分の伝えたいことが伝えられずに悔しい場面を幾度となく経験しました。語学クラスでも先生に注意されることが多く凹み、ホームステイ先の家に帰ってもフランス語ばかりで自分の居場所がないと閉塞感を感じて、隠れて一人で泣くこともしばしばありました。更に、せっかくホストファミリーにハイキングやコテージに連れていってもらっても自分の感情や次にしたい行動を伝えられずにいたため、「Kahoがどうしたいのかわからない」「つまらなそう」と言われてしまい、迷惑をかけてしまっていることに気が付きました。そこから私は、間違うことを恐れずにとにかく伝えよう、わからないことは何でも聞いてみようという姿勢を持つよう努めました。また、現地の友達を誘ってカフェでとにかく話す時間を増やしたことで、価値観や考え方を共有できることが楽しくなってゆきました。すると、授業でも少しずつ発言できるようになり、閉塞感や停滞感が徐々に薄くなり始めました。留学の終盤には、留学当初の自分が嘘のように変化し、カナダにも自分の居場所を見出す事ができ、周りの友達にも恵まれて充実した日々を過ごせていました。当初は一緒にいるのが正直苦痛だったホストファミリーとも、最後は別れを惜しんで泣くとは思ってもいませんでした。この経験から、挫折や逆境を乗り越えるには小さなことから現状を変えるための行動を起こし、そして継続させることが大切であると身を持って感じる事ができました。

ホームステイ先の猫ちゃんが私の癒し

異なるバックグラウンドを持つ人々の中で出せる自分のバリューとは

  • 留学先探し : ボランティア

モントリオールは英語とフランス語のバイリンガルな都市で、ボランティア先の子供達も英語やフランス語、スペイン語など様々な言語を話す子であふれていました。はじめは、フランス語と英語の2言語を瞬時に使い分けることに非常に苦労しました。また、見知らぬ土地にやって来てすぐに人種や言葉の異なる環境に放り込まれたことへの不安を感じている子供たちとの接し方に悩みました。試行錯誤しながらも積極的に彼らと向き合うことで徐々に心を開いてくれたことが非常に嬉しかったです。また、他のスタッフに夏休みの学生ボランティアがいて、彼らとの仕事に対する態度の違いに悩みました。文化の違いが原因なのか、仕事が雑だったり、日本人ならするだろう周囲への配慮がなかったために働きにくさを感じていました。そこで、自分から率先して動いたり丁寧な気配りを心がけたことで、それが彼らにも伝わったのか、彼らの仕事の質の向上を導くことができました。この経験から、日本人だから〜留学中だから〜という理由で周囲に期待するのではなく、自身が積極的に行動に移すことで置かれた環境を改善させることができると実感しました。

留学前にやっておけばよかったこと

語学の勉強は留学前にしっかりとやっておけばよかったと後悔しました。第二外国語としてフランス語を選択して文法を学んでいたので何とかなると高を括っていましたが、実際に行ってみると文法の知識のみでは太刀打ちできず、留学当初は日常生活でコミュニケーションを取ることに非常に苦労してホームステイ先の家族を困らせてしまいました。

留学を勧める・勧めない理由

私は、留学を通して新たな価値観に気がつく事ができました。それは異なる人種や文化的背景を持つ人々と一緒に生活しながらどっぷりと海外生活に浸かったことで、日本で生活する中で醸成されてしまった一様な価値観や考え方を疑い考え直す事ができたからだと思います。自分のものさしで生きることの大切さを教えてくれた留学を私は強く勧めます。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学では不安、苦しみ、憤りなど自分の様々な負の感情にぶつかると思います。その感情と向き合いながら日々を生きて行くのは辛いことですが、それでも着実に自分は成長しているはずです。トビタテ生として留学したのだから大きな成果出さねばと気負いせず、やることは確実にやって、あとはのびのびと楽しいと感じるままに行動し、思いっきり現地に溶け込んでみてください!