留学内容
自分の持つ漫画と建築という2分野の技能を活かし、異分野、異国間の架け橋となれる作家になるべく留学を行いました。建築も漫画も、作品には必ず人が込めた想いがあります。その想いをより深く汲み取り、そして自らも発信し人に伝えていける人間になりたい、そう思いながら常に2分野での学びと実践をし続けることを心がけました。まるでフィクションのような特殊な生活圏を昔から維持しているイタリアのヴェネツィア本島に住みながら、ヴェネツィア建築大学で建築、芸術について学び、グループワークでの設計スタジオも受講することでイタリア人、中国人の建築に関する異なる姿勢、価値観を学びました。また、最も敬愛する建築家であるカルロ・スカルパの作品を研究し、スカルパに惹かれる自分の個性を深く分析、伸ばそうという視点でフィールドワークを行いました。そして同時に、プロの漫画家として日本の編集部とやり取りをしながらイタリアで漫画を執筆し、日本のwebレーベルで月一連載(20数ページ)をしていました。編集さんとの打ち合わせで常に実践的な研鑽を積みながら、個人でもヴェネツィアの魅力を表現する漫画を執筆し、留学中に日本の表参道・スパイラルにて展示発表しました。その際はオランダの建築事務所で働く研究室の同期に什器の設計を依頼し、二人で日本に一時帰国し自主施工にて製作、什器にも建築的提案を盛り込んだものを実現することが出来ました。