留学大図鑑 留学大図鑑

ゆき

出身・在学高校:
長崎県立大村高等学校
出身・在学校:
九州大学 大学院
出身・在学学部学科:
芸術工学府 デザインストラテジー専攻 
在籍企業・組織:


最終更新日:2020年10月06日 初回執筆日:2020年10月06日

地域特有のデザインと都市戦略を学ぶ

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • アールト大学 School of Arts, Design and Architecture,
  • フィンランド
  • エスポー
留学期間:
7ヶ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表/新・日本代表プログラム」 1,120,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

地域特有のデザインと都市戦略を学ぶために、建築・ランドスケープデザインなど様々なデザインや、それらによる都市戦略を高いレベルの中で学べる、フィンランド・アールト大学へ交換留学した。アールト大学では、ランドスケープデザインのスタジオなどを中心に、建築やプロダクト、メディアデザインの講義などを受講し、様々な視点からデザインを学んだ。
また、フィンランドやヘルシンキで暮らす中で、街にあふれているデザインによってよりよい生活を提供している仕組みやその戦略を調査した。同時にフィンランドの歴史や文化を学ぶ中で、小さな国でもデザインによるブランディングや、プロデュースによって地域性を持った建築やデザインを世界に発信できることを学んだ。

留学の動機

建築やランドスケープデザインを学ぶ中で、今まで触れていた領域だけでなく、もっと幅の広い視点からデザインについて考えてみたいと思った。同時に、私は将来自分の出身地である長崎において活動をしようと考えているため、地域におけるデザインを如何にしてよくできるか。また、それを世界に発信できるかということを学びたいと考えていた。それらの目的に最も適した条件が、フィンランドという国であり、アールト大学であった。

成果

ランドスケープデザインのスタジオや建築の講義では、日本ではあまりまだ取り入られていない、サステナブル性を重要視した提案を求められ、これからの都市に対応できる視点を得ることができた。また、ヘルシンキの街を観察・調査すると、公共施設やシステムにおけるサイン計画や、行政の資料でさえもしっかりとデザインされて、市民への浸透しやすさや発信のしやすさを国全体で発展させようとしている姿勢に気づいた。

ついた力

なんとかなる精神力

留学時は、英語力が不十分であったため、様々なことが不安で挑戦することにためらうことも多かったが、大学で設計の議論などをすすめる中で、スケッチやイメージの共有など手法を変えることによって、そのような壁はいくらでも取り払えることに気づいた。それからは、分からないことでも、積極的に挑戦したり、コミュニケーションをとることで楽しみながら知識や能力を向上させることができた。

今後の展望

来年度からは、インテリアデザインのマネジメント業に就職予定のため、今回の留学で身についた様々な状況に対する対応能力や、チームでのプロジェクト進行能力などを発揮したいと考えている。
また、最終的には長崎という地域において、ヘルシンキのような小さな街でもデザインによる戦略やプロデュースによって、よりよい街をつくることができていたので、その知見を自分の出身地のために応用したいと考えている。

留学スケジュール

2019年
9月~
2020年
3月

フィンランド(エスポー)

アールト大学では、ランドスケープデザインのスタジオを中心に、建築やプロダクト、メディアデザインなどを受講し、様々な視点からデザインを学んだ。特に印象深いのはスタジオ講義で、多国籍なチームで4ヶ月間、トゥルクのランドスケープデザインのプロジェクトに取り組んだ。敷地の現地調査を通して街における歴史・文化・エネルギーや人の流れなど様々な要素を詳細まで分析し、最終的にどのように街の持続性を上げながら、よりよい環境をつくることができるかということをA1ポスター5枚にまとめあげた。日本のスタジオではあまり考えていなかった要素まで徹底的に調査することに驚くとともに、最終成果物は国柄のモチベーションの違いからか、満足するレベルまでチームを追い込むとができなかったのは少し後悔が残っている。しかし、これもフィンランドの「無理せず、できる範囲で仕事をして、生活を楽しむ」という精神の現れなのかとも感じた。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スタジオ講義の最終発表、各チーム30分ほど密にプレゼンを行う
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

フィンランドという国は、冬になると日照時間がとても短くなり気分が憂鬱になる。
そのような気分が落ち込むことが多い中で、とても救いになったのが公共サウナという場所である。サウナでは、ひとりでじっくりとあたたまるのもいいが、友人やその日たまたま居合わせたおじさんと一緒にサウナの中で談笑したり、外でお酒を飲んだりして盛り上がることも多かった。また、特殊ではあるが、サンパサウナという公共サウナはほとんどセキュリティがなく、利用者の自主性に全て任されており、人を信じ切ってサウナを楽しむという文化にとても感銘を受け、見習いたいと感じた。サウナという休息の場があったから、寒く辛い冬の中での講義も乗り切れたともいえる。

サンパサウナ。

事前に期間と要項をしっかりと調べましょう

  • 留学先探し : インターンシップ

フィンランドの建築事務所で、インターンシップに応募する場合、応募期間が決まっていたり、必要とされる能力が開示されている場合があります。それを可能な限り早めに把握していないと出遅れることになります。私も決まるまで10数社にアプライして、1ヶ月ほどかかりました。
また、日本の建築事務所と違って基本的にインターン生も給与を与えなければならないとなっているため、審査はシビアです。可能であれば、建築事務所で働いている知り合いをつくっておいたり、先生に相談して紹介してもらうのが無難だと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は、挑戦と失敗の連続の日々でした。
日本の大学院では通じていたことや、自信のあった分野でも留学先の大学では全く敵わないこともありました。そのような状況でもめげずに、果敢に挑戦と失敗を繰り返していくとなんとかなる精神が育ちます。大抵のことにはビビらなくなります。大学に入ると、大きな失敗と反省のサイクルが少なくなるように感じます。極端な話ですが、失敗するために留学することをおすすめします。