留学内容
留学先であるパルドゥビツェ大学では、PDV装置を用いて爆薬によって加速される金属板の飛翔速度の測定を行ってきました。現在、異種金属材料の接合技術の一つとして、爆発圧着法というものがあります。これは、爆薬が爆轟する際に発生するエネルギーを金属板に作用させ、もう一方の金属板に高速で衝突させることによって、瞬間的に異種金属同士を接合させる方法です。現在私は、これまで難しかった板厚数μmの金属板を異種金属に接合する方法の研究を行っています。
爆発圧着法において、接合時の金属の衝突速度、角度は非常に重要なパラメータであり、これらのパラメータの実測は薄板の爆発圧着法の進歩に貢献することができます。私たちが研究している方法は、接合自体は出来ていましたが、やはり接合時のパラメータの測定は難しく、実施されていませんでした。留学先であるパルドゥビツェ大学ではPDV装置を用いた金属板飛翔速度の測定についての論文が発表されており、この測定方法を私たちの行っている薄板の爆発圧着法に適用できないかと考えました。現地では、実験装置に適する治具の設計や条件等を一から考え、製作、実験を行いました。
結果は、これまで測定されていなかった爆薬によって加速される薄い金属板の速度履歴を測定することができました。