留学大図鑑

高嶋真聖

出身・在学高校:
鹿児島工業高等専門学校
出身・在学校:
熊本大学
出身・在学学部学科:
自然科学教育部
在籍企業・組織:


最終更新日:2020年10月28日 初回執筆日:2020年10月28日

爆薬により加速される金属板の飛翔速度測定

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • パルドゥビツェ大学,化学技術学部
  • チェコ
  • パルドゥビツェ
留学期間:
3ヵ月
総費用:
- 円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」 610,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 挨拶など基本的な会話ができるレベル<TOEIC 655点> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

留学先であるパルドゥビツェ大学では、PDV装置を用いて爆薬によって加速される金属板の飛翔速度の測定を行ってきました。現在、異種金属材料の接合技術の一つとして、爆発圧着法というものがあります。これは、爆薬が爆轟する際に発生するエネルギーを金属板に作用させ、もう一方の金属板に高速で衝突させることによって、瞬間的に異種金属同士を接合させる方法です。現在私は、これまで難しかった板厚数μmの金属板を異種金属に接合する方法の研究を行っています。
爆発圧着法において、接合時の金属の衝突速度、角度は非常に重要なパラメータであり、これらのパラメータの実測は薄板の爆発圧着法の進歩に貢献することができます。私たちが研究している方法は、接合自体は出来ていましたが、やはり接合時のパラメータの測定は難しく、実施されていませんでした。留学先であるパルドゥビツェ大学ではPDV装置を用いた金属板飛翔速度の測定についての論文が発表されており、この測定方法を私たちの行っている薄板の爆発圧着法に適用できないかと考えました。現地では、実験装置に適する治具の設計や条件等を一から考え、製作、実験を行いました。
結果は、これまで測定されていなかった爆薬によって加速される薄い金属板の速度履歴を測定することができました。

留学の動機

私の留学の動機は、将来海外でも通用するようなエンジニアになりたいという目標に近づくためです。目標に近づくためには、海外での長期滞在経験や、現地の人と物事を進める経験、使える語学力の向上の大きく三つが必要であると思い、研究留学という方法を選択しました。

成果

研究については、金属の加速履歴から、私が研究している新しい方法についての有用性を証明することができ、これからの研究にも生かせるデータを取得することができました。研究をする中で互いの考えを理解し合うことの大切さを学びました。一見当たり前に見えるようなことですが、言葉や文化の違う海外では、その影響がより顕著にでます。実際に肌で感じることができた経験はこれからに大きく役立つと考えています。

ついた力

困難に対して粘り強く取り組む力

実験装置に適した治具を設計した経験から身に付きました。その中で実験条件を達成させるための機構考案や自分の考えが上手く伝わらないことに悩まされました。そこに対して、治具のミニチュアの製作やパワポやレジュメを使った説明など、自分の考えつく限りの工夫を実践しました。結果として、最適な治具を製作することができ、測定も成功することができました。この経験から、困難に対して粘り強く取り組む力がついたと思います。

今後の展望

研究に関しては、測定された速度データから爆発圧着プロセスのパラメータを計算し、実測値との比較を行っていく予定です。また、海外で研究した経験を活かして、将来は国内外問わず活躍できる研究者を目指していきたいと思います。

留学スケジュール

2019年
9月~
2019年
12月

チェコ(パルドゥビツェ)

パルドゥビツェ大学で現地の研究室に所属し、爆薬によって加速される金属板の飛翔速度の実験を三か月間行いました。私の研究している薄い金属板を爆着する新しい方法の有用性を証明できるデータの取得を達成することができました。現地では、自分の考えが上手く伝わらないもどかしさや新しい研究をする難しさを感じました。自分なりに精一杯研究に対してアプローチしていく中で、そういった問題に対して努力や工夫を怠らず、粘り強く取り組む力がついたと感じています。また、同じ分野の研究一つとっても、日本と海外での考え方の違いを目の当たりにし、新しい環境、物事に取り組む時は先入観を持たずに取り組むことが大切であると感じました。私は大学の寮で生活し、研究室まではバスで通学していました。休日は友人と出かけたり、チェコの街を散策したり、ヨーロッパの国々を旅行していました。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

チェコの大きな蚤の市会場。カッコいい革ジャンを購入しました。
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

就活にも効いた!留学経験

研究着手時、実験装置に適した治具がなかったため、治具設計が必要になりました。最初に設計した治具は、材料をセットした際、金属板にたわみが生じるという問題がありました。この課題を解決するにあたり、教授や学生達と議論していたのですが、英語ということもあり、議論が中々進まず、設計は難航しました。そこで、互いの考えを理解しやすいように、治具のミニチュアを3Dプリンタで作成しました。そして、材料のみで爆薬を支えていたことが問題点であることが分かり、爆薬を材料と治具で支える設計にすることで、課題を解決することができました。治具の完成により、実験はスムーズに進み、予定よりも多くのデータを測定できました。この経験から、良好な人間関係を築き、互いの考えを理解し合うことで、より良い解決策が見つかることを学びました。

実際に制作した治具を用いた実験の様子

ルームメイトと上手くいかなかった経験

  • 住まい探し : 学生寮

私は学生寮に住んでいましたが、その中で部屋を変えたことがありました。文化が違う人との生活はやはり口で言うほど簡単なことではないのが現実で、実際にそういう場面に遭遇する可能性も考えておいた方がいいと思います。もちろん上手くいくこともあると思いますが、ここでは上手くいかなかった経験をシェアしたいと思います。この問題に対し、私は経験だと思い、我慢したり、ルームメイトと話し合ったり色々な行動を起こしました。しかし、改善はされず、最初の一か月くらい頭を悩ませ続けました。同時期に留学している友人に相談したところ、部屋を変えてもらったらどうかという提案をしてもらいました。最初は部屋を変えることに抵抗がありました。手続きが大変だったり、変な印象を持たれないかなどです。しかし、寮母さんに話をしてみると、翌日部屋に呼ばれ、その日に部屋を変更してもらうことができ、そこから快適な寮生活を送ることができました。今回の留学では異文化体験も大切でしたが、第一の目的は研究でしたので、ストレスで体調を崩したり、せっかくの留学期間を憂鬱な気持ちで過ごすのを避けることが大事だと思い行動に移しました。この経験から、自分にとってなにが一番大事なのかを考えて行動することが大切だと思いました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は楽しい事だけではありません。私がそうでした。つらい事やきつい事のほうが多いと思います。しかし、そこを乗り越えてこそ、学びがあり、成長があると思います。留学に不安を持っている人にこそ、私はぜひ留学をして、困難を乗り越え、一回りも二回りも成長する体験をしてほしいです。悩んでいる時間はもったいないです。思い切って行動しましょう!