留学大図鑑 留学大図鑑

君付龍祐

出身・在学高校:
立命館守山高等学校
出身・在学校:
University of Alberta
出身・在学学部学科:
Faculty of Science
在籍企業・組織:


最終更新日:2024年03月06日 初回執筆日:2024年03月06日

古生物学の聖地で学ぶ

留学テーマ・分野:
大学進学(学位取得)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • University of Alberta
  • カナダ
  • エドモントン
留学期間:
学部4.5年+修士2年目
総費用:
20,000,000円 ・ 奨学金あり
  • (独)日本学生支援機構(JASSO)「海外留学支援制度」 10,000,000円
  • 大学独自のもの 8,000,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<英検1級、TOEFL iBT total: 110> ネイティブレベル

留学内容

正規での留学です。2018年にカナダのアルバータ大学に入学し、4年半をかけ2022年末に古生物学専攻で学士号を取得。その後2023年の1月から修士課程を始め、現在は修士2年目として生痕化石の研究をしています。また修士号取得後は博士課程に進む予定です(どの大学院かは検討中)。学士課程では初めの1年間は他の理系プログラムと同様に基礎的な理系の授業や英語の授業を受け、2年以降からより専門的に地学・生物学・古生物学の授業を受けました。また夏に行われるフィールドでの実習にも参加しました。修士課程では非海成層の生痕化石をテーマにフィールドワークや研究を行いつつ、大学院の授業を履修したりTAを行っています。

留学の動機

元々から古生物学(恐竜をはじめとする古代生物の研究)に強い憧れを持っており、日本よりもフィールドがたくさんあり、研究が進んでいる同大学への進学を目指していました。修士課程でも在学を続けているのは生痕学に特化した所属研究室があり、より質の高い研究ができると考えたからです。

成果

2024年3月現在も在学中であるため、自分の研究を進めながら論文を執筆していければと思っています。学部では地学分野への専門知識のほか、レポートの書き方やフィールドワークの進め方を学びました。また恐竜の化石のクリーニングのボランティアなど日本ではできない経験も得ることができました。大学院に来てからは論文の書き方やTAを通して地学の教え方を学んでいます。

ついた力

発言をする力

これについてはカナダにいる間はあまり実感がなかった(というより現在でも現地の人と比べると劣っていると感じている)のですが、コロナ禍で日本に長期間戻ってきた時に感じました。カナダ(に限ったことではありませんが)では言ったもん勝ちのような風潮があるため、どのような相手でも自然と自分の意見や要望を主張できるようになったと思います。

今後の展望

直近の目標は研究を進め多くの論文を通してその内容を発信をしていくことです。私は生痕学を専門にしており、いずれ日本でも研究を行いたいと考えています。日本やアジアにはあまり生痕学(特に私が研究を行っている非海成層)を専門にされている方がいないため、この分野の発展に貢献できればと考えています。

留学スケジュール

2018年
9月~
2022年
12月

カナダ(エドモントン)

古生物学を専攻で学部の正規留学を行いました。4年半のプログラムで初年度は基礎のおさらいがメインでしたが、学年が上がるにつれ、特に生物学と地学のより専門的な内容を学びました。またフィールドに出る授業への参加や、卒業研究も行いました。課外活動として化石のクリーニングを行うボランティアも行いました。なお2020年と2021年前半はコロナ禍の影響で日本に帰国し、オンラインで授業を受けました。当時は当然ながら化石のクリーニングのボランティアはできませんでしたが、代わりに日本にいる間は地元の次世代科学者育成プログラムで参加生徒の指導の手伝いを行いました。学位を取得後は修士課程に進学しました。

費用詳細

学費:納入総額

8,000,000 円

住居費:月額

100,000 円

生活費:月額

50,000 円

冬のアルバータ大学
費用詳細

学費:納入総額

8,000,000 円

住居費:月額

100,000 円

生活費:月額

50,000 円

2023年
1月~
2024年
12月

カナダ(エドモントン)

費用詳細

学費:納入総額

2,500,000 円

住居費:月額

100,000 円

生活費:月額

50,000 円

フィールドワーク中の風景
費用詳細

学費:納入総額

2,500,000 円

住居費:月額

100,000 円

生活費:月額

50,000 円

スペシャルエピソード

この国のことが、とても好きになった瞬間

カナダで迎えた初めてのクリスマスのこと…。当時は寮生活でまだ勉強にも余裕があったので、週末になれば隣近所の部屋の子達とパーティーをするような毎日を過ごしていましたが冬休みに入るとカナダ出身の子たちは実家へと帰省して行き、その時ばかりは寮がほとんど空っぽな状態でした。それもそのはずで、キリスト教がメジャーなカナダではクリスマスは家族とゆっくり過ごす、日本で言えば大晦日ー元日のような時間なのです。私は特にすることもなかったのでロッキーの方へ一人旅に出ようと計画を立てていたところ、そのことを聞いた友達の一人が家へ誘ってくれました。とはいえすでに旅行の計画をある程度立てていたのと、どこか申し訳なさを感じていたためクリスマスディナーだけ参加させてもらうことにしました。実際に行ってみると家族の一員のようにとても暖かく迎えていただき、楽しいひと時を過ごすことができました。カナダの人たちの暖かさを感じた瞬間でした。翌年、その友達と都合をつけることはできなかったのですが、また別の友達の家へ泊まりがけでクリスマスを過ごしました。

カナダのクリスマスマーケット

コロナ禍を乗り越えて

カナダでは新型コロナウイルスが流行り始めたのは比較的遅かったのですが、入ってきてからは瞬く間に広がりました。そして2020年の3月下旬、このままでは日本に戻れなくなるのではないかと思い、学期途中ではあったものの日本に帰国することにしました。結局その後一年半もの間日本に居続け、一年分の授業をオンラインでこなすことになりました。オンライン授業はとても過酷でした。何より時差の関係で授業によっては夜中に起きなければなりませんでした(もちろんそのようなことを考慮し、授業を録画してくださる先生方もいましたが)。またディスカッションなどもなく、授業もとても淡白に感じてしまいました。しかし一方で日本にいたからこそできたこともありました。その一つが地元(滋賀県)で開講されている次世代科学者育成プログラムの指導を手伝ったことです。子供に科学を教えることの喜びや地元の素晴らしさを再発見できる非常に良い機会となりました。

コロナ禍で日本滞在中に参加した琵琶湖上調査にて

−40℃のサバイバル

  • 生活 : 治安・安全

もともとカナダは寒いことで有名ではありますが、私のいるアルバータ州はロッキーを挟んで海とは逆方向にあるため非常に乾燥した冷たい風が吹き下ろしてきます。そのため雪はそれほど多くは降らないものの、かなり冷え込むのです(それでも現地の人に言わせれば温暖化で昔ほど寒くはないようですが)。氷点下が1ヶ月以上続くこともあり、もっとも気温が低い時には−40℃近くにもなります(体感温度はもっと寒いです)。そのような時は外に出ないのが一番ですが、授業や買い出しのため引きこもっているわけにもいきません。幸いにも建物や公共機関は全館暖房でとても快適であり、建物と建物をつなぐ地下道や歩道橋も整備されているため、秋までの間にそれらを確認しておくことをお勧めしておきます。それでも長時間外を歩かなければならない場合は、末端から冷えてくるため、厚手の手袋と靴下、防水性に富んだ暖かいブーツ、耳当ては必須アイテムです。それに厚手のダウンジャケットを合わせればなんとかカナダの冬はやり過ごせます。

冬のアルバータ

留学前にやっておけばよかったこと

とにかく早め早めに準備を整えていくの一言に尽きます。私が海外大学を本格的に目指そうと考え始めたのは高2の夏のことでした。私はたまたま幼少期から英語の勉強をしていたので語学テストはなんとか間に合いましたが、(少なくとも現段階では)日本の大学と海外の大学では求められている力が異なるためその準備に大変苦労しました。大学合格後も留学に向け必要な準備について一から調べなければならず、大変でした。

留学を勧める・勧めない理由

あくまでも個人的な意見にはなりますが、友達から留学の相談をされたときは必ず明確な目的があれば留学を貴重な経験となり、逆になければ留学は時間とお金の無駄だと話しています(ここで「明確な理由」とは漠然と英語が上手になりたいということではなく、「英語で〇〇を学びたい」や「憧れの先生の元で学びたい」と言ったものです)。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学はたくさんのことを学べる大きなチャンスです。しっかりと準備を整え、たくさんのことを吸収してください!